http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150913/k10010232651000.html
私が伝える福島
福島映像祭は、原発と福島に関する映像を集めている団体が東京・中野区の映画館で開いたもので、プロの映像作家による4つの映画と、一般募集で選んだ3本の作品が上映されます。
初日の12日は、一般募集の3作品が上映され、「わたしが伝える福島」をテーマに、それぞれの監督のトークショーも行われました。
福島の学校はいま
このうち、事故のあとの福島の沿岸部の小学校や中学校の現状を描いた「福島 浜通りの学校」は、東京の小学校の元教員、湯本雅典さんの作品です。
原発に近い学校は事故のあと多くが休校し、移転先で再開してからも子どもの数が激減し、遠くの仮設住宅からバスで通う子どもが多いことが紹介されています。
そして、プレハブの校舎で行われている授業の様子のほか、理科室に実験器具が足りないことや仮設の図書室には僅かしか本がないことなど、子どもたちが厳しい教育環境に置かれていることを元教師の視点から描いています。
上映のあと、湯本さんは、「福島のいまの教育の現状はあまり知られておらず、ぜひ全国の教師に見てほしい」と話しました。
放射性廃棄物への対応は
また、ドイツ在住の国本隆史さんの作品「Endlager(最終処分場)」は、福島の原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分場の候補地となっている栃木県塩谷町と、ドイツの地方都市にある放射性廃棄物を地下に埋設している中間貯蔵施設を取材した作品です。
日本とドイツの住民たちの放射性廃棄物や処分場に対する不安の声を、双方の豊かな自然の映像を織り交ぜながら描いています。
国本さんはドイツからインターネットで中継し、「放射性廃棄物は100年、200年後も残る。いま生きている人たちの声をその時まで残したい」と語りました。
思い切り遊べない子どもたち
また事故のあと放射能が心配で外で思い切り遊べなくなったという福島の子どもたちのために伊豆諸島の島で自然キャンプを開いたボランティア団体がみずから撮影した作品も上映されました。
子どもたちが海で野生のイルカと触れ合ったり、島の自然の中で存分に遊んだりして元気を取り戻す姿が描かれています。キャンプや撮影の費用はすべてインターネットの募金でまかなったということです。
会期中には、このほかに、原発事故のあと父親を自殺で亡くした農家の男性の思いを描いたドキュメンタリーや、原発周辺の野生動物の姿を追った作品などが上映されます。
福島映像祭は、東京・中野区の「ポレポレ東中野」で18日まで開かれます。
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