福島・葛尾村、避難指示が解除 「居住制限区域」は初
2016年6月11日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H55_R10C16A6CC1000/
東京電力福島第1原子力発電所事故により、全村避難が続いていた福島県葛尾(かつらお)村で、帰還困難区域を除く大部分の地域の避難指示が12日、解除された。居住制限区域の解除は初めて。全住民が避難した自治体では昨年9月の楢葉町に次ぎ2例目となる。
6月1日現在の葛尾村の人口は1466人で解除対象となるのは418世帯1347人。帰還困難区域の住民は33世帯119人。
日用品や食料品を買える店の再開が間に合わず、常駐の医師もいないなど生活インフラが整っていないことから、どの程度の住民が帰還するかは不透明だ。
昨年8月から始まった、帰還困難区域以外の村民を対象にした「準備宿泊」に申し込んだのは延べ53世帯126人にとどまる。復興庁と県、村が3月にまとめた村民の帰還意向調査では、避難指示解除後に「村に戻りたい」と回答した人は25.6%、「戻らない」は23.9%。「まだ判断がつかない」が45.0%で最多だった。
これまでに避難指示が解除されたのは田村市都路地区(2014年4月)、川内村東部(同年10月)、楢葉町全域(15年9月)の3カ所。今後、6月14日に川内村、7月12日に南相馬市のそれぞれ一部に出ている避難指示が解除される。
政府は県内の居住制限区域と避難指示解除準備区域を17年3月末までに解除する方針。帰還困難区域についても夏までに見直しの方向性を示すとしている。
帰っても生活できるだろうか 避難解除の葛尾村 本紙調査
2016年6月12日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2016061202000116.html
東京電力福島第一原発事故での避難指示が今月以降、続々と解除される。12日の福島県葛尾村の解除を前に、避難先の仮設住宅や村内を回り、住民約20人に帰還の意思や生活再建のめどはついたかどうかなどを聞いた。村に帰りたいという思いとは裏腹に、容易には放射能汚染で奪われた生活基盤を取り戻せない現実が浮かびあがった。 (大野孝志)(前文のみ)
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