2015年9月21日 TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2594404.html
東日本大震災から4年半が過ぎました。シリーズ「復興への日々」。福島第一原発から20キロ圏内にある福島県の楢葉町では、原発事故による避難指示が今月5日に解除されました。しかし、戻りたくても戻れない家族がいます。
今月5日、国は、除染が進み環境が整ったとして、楢葉町の避難指示を解除しました。町に自宅がある斉藤朋子さんがこの日向かったのは、両親が眠る墓でした。
「ばあちゃん、解除になりましたからね」(斉藤朋子さん)
斉藤さん一家は3世代6人家族。しかし、自宅に戻ったのは朋子さんの夫の典夫さんだけ。避難指示が解除されても、家族全員で生活することはできません。理由は教育環境です。
斉藤さんの孫・日菜ちゃん(9)は小学4年生。毎日、いわき市の避難先の住宅から市内にある楢葉町の小学校の仮設校舎に通っています。楢葉町では、小・中学校と子ども園が再来年2017年に町に戻る予定で、いま町に帰還したとしても、およそ40キロ離れたいわき市の仮設校舎まで通うことになります。
日菜ちゃんの弟・昊太くん(3)は今年4月から、いわき市にある楢葉町の仮設こども園に通っています。やっと慣れてきた新しい環境。昊太くんのことを思うと、避難先での生活を続けていくしかありませんでした。
「今の環境を、できる限り維持してあげたいなと思う」(朋子さんの娘 馬上友美さん)
避難指示の解除前日。斉藤さん一家は楢葉町に集まっていました。仕事や学校がない週末は、ほとんど楢葉の自宅で過ごします。
「本当だったら楢葉から行ってきますと学校に行って、みんなで朝ごはんを食べて、暮らせたらいいなと思う」(朋子さんの孫 馬上日菜ちゃん)
楢葉町の町民およそ7000人のうち、これまでに帰還したのは1割ほどにとどまっているとみられています。震災から4年半、変わらない現実があります。
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