毎日新聞 2015年09月03日 地方版
http://mainichi.jp/edu/news/20150903ddlk08100206000c.html
取手市立藤代中学校(鶴巻敬孝校長)は2日、東日本大震災時に福島県南相馬市に住んでいた被災者を講師に招き、「防災講話」を行った。1、2年生約200人が聴講。津波や原発事故の恐ろしさを知り、日ごろの備えの大切さを学んだ。
講演したのは、取手を拠点にした避難者と市民との交流団体「取手・南相馬・双葉浜通の集い」代表の三浦邦夫さん(71)=千葉県柏市。地震の瞬間は南相馬市小高区で営んでいた時計店にいた。「大きなウインドー(ガラス)が割れて飛び散り、ものすごい恐怖を感じた。隣の家が地響きを立てて倒壊した」と振り返った。
海岸から約4キロ。高さ約15メートルの津波が襲う前に高台へ避難した。東京電力福島第1原発事故については「事故前に東電は、どんなことがあっても放射能が漏れることはないと言っていた。世界一安全だと信じてきた。人間のおごりと過信によって、取り返しのつかない事故を起こした」と指摘した。
震災翌月に取手へ避難。昨年7月に長女の住む千葉に引っ越したが、「取手では心が折れそうな時に多くの方に支えていただき、思いやりを身をもって知った」と感謝した。講話のあと生徒を代表して2年の小板橋識成さん(14)が「被害の大きさが改めて分かった。命を大切にして防災の対策をしっかりしていきたい」とお礼を述べた。【安味伸一】
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