http://www.asahi.com/articles/ASJ6V35H4J6VULBJ001.html
東京電力福島第一原発事故の発生から4日後に東京都へ降下した放射性セシウムの大半が、ガラス状の微粒子に取り込まれた状態になっていたことが九州大など日米仏の国際チームの研究でわかった。溶け落ちた核燃料が高温で格納容器の底のコンクリートと反応してできたとみられる。今もよくわかっていない炉心溶融した原子炉内の状況を知る手がかりになりそうだ。
27日、横浜市で開かれる地球化学の国際会議で発表される。
九大の宇都宮聡准教授(環境ナノ物質化学)らは、事故発生4日後の2011年3月15日に都内でフィルターによって採取された放射性降下物を電子顕微鏡などで詳細に分析した。セシウムの80~89%はガラス状微粒子に取り込まれ、微粒子に含まれないものはほとんどなかった。大きさは1マイクロメートル未満で、放射性物質の濃度は1グラムあたり4400億ベクレルだった。
2200度以上になった溶融燃料と触れたコンクリート由来のケイ素などが、熱せられた後に冷えてガラス状になったとみられる。格納容器底部まで落ちたことが裏付けられ、廃炉作業の前提となる溶融燃料の位置を知るのに役立つと期待される。宇都宮さんは「微粒子がどう拡散したかの調査も必要だ」と話した。(杉本崇)
セシウムの89%はガラス粒子 原発事故で東京への降下物分析
2016年6月27日 中日新聞東京電力福島第1原発事故の発生から4日後に東京に降下した放射性セシウムの89%は、ガラス状の微粒子に溶け込んだ状態だったとの研究結果を、九州大の宇都宮聡准教授らが27日までにまとめた。
セシウムは雨などで洗い流されると考えられていたが、直接的に除去する方法でなければ環境に存在し続ける可能性があるという。チームは「健康への影響について考え直す必要がある」としている。
チームは、事故発生後の2011年3月15日、原発から約230キロ離れた東京都内で採取された放射性降下物を分析した。
(共同)
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