2016/09/30

自主避難者家賃補助は3日申請開始/福島

2016年9月30日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016093035062 

県は東京電力福島第一原発事故に伴い自主避難者を対象とした住宅無償提供打ち切り後の家賃補助申請手続きを10月3日から受け付ける。29日、家賃補助制度の手続き業務を担う「県民賃等補助金事務センター」が福島市中町に開所し、家賃補助制度に関する問い合わせの受け付けを開始した。

家賃補助制度では、来年4月以降も県内外で避難生活を継続する月収21万4千円以下の世帯に家賃や共益費、駐車場代を補助する。県内の場合は妊婦や18歳以下の子どもがいる世帯、避難先の病院で指定難病や障害の治療が必要な世帯に限る。民間住宅と雇用促進住宅が対象。

県民賃等補助金事務センターでは県と委託会社の職員5人が家賃補助の申請や審査、交付などの業務に当たる。県避難地域復興局の斎野和則次長は開所式で「家賃補助は避難者の生活再建に向け重要な制度だ。速やかに、適切に業務を進めてほしい」とあいさつした。

開設時間は午前9時から午後5時まで。土日や祝休日、年末年始は休み。問い合わせはセンター フリーダイヤル(0800)8000218、(0800)8000261、(0800)8000273へ。

10/29京都市/「福島 風の声」 広域避難者 心のアーカイブ事業

福島県から、県外避難されてきた中高生~20歳前後の方たちや、
保護者の方たちに。

「福島 風の声」 広域避難者 心のアーカイブ事業
~自分のストーリーを探しながら未来をデザインしよう~

東日本大震災からまもなく6年、子ども達も大きくなり、思春期や青年期を迎えました。
これまで、避難してきたお母さんたちを対象に未来デザインワークショップを行ってきましたが、
今回は青年期の方を対象にします。

思春期のお子さんたちは、通常でも親に話せない辛さを抱えています。
避難したお子さん同士が、安全を確保されて同じ年代のお子さんと出会うこと、
気持ちを整理できる場となることを願っています。

日時:10月 29日(土)10時~13時
(10時~12時ワークショップののち、ランチ&スィーツ)
場所:みんなのカフェ(京都市伏見桃山) 
http://minnanocafe.com/ 

(ランチつき)無料
対象:福島県から県外に避難してきた、現在中学生~高校生、及び20歳くらいまでの方。先着順。

進行役:中村純(もと東京都の私立中学高等学校専任教員・キャリアカウンセラー・編集者。教育カウンセリング研修修了。中高大生の未来デザインワークショップや、日常や進路の相談にあたってきました。自らも原発事故後、子連れの西日本への転居です。)

内容:東日本大震災で被災、避難された方たちに対して、「福島 風の声」オリジナルのノートを作成しています。
ノートを使いながら、一緒に心の整理をしたり、絵を描いたり、おしゃべりをして、ランチ交流をします。


*2016年度 復興庁 心の復興事業 助成事業 
*問い合わせ先 連絡先 みんなの手代表 西山祐子
 電話:075-632-9352(みんなのカフェ)
 メール:minnanote123@gmail.com 

10/3【集会と政府交渉】「8000ベクレル/kg以下の除染土の公共事業への再利用」方針の撤回を

 FoE Japan
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/evt_161003.html

□日時:2016年10月3日(月)13:30~16:30 開場13:10 
  ※13:10から、ロビーにて通行証を配布いたします。

□会場:参議院議員会館B104 (定員70名)
東京メトロ・永田町駅 1番出口でてすぐ 国会議事堂前駅 1番出口徒歩5分

□内容
1)集会 13:30~14:50
 ・除染土再利用問題の概要:満田夏花(FoE Japan)
 ・南相馬における実証実験報告:まさのあつこさん(ジャーナリスト)
 ・放射性廃棄物をめぐる問題:藤原寿和さん(千葉県放射性廃棄物を考える住民連絡会事務局長)

2)政府交渉(相手方:環境省、調整中)
※冒頭、撤回署名提出を行います。
 ・除染土再利用方針について
 ・法令上の位置づけについて
 ・南相馬市・小高区における実証実験について
 ・環境基本法にもとづく放射性物質の規制について

□資料代 500円 (学生・サポーターは無料)
□主催 FoE Japan
□申込み 不要
□問合せ FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
Tel:03-6909-5983, Fax:03-6909-5986, Email : info@foejapan.org

