2014年8月26日
宝島より
http://blog.takarajima.tkj.jp/archives/1921954.html
記事中で、今後、福島県内の読者から知っている症例を集めていきたいという呼びかけがあります。
政府も自治体も、新聞等も取り組んでいない現状のなか、
少しでも何かが明らかになるのであればと思い、こちらにも転載させていただきます。
なお、記事は1ページ目と5ページ目のみ転載しています。
間については、上記リンク先からお読みください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
福島原発事故から3年5カ月……被災者の健康リスクが未だ危惧されるなか、編集部ではセシウム汚染の分布と特定疾患増加の実態について調査を敢行。今月号(月刊誌『宝島』10月号)では「急性心筋梗塞」の増加と「被曝」の関係について検証する!
福島県で急増する「死の病」の正体を追う!~セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係~【第1回】
福島県内「セシウム137汚染濃度分布」と「急性心筋梗塞」年齢調整死亡率の増加
■甲状腺ガンだけではない? 過酷原発事故の健康被害
東京電力・福島第一原発事故の発生から、はや3年5カ月が過ぎた。原発事故に伴い放出された放射性物質の影響ではないかとして、小さな子どもや若い福島県民の間で発生が確認されている「甲状腺ガン」が昨今、注目を集めている。だが、原発事故による健康面への影響は「ガン」だけに限られるのだろうか。
実は、原発事故の発生を境に、福島県内で多発・急増している病気がある。厚生労働省の「人口動態統計」データを精査した結果、その事実が明らかになった。
急性心筋梗塞(こうそく)──。それが、福島県で現在、急増している「死の病」の正体だ。
【表1】2011年福島県の死因ワーストランキング、
【表2】2012年福島県の死因ワーストランキング
人口動態統計とは、人口や出生、死亡、死産、婚姻、離婚といったデータを県別、あるいは市町村別にまとめたデータである。
【表1】と【表2】を見てほしい。これらの表は、原発事故発生以降に福島県内で増えている「死因」を、人口動態統計をもとに多い順から並べたものだ。いわば、死因別の「増加数ランキング」である。
【表1】は、原発事故が発生した2011年に増加した死因で、【表2】が事故翌年の2012年に増加した死因だ。ここで私たちが着目したのは、「循環器系」の疾患である。
11年の【表1】を見ると、地震や津波が急増の原因と考えられる「不慮の事故」や「傷病」続き、「循環器系の疾患」と「心疾患」が4位と5位にランクイン。10位には「心不全」も入っている(注1)。そのいずれもが、原発事故前である10年の発生数を大きく上回っていた。
それが12年になると、循環器系疾患の代表格である「急性心筋梗塞」がランキングのトップに躍り出る(【表2】)。10年と比較した場合、11年で128人増。翌12年はさらに増えて219人もの増加と、100人単位で増え続けているのである。
(中略…冒頭のリンク先でお読みください)
改めて言うまでもなく、急性心筋梗塞に罹(かか)った人のすべてが、すぐに亡くなっているわけではない。福島県立医科大学がそのホームページで公開しているデータ( https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/Fukushima-AMI/AMI.htm# )によれば、発症から30日以内に死亡する人は全体の10%に過ぎず、残りの90%で1カ月以上の延命、もしくは救命に成功しているのだという。
言い換えれば、人口動態統計から明らかになる「健康被害」の実数は、あくまでも氷山の一角に過ぎない。福島第一原発事故で放出された放射性物質によって心臓にダメージを負わされた“被害者”は、その数倍から10倍近くにまで及んでいる恐れがある。現在、急性心筋梗塞をはじめとした心臓疾患で闘病中の福島県民の中にも、そうした“潜在的被害者”がいるかもしれない。これまで急性心筋梗塞は、原発事故と結び付けて考えられてこなかった──だけの話なのだ。
連載の第1回を締めくくるにあたり、私たち取材班から読者の皆さんに、協力を要請したいことがある。
現在、取材班では、福島第一原発事故の発生以降に急性心筋梗塞を発症した福島県在住の方や、急性心筋梗塞で亡くなられたと思われる福島県民のご遺族への取材を進めている。急性心筋梗塞で現在、闘病中の方や、担当の医師から「死因は急性心筋梗塞である」との告知を直接聞いたご遺族、そして「急性心筋梗塞」と書かれた死亡診断書を受け取ったご遺族で、取材にご協力いただける方は、本誌編集部かルポルタージュ研究所(メール: i.n.f.o@rupoken.jp )まで情報を寄せてほしい。
なかでもご遺族からお聞きし、確認したいのは、次に掲げる5点の事実である。
(1)死因
(2)死亡日時
(3)享年
(4)亡くなられた方の11年3月11日時点の健康状態
(5)亡くなられた方が急性心筋梗塞を発症するまでの生活状況
こうした情報が集まれば、「原発事故の発生後、どんな生活を送っていた人が急性心筋梗塞を発症するリスクが高いのか」の見極めがつく可能性がある。その上、そうしたリスクの高い人を事前に把握し、救命医療に役立てることもできるだろうし、そうしたいと私たちは願っている。
読者の皆さんとの共同作業で、この未曾有の危機に立ち向かっていきたい。(以下、次号)
取材・文 明石昇二郎(ルポルタージュ研究所)+本誌取材班
(『月刊宝島』2014年10月号より)
0 件のコメント:
コメントを投稿