2015年2月5日 NHKニュースより
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150205/k10015227041000.html
びわ湖周辺に群生する植物の「ハマダイコン」が、土に含まれる放射性物質を、比較的、効率よく吸収する可能性があることが、京都大学などのグループが福島県大熊町で行った実験で分かりました。大熊町は、農地で栽培し除染の効果を調べることになりました。
京都大学大学院人間・環境学研究科の瀬戸口浩彰教授のグループが、セシウムを含む土壌で、さまざまな植物を栽培したところ、びわ湖のほとりに群生する「ハマダイコン」が、枯れることなくセシウムを吸収することが分かりました。そして、東京電力福島第一原子力発電所からおよそ3キロの場所にある福島県大熊町の農地にハマダイコンを植え、土壌に含まれる放射性セシウムを測定した結果、最初は根元の土壌1グラム当たり平均で、85ベクレルでしたが、2か月余りあとには、74ベクレルに減り、ほかの植物よりも放射性物質を葉に蓄積しやすいことが分かったということです。
研究グループは、放射性物質を比較的、効率よく吸収する可能性があるとしています。
農地を除染するには、これまで表面の土を取る方法などが行われてきましたが、農家からは栄養分を増やした土壌を無くしたくないとして、ほかの効果的な方法を求める声も相次いでいます。
このため大熊町は、来月から、およそ1000平方メートルの農地でハマダイコンを栽培し、詳しい効果を調べることになりました。瀬戸口教授は、「一定の効果があるので、除染に役立てたい」と話しています。
また、福島県大熊町産業建設課の武内佳之課長は、「表面の土を取り除く除染の方法では、肥沃な農地を失うことにもなりかねない。植物が吸い上げる方法は、土壌を保つことができるので、ハマダイコンに期待している」と話しています。
除染の方法について話し合う「環境放射能除染学会」の森田昌敏会長は、「ほかの植物に比べ、放射性セシウムを吸収しやすいという結果で、学術的にも興味深く、除染の効果が期待できる。
ただ、この植物をどう効率よく育てるかや、刈り取ったあと、どう処分するかなどの課題も残る」と指摘しています。
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