10/23 滋賀 講演会「子ども脱被ばく裁判」~放射能汚染から子どもたちの健康をどう守るのか~


◆講演会「子ども脱被ばく裁判」~放射能汚染から子どもたちの健康をどう守るのか~

https://mykoho.jp/article/滋賀県大津市/広報おおつ-2016年10月1日号/◆講演会「子ども脱被ばく裁判」~放射能汚染か/ 

滋賀県大津市

10月23日(日)13時30分~、旧大津公会堂で。
定員先着100人。
入場無料。
申込締切は10月20日(木)。
滋賀県保険医協会TEL522-1152




2016/09/29

除染対象外の側溝土壌、国費で除去 福島県の市町村支援へ政府方針

2016年09月29日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160929-115347.php 

東京電力福島第1原発事故の放射性物質で汚染された土壌が、県内の道路側溝などにたまっている問題を巡り、政府は市町村の撤去を全額国費で財政支援する方針を固めた。30日にも方針を示す。

側溝の汚染土壌については、除染の目安である空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルトを下回った場合、国のガイドラインで定める除染や中間貯蔵施設への搬入対象から外れるため処理が進んでおらず、県内の市町村などが早期対応を求めていた。政府は交付金制度の改正など、年度内にも自治体への支援を始める考えだ。

政府の方針案は、本県復興を支援する既存の「福島再生加速化交付金」の対象事業に、側溝土壌の除去を加えることが柱。財政支援する対象は、除去した土壌を最終処分、あるいは仮置き場を確保した市町村とする。土壌除去により生じた市町村の負担分については「震災復興特別交付金」で同額を交付するため、事実上全額国費負担となる見通し。加速化交付金を活用できる除去作業は1地区につき1回とする方向で調整が進んでいる。県管理の道路の側溝についても、市町村と同様に県を支援する。

ただ、除去した土壌の搬入先は今後の調整に委ねられており、1キロ当たり8000ベクレルを超える土壌は特定廃棄物埋立処分施設(旧フクシマエコテッククリーンセンター、富岡町)か中間貯蔵施設に搬入する。8000ベクレル以下の土壌については、一般の処分場で処分される見込み。環境省や復興庁は、土壌の搬入先の調整などについて県や市町村を支援する。

2016/09/28

山形県寒河江市の指定廃棄物、解除で一般ゴミに

2016年09月28日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/eco/20160928-OYT1T50075.html

東京電力福島第一原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物について、山形県寒河江市は28日、放射性セシウムの濃度が国の基準値を下回り、環境省が指定を解除したため、一般廃棄物として埋め立て処分したと明らかにした。

同省によると、指定解除は千葉市に次いで2例目で、実際に処分したのは全国初。

寒河江市によると、処分したのは、市内の公園2か所でドラム缶に保管していた側溝の汚泥2・5トン。26、27の両日に市内の処分地に埋めた。4月の測定で放射性セシウムの濃度が国の基準値(1キロ・グラム当たり8000ベクレル)を下回る5270ベクレルだったため、同省が今月23日に指定を解除した。

千葉市は、指定廃棄物7・7トンを市内の清掃工場で保管していたが、今年6月の測定で基準値を下回り、同省が7月23日、全国で初めて指定を解除。だが、同市は風評被害の懸念があるとして、当面はそのまま保管することにしている。

2016/09/27

甲状腺がん 手術後の再発数%/福島

2016年9月27日 NHK
www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6053012561.html

原発事故の後、福島県が行っている、子どもの甲状腺の状態を調べる検査で、がんと診断された子どもの手術を行っている医師が、手術後に再発したケースが数%あることを初めて明らかにしました。

これは、福島市で26日から開かれている甲状腺がんに関する国際シンポジウムで、県立医科大学の鈴木眞一教授が明らかにしました。

福島県では原発事故当時、18歳以下だったおよそ38万人を対象に甲状腺の状態を調べる検査を行っていますが、シンポジウムで鈴木教授は、県の検査でがんと診断され、平成24年8月からことし3月までに県立医大で手術を受けた125人の詳しい状態や手術の方法などを発表しました。

それによりますと、状態としては、全体の22.4%にあたる28人に首の周りのリンパ節への転移が見られ、2.4%にあたる3人には肺など遠隔部への転移が見られたとしています。

一方、甲状腺がんの種類別では、「乳頭がん」と呼ばれる一般的なタイプが121人と大半を占め、チェルノブイリの原発事故で増えたとされる「充実型」と呼ばれる種類は見られなかったということです。

また、手術の方法については、左右にある甲状腺のうちすべてを摘出したのは11人で、ほかの114人は片側のみの摘出にとどめたとしています。

さらに鈴木教授は詳しい人数は言えないとした上で、手術を行った患者のうち数%の人ががんを再発したことを初めて明らかにしました。

シンポジウムでは27日午後、今後の甲状腺がんへの対応について県への提言案をまとめることにしています。



【報道まとめ】甲状腺がんめぐり議論 福島国際専門家会議


甲状腺検査の在り方議論 福島で国際専門家会議開幕

2016年9月27日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016092734975

東京電力福島第一原発事故による県民の健康への影響などを検証する第5回福島国際専門家会議は26、27の両日、福島市のザ・セレクトン福島で開かれている。出席者が甲状腺がんをテーマに、県内で行っている甲状腺検査の在り方などを議論している。初日は「原発事故の影響を調べるには一定期間の検査が必要だ」とする意見が出た一方、「県民の負担を減らすため検査の態勢を見直すべき」とする指摘もあった。

日本財団の主催、福島医大などの共催。国内外から医療や放射線の専門家ら約170人が参加している。初日は15人が県内で行われている甲状腺検査に対する見解や、チェルノブイリ原発事故の住民への健康影響に関する調査結果を示した。

ドイツのヴォルフガング・ヴァイス元大気放射能研究所長はベラルーシやロシアなどでの研究結果を紹介しながら、福島第一原発事故について触れ「(健康への)リスクを見極めるのにある程度の時間は必要だ。チェルノブイリ原発事故が影響したがんの潜伏期間は最短で4、5年だった」と説明した。

福島医大の緑川早苗放射線健康管理学講座准教授は甲状腺検査が行われていることを不安に思う県民がいるとした上で、「過剰診断をもっと減らさなければいけないと考える。検査の期間や基準などを再考する時期ではないか。ただ、単に『拡大』や『縮小』の議論をするのではなく、子どもたちのためにより良い検査にするという視点が必要だ」と考えを述べた。

甲状腺がんの治療法などについての発表も行われた。

最終日は「放射線と甲状腺がんリスク 福島への提言」などのテーマで出席者が意見交換する。
原発事故と甲状腺がんについて研究や調査結果を発表する専門家



甲状腺がんめぐり専門家ら議論 福島で国際会議

2016年9月27日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJ9W2RYQJ9WUBQU007.html

東京電力福島第一原発事故による被曝(ひばく)の健康影響などを議論する「福島国際専門家会議」が26日、福島市で始まった。5回目の今回は「福島における甲状腺課題の解決に向けて」をテーマに国内外から約200人の専門家らが参加した。


元ドイツ放射線防護局のヴォルフガング・ヴァイスさんは、放射線によって起きた小児甲状腺がんに4~5年の潜伏期間があったと紹介。「検査を続けていくことが大事だ」と述べた。

また、県立医の研究者からは、県民健康調査の現状の報告があった。大津留晶教授は「甲状腺がんは過剰診断が起こりやすい。子どもたちにとって良い検査にしていく必要がある」と話した。

最終日の27日は、主にチェルノブイリの教訓から福島への提言を探る予定。
(奥村輝)


放射線と甲状腺がんについて専門家による発表と議論が行われた=福島市太田町

新宿代々木市民測定所より、市販の粉ミルク・スキムミルク測定結果

(新宿代々木市民測定所より、市販の粉ミルク・スキムミルクについて測定したまとめが出されました。とくに、赤ちゃんを育てる粉ミルクについては、基準値未満でも気になるところです。こうした市民測定所の取組みが、5年半経った今も、そして今後もまだ必要です。市民ひとりひとりが測定所を利用したり、会員として支えたりできればと思います。 子ども全国ネット)

粉ミルク・スキムミルク測定結果一覧表(2016年7月) 原乳産地一覧表(8/27追加掲載)

賛助会員のみなさんから、検体を提供していただき、市販の粉ミルク・スキムミルクについて、測定を行いました。

以下は、測定結果のまとめです。
(表示の単位は、 mBq/kg = 千分の1Bq/kg となっています。読み間違えないように、ご注意ください。)







<沖縄・球美の里>冬休み保養募集開始しました♪

募集期間 9/16~10/28

✿第67次保養 学童保養
12月17日~12月26日 募集中

✿68次 学童保養
2017年1月1日~1月8日 募集中
❖学童保養の対象者
福島県在住および高濃度汚染の近隣県に在住の小学校1年生〜中学校3年生までの児童・生徒。
原則として、通常学級に通う児童で、集団行動ができること、身の回りのことが自分でできること(夜は極度のホームシックにならず自分一人で寝られること)が条件となります。

障がいや疾患により継続的に服薬をしているお子さんについては、安全性への配慮から、保護者の同伴なしの受け入れはお断りさせていただいております。離島 である久米島には総合病院のような十分な医療施設が整っていないため、万が一のときの対応ができない場合があります。不安な場合、不確かな場合には、必ず 事前にご相談ください。


事前説明会(保護者のみ) 
いわき会場 10/15(土) 小名浜公民館 13:00~14:00
郡山会場  10/22(土) 労働福祉会館 11:00~12:00

参加者説明会(保護者と参加されるお子さま)
いわき会場 11/13(日) 生涯学習プラザ 10:00~11:00
郡山会場  11/19(土) 総合福祉センター 11:00~12:00
※事前説明会と参加決定後の参加者説明会は参加必須です

【参加者決定について】
募集締切後、個別書類審査を経て、参加者決定のご通知をお送りします。応募が定員を超えた場合には、参加回数・年齢・性別などを考慮した上で抽選にて決定をいたします。定員に達しない場合には、引き続き補充募集をいたします。

【キャンセル料金について】
保養出発日の22日前までのキャンセル料金: なし
保養出発日の21日前~当日までのキャンセル料金: 飛行機代金の50%

出発の21日前に飛行機搭乗者名簿を提出します。出発の21日前に該当する日が土日祝祭日の場合は直前の平日になります。その場合は出発の21日前よりも早くキャンセル料金が発生いたします。

参加費
中学生 8,470円
小学生 7,930円
※兄弟、姉妹でご参加の場合は料金の変動がございますので予めご了承下さい

球美の里 HP : http://kuminosato.net/

保養期間中の様子はブログでご紹介しております
詳しくはこちらまで → http://kuminosato.blog.fc2.com/

場所 : 「沖縄・球美の里」
住所 : 沖縄県島尻郡久米島町字山城799     

申し込み先: FAX 0246-92-2526
      郵送:〒971-8162 福島県いわき市小名浜花畑町11-3カネマンビル3階 
認定NPO法人 いわき放射能市民測定室たらちね気付 沖縄・球美の里 いわき事務局

Email : iwakijimukyoku@gmail.com   

申し込み用紙はこちらから

必要事項をご記入の上、FAX、郵送、Eメールでお送り下さい。

※通信障害が多い為、郵送・FAX・メールいずれの申込みの場合も電話にて届いているかの連絡をお願い致します。

(*^。^*) お申込みをお待ちしております!


11/11〜13 妙高高原/のんびり親子リフレッシュキャンプ

東京YMCAは、三菱商事株式会社の協賛により、東日本大震災で被災された方々を対象に「リフレッシュキャンプ」を実施 しています。これまでに60回以上 実施し、延べ2400人以上が参加されました。キャンプでは豊かな自然の中で思い切り遊び、日常から離れてゆったり過ごしていただいています。

充実した施設とプログラム、美味しいお食事がみなさまをお迎えします。ぜひご参加ください。

【のんびり親子リフレッシュキャンプ】
●日 程:2016年11月11日(金)~13日(日) 2泊3日
●集合解散場所: JR郡山駅前(福島県)
●集合解散時刻: 17:30集合、18:00解散予定
●会 場: 東京YMCA妙高高原ロッジ
  国立公園内の森に囲まれた自然豊かなロッジです。温泉もお楽しみいただけます。
◇福島県郡山市から貸切バスで約4時間
◇住 所:〒949-2112 新潟県妙高市関川2253-1 池の平温泉
◇電話番号:0255-86-2171
◇和室または、2段ベッドルームを1家族(グループ)1室利用。

● プログラム例
ハイキング、クラフト、グランドアクティビティー、キャンプファイヤー、蕎麦打ち体験など
*プログラム内容は変更する場合もあります。
*YMCAスタッフとボランティアリーダーがプログラム運営を行います。
*プログラムは選択自由です。選択せずにのんびりサイト内で過ごしていただくこともできます。ただしサイト外での自由行動はできませんのでご了承ください。

●参加費: 無料 ※郡山駅までの交通費は各自でご負担ください。

●対象者: 原則、原発事故を含む東日本大震災被災者で15歳以下の子どもを含む家族やグループ。
*過去にYMCAが行なったリフレッシュキャンプ、スカラーシップを利用された方は、今回はご参加いただけません

●申込み: 往復ハガキでお申込ください。応募多数の場合は抽選となります。
*応募締切 10月14日(金)必着
*往信面裏に下記事項をお書きになり、下記の東京YMCA会員部までお送りください
1.キャンプ名(11月11日リフレッシュキャンプ)
2.参加者全員の氏名(ふりがな)
3.生年月日
4年齢(学年)
5.性別
6.現住所
7.連絡先(電話/Eメール)
8.避難前の住所
9.返信面表にご自分の住所を記入ください。
*返信面裏は何も書かないでください
*重複して申し込むことはご遠慮ください

●結果通知:返信ハガキで、締切後1週間を目途にお知らせいたします。
 その後、当選参加者には「キャンプのしおり」をお送りいたします。

●定 員: 13家族(グループ)40名程度

●主 催: 公益財団法人 東京YMCA
●協 賛: 三菱商事株式会社

詳細はこちら
http://tokyo.ymca.or.jp/news/days.php?no=1639


ダム底に高濃度放射性セシウム 福島第1原発周辺の10か所


2016年9月27日 毎日小学生新聞
http://mainichi.jp/articles/20160927/kei/00s/00s/016000c

東京電力福島第1原発周辺の飲料用や農業用のダムの底に、高い濃度どの放射性セシウムがたまり続つづけていることが環境省の調査で分かりました。原発事故の直後、森林に大量に降注いだセシウムが、時間をかけて川に流れ出したとみられます。

福島第1原発から50キロメートル以内の10か所のダムの底では、国の基準を超えるセシウム濃度の土がたまっており、専門家は「対策を検討すべきだ」と指摘してきしています。一方、環境省は、ダムの水面近くの水に含まれるセシウムは1リットル当たり1〜2ベクレルと飲料水の基準(同10ベクレル)を大きく下回っており、人の健康に影響を与えるレベルではないとして、監視のみを続ける方針です。

福島からの母子避難/個々に応じた支援息長く

2016年09月27日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/editorial/20160927_01.html

東京電力福島第1原発事故から5年半が過ぎた。子どもの放射線被害を恐れて福島県から自主避難し県外で暮らす人たちは、長期化する避難生活で悩みを深めている。
大半は母親と子どもだけが避難し、父親は仕事などの都合で福島県内の自宅に残って二重生活を続ける家族だ。生活環境や人間関係、経済的負担、精神面などさまざまな困難に直面してきた。

悩んだ末に福島への帰還を決断する母子も相次ぐ。それ故になお、避難を続ける家族は葛藤を強め、それぞれの事情も多様化している。避難先での暮らしを支援するNPOや専門家は、個別の状況に応じたきめ細かな支援や相談の場の必要性を訴える。

福島県は来年3月、自主避難者に対する住宅無償提供を打ち切る。自主避難者への少ない公的支援がさらに手薄になっては、困窮する母子世帯も少なくないだろう。一様に帰還を推し進めるのではなく、個々の選択を尊重し、ニーズがある限り息長く支援を継続することが求められる。

避難者支援であると同時に、「子育て支援」であり「健康的な環境で安全に暮らす子どもの権利の保障」であるという観点に沿ったサポートが重要ではないか。

福島県から他の都道府県に避難している人は、復興庁によると、8月12日現在で4万833人。親族や知人宅以外の公営、仮設、民間賃貸などの住宅に暮らす人は、そのうち2万8627人に上る。

避難指示区域外からの自主避難者数は正確に調査されておらず、母子避難世帯の数も把握されていないが、山形、宮城、新潟、埼玉、茨城など近隣の県では母子避難のケースが少なくないとされる。

原発事故という人災によって損なわれた子育て環境の安全。母親たちは苦渋の選択でそれを他の地域に求めるのと引き換えに、夫や親戚、地域の育児支援と切り離された。

孤立し、一人きりで子どもを育てる負担は重い。それにも増して「『自主避難者』とされ、避難が自己選択・自己責任に委ねられたことによる精神的な苦痛が大きい」。山形県で母子避難者の調査や支援を行った山根純佳・実践女子大准教授はそう指摘する。

子どもを父親や福島のコミュニティーから切り離すことになった選択は正しかったのか、母たちは常に自責感に揺れていると山根准教授は言う。帰還を求める夫や親戚、福島への愛着とのはざまで動揺し、ストレスは避難の長期化とともに増大している。

そうした心情を理解し受け止めた上で、子育て期の家族を丸ごと支援することが必要だ。孤立させることなく、子どもの健康や進学、母親の就職、家族関係、メンタルヘルスなど多様な課題をワンストップで適切な支援につなげるネットワークが有効だろう。

福島に帰還した母子の中には、以前のコミュニティーに溶け込めない、県内に住み続けてきた人との関係がぎくしゃくするなど新たな悩みを持つ人もいるという。帰還後の生活も含め、安全な環境を求める福島の全ての子育て世帯に目配りした支援の在り方を行政は考えるべきだろう。

2016/09/26

チェルノブイリを教訓に 福島市で専門家会議開催

2016年9月26日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016092601001681.html

東電福島第1原発事故を受け、福島県の全ての子どもを対象に実施中の甲状腺検査で多数のがんが見つかっていることを巡り、国内外の医療関係者や研究者らによる専門家会議が26日、福島市で始まった。27日まで。この日は1986年のチェルノブイリ原発事故を教訓とするため、同事故後の健康影響に関する研究成果を共有した。

会議は、原発事故後の早期の段階で、外部被ばくだけでなく放射性物質を含んだ食品の摂取による内部被ばくが、甲状腺がんを誘発させる危険性があるとの指摘のほか、チェルノブイリ事故後ベラルーシでは4年後の90年から05年の間に甲状腺がんが急増したことも報告された。
(共同)

福島市で開かれた国内外の医療関係者や研究者らによる専門家会議=26日

福島第1のトリチウム水、処分巡り有識者会議 経産省

2016年9月26日 日本経済新聞 
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07665210W6A920C1CR8000/

東電福島第1原発の汚染水問題で、経済産業省は処理装置でも取り除けない放射性物質トリチウム(三重水素)を含む水の処分に関する新たな有識者会議を設ける。27日に発表する。同省の作業部会は5月、海洋放出が最も低コストで短期間に処理できると公表したが、地元漁協が反発。新たな会議は風評被害対策なども含めて検討する。

政府と東電はトリチウムを含む水について「2016年度上半期までに長期的な取り扱いの決定に向けた準備を開始する」としている。

寄り添う姿勢

2016年9月26日 毎日新聞
mainichi.jp/articles/20160926/dde/041/070/059000c

民間の「3・11甲状腺がん子ども基金」が設立され、呼びかけ人に小泉純一郎元首相ら約60人が名前を連ねる。「なぜ、今?」。東京都内で今月、記者会見と設立記念シンポジウムがあり、足を運んだ。基金理事の河合弘之弁護士が説明した。「患者とその家族がお互い顔も名前も知らずに分断され、逼塞(ひっそく)した生活を送っているからです」

福島第1原発事故当時、福島県で18歳以下だった174人が、がんまたはその疑いと診断された。全国的な統計に基づく推計に比べ「数十倍多い」との指摘もあるが、事故との関連性を巡り専門家の間で見解が異なる。この子らが再発と転移、将来の経済的負担や結婚での差別におびえる。「今後どうなってしまうの?」。シンポでは告知された子のメッセージが紹介された。

30年前のチェルノブイリ原発事故で治療にあたった医師の菅谷昭さん(長野県松本市長)によると、ベラルーシでは子どもたちを年1回、非汚染地域で保養させる事業や検診を国が続けている。被災者に寄り添う姿勢の何という違いだろうか。【沢田石洋史】

2016/09/25

10/29 いわき放射能市民測定室たらちねより/甲状腺検診のご案内

検診対象者 :3歳以上
料金 :3歳~20歳まで(震災当時18歳以下だった方)
※お誕生日が1992年4月2日以降 → 無料
21歳以上 → お一人1000円

詳細はHPまたは電話でお尋ね下さい。
HP http://www.iwakisokuteishitu.com/
検診申込受付は電話、FAX、郵送にて承ります。
(FAXの方は送信されているか電話でご確認下さい)

検診予約の方は保護者氏名、住所、電話番号と
検診を受ける全ての方の氏名、性別、生年月日(西暦)、年齢、
ご希望の日時をお知らせ下さい。
予約は先着順となりますのでご了承下さい。

検診日時 10月29日(土)
検診会場 たらちね検診センター
     〒971-8162 いわき市小名浜花畑11-3 カネマンビル3F
担当医  吉野裕紀先生(手稲渓仁会病院放射線診断科)
     9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 13:00 13:30

【寄付のお願い】
甲状腺検診は全国の多くの方々よりご寄付、お力添えを頂いております。
子供達の未来を守るこのプロジェクトの運営活動に、寄付のご協力をお願い致します。
甲状腺検診には全国より協力医師がボランティアで参加して頂いております。

認定NPO法人 いわき放射能市民測定室たらちね
〒971-8162 福島県いわき市小名浜花畑町11-3 カネマンビル3F
TEL/FAX 0246-92-2526 
HP http://www.iwakisokuteishitu.com/





<高濃度セシウム>福島第1周辺のダム底に堆積

2016年9月25日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160925/k00/00m/040/101000c
◇10カ所で8000ベクレル超

東京電力福島第1原発周辺の飲料用や農業用の大規模ダムの底に、森林から川を伝って流入した放射性セシウムが濃縮され、高濃度でたまり続けていることが環境省の調査で分かった。50キロ圏内の10カ所のダムで指定廃棄物となる基準(1キロ当たり8000ベクレル超)を超えている。ダムの水の放射線量は人の健康に影響を与えるレベルではないとして、同省は除染せずに監視を続ける方針だが、専門家は「将来のリスクに備えて対策を検討すべきだ」と指摘する。
大柿ダム=福島県浪江町で2016年7月、本社ヘリから徳野仁子撮影
◇貯水線量、飲料基準下回る

同省は原発事故半年後の2011年9月、除染されない森林からの放射性物質の移動を把握するためダムや下流の河川などのモニタリング調査を開始。岩手から東京までの9都県のダム73カ所で1カ所ずつ数カ月に1回程度、観測している。

このうち底土表層濃度の11〜15年度の平均値が指定廃棄物の基準を超えるダムは、いずれも福島県内の10カ所で、高い順に岩部(がんべ)ダム(飯舘村)1キロ当たり6万4439ベクレル▽横川ダム(南相馬市)同2万7533ベクレル▽真野ダム(飯舘村)同2万6859ベクレル−−など。ただ、表層の水は各ダムとも1リットル当たり1〜2ベクレルで、飲料水基準の同10ベクレルを下回る。

同省の調査ではダム底に堆積(たいせき)したセシウム総量は不明だが、10ダムのうち福島県浪江町の農業用「大柿ダム」で、農林水産省東北農政局が13年12月、総量を独自調査。

ダム底の110カ所から抜き取った堆積土の数値をもとに10メートル四方ごとの堆積量を試算。セシウム134と137の総量は推定値で約8兆ベクレルになった。

国立環境研究所(茨城県つくば市)は近く、複数のダムで本格調査に乗り出す。環境省は「ダムに閉じ込めておくのが現時点の最善策。しゅんせつすれば巻き上がって下流を汚染する恐れがある」としている。【田原翔一、栗田慎一】


ダム底 高濃度セシウム たまる汚染、募る不安 /福島

2016年9月25日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160925/ddm/003/040/048000c

クローズアップ2016

東京電力福島第1原発周辺のダムに放射性セシウムがたまり続け、実質的に「濃縮貯蔵施設」となっている。有効な手立ては見当たらず、国は「水は安全」と静観の構えだ。だが、福島県の被災地住民には問題の先送りとしか映らない。原発事故がもたらした先の見えない課題がまた一つ明らかになった。 
セシウムが指定廃棄物の基準を超える濃度でたまっている大柿ダム
=福島県浪江町で2016年7月、本社ヘリから徳野仁子撮影

「このままそっとしておく方がいいのです」。福島県の10のダム底に指定廃棄物の基準(1キロ当たり8000ベクレル超)を超えるセシウム濃度の土がたまっていることを把握しながら、環境省の担当者はこう言い切る。

同省のモニタリングでは、各ダムの水に含まれる放射性セシウムは1リットル当たり1〜2ベクレルと飲料水の基準(同10ベクレル)を大きく下回る。ダム周辺の空間線量も毎時最大約2マイクロシーベルトで、「近づかなければただちに人の健康に影響しない」。これが静観の構えを崩さない最大の理由だ。今のところ、セシウムは土に付着して沈み、底土からの放射線は水に遮蔽(しゃへい)されて周辺にほとんど影響を与えていないとみられる。

国が除染などを行うことを定めた放射性物質汚染対処特別措置法(2011年8月成立)に基づく基本方針で同省は「人の健康の保護の観点から」必要な地域を除染すると規定している。ダムに高濃度のセシウムがたまっていても健康被害の恐れが差し迫っていない限り、「法的に問題ない」というのが同省の見解だ。

「ダムが水不足で干上がった場合は周囲に人が近づかないようにすればいい。もし除染するとなったら作業期間中の代替の水源の確保はどうするのか。現状では除染する方が影響が大きい」と担当者は説明する。 





こうした国の姿勢に地元からは反発の声が上がる。

「環境省はダムの水や周囲をモニタリングして監視するとしか言わない。『何かあれば対応します』と言うが、ダムが壊れたらどうするのかと聞いても答えはない。町民に対して環境省と同じ回答しかできないのがつらい」。政府が来年春に避難指示区域の一部を解除する浪江町のふるさと再生課の男性職員がため息をついた。

町内の農業用ダム「大柿ダム」では農水省の調査でセシウムの堆積(たいせき)総量が約8兆ベクレルと推定(13年12月時点)されている。農水省はダムの水が使用される前に、堆積総量や水の安全性を再調査する方針だ。福島県産の農水産物は放射性物質の規制基準を下回ることが確認されてから出荷される。それでも町の男性職員は「いくら水が安全だと言われても、ダム底にセシウムがたまったままで消費者が浪江産の農産物を手に取るだろうか」と風評被害への懸念を口にする。

同町から福島県いわき市に避難中の野菜農家の男性(57)は「国は安全だと強調するばかりで抜本的な解決策を検討する姿勢が見えない。これでは安心して帰還できないし、農業の再開も難しい」と憤りを隠さない。【栗田慎一、久野華代】 



森林から流入、今後も
環境省が言うように放置して大丈夫なのか。

同省のモニタリング調査では、10ダムの底土の表層で観測されたセシウム濃度は年月が経過しても必ずしも右肩下がりになっていない。大柿ダムでは15年11月に突然、過去2番目となる1キロ当たり10万7000ベクレルを観測するなど各ダムでばらつきがある。理由は不明だが、大雨の後に数値が上がる傾向があるという。環境省の担当者も「(10ダム)全体を見るとほぼ横ばい」と話す。原発事故直後、森林に大量に降り注いだセシウムが時間をかけて川に流れ出し、ダム底で濃縮される現象は今後も続くとみられる。

ダムのセシウム総量調査に着手する国立環境研究所の林誠二・研究グループ長は「土や泥に吸着したセシウムが今後、環境次第で水に溶け出す恐れがある」と指摘する。

これまでの調査によると、微生物が活性化し、アンモニアが水中に増える夏場は、ダム低層の水のセシウム濃度が表層の1・5倍になることが確認された。アンモニウムイオンがセシウムより強く土に吸着するため、セシウムが溶け出している可能性があるという。今のところ、人体に影響しないとされるレベルだが、林グループ長は「将来、上流域に住民が戻った時、生活排水などによる水質変化でセシウムが溶け出しやすい環境になることは否定できない」と懸念する。

ダムには年間で平均5センチ前後の土砂がたまるといわれ、セシウムを吸着した土が既に30センチ近く堆積しているダムもあるとみられる。林グループ長は「巨大地震によってダムが決壊した場合や土砂でダムが満杯になった後はどうするのかという問題もある。将来世代にツケを回さないという視点で調査をしたい」と話す。

東日本大震災では福島県須賀川市の農業用ダムが強い揺れで堤防に亀裂が入って決壊し、下流域で8人が死亡・行方不明となった。「ダム底に放射性物質がたまるという事態は想定されていなかった」。河川工学が専門の大熊孝・新潟大名誉教授は驚きを隠さない。「しゅんせつすべきかどうかは分からないが、ダム自体の強度を調査しておく必要がある」と指摘する。

放射性物質の動態調査を続ける恩田裕一・筑波大教授(水文地形学)は「手をつけない方がいい」という立場だ。「高濃度のセシウムがたまったままでは気持ち悪いという思いは分かるが、水には問題がないので今は閉じ込めておいた方がいい」と話す。

原発の危険性を訴えてきた今中哲二・京都大原子炉実験所研究員は「打つ手がないのであれば、移住か帰還かを判断する材料となるデータを住民にきちんと示すべきだ」と語る。

国立環境研究所の調査に協力している日本原子力研究開発機構(JAEA)は、ダム底でセシウム濃度を測定する新型ロボットを開発中だ。高さ約1メートル、重さ140キロの箱形。遠隔操作でダム底に接地し、1地点1〜2分で濃度を測る。JAEA福島研究開発部門の眞田幸尚サブリーダーは「表層を広域に調べれば新たにたまるセシウムの総量を知ることができる」と話す。小型化や操作性の向上を図り、今年度中の完成を目指す。【田原翔一、岡田英】



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<高濃度セシウム>福島第1周辺のダム底に堆積

2016年9月25日 毎日新聞
◇10カ所で8000ベクレル超

http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2016/09/blog-post_39.html 

2016/09/24

下水処理場に移設へ 横須賀市立学校で保管の汚染土/神奈川

2016年09月24日 神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/article/201251

放射性物質を含んだ汚染土を横須賀市立学校43校で暫定保管している問題で、市は23日、下水処理場「下町浄化センター」(同市三春町)に移設した上で、あらためて処分業者を探す方針を明らかにした。除染措置から5年近くが経過し、事実上手つかずだった処分問題がようやく動きだす。

吉田雄人市長は同日の市議会本会議で「(移設予定地の)地元の理解が何よりも大事だが、解決に向けて踏み出していきたい。責任を持って取り組む」などと表明。汚染土の放射性物質は低レベルとみられるが、詳細に調査した上で、年内にも浄化センターの周辺住民らに説明し理解を求めていく。藤野英明氏(無会派)の一般質問に答えた。

同センターは東京電力福島第1原発事故後、放射性物質が検出された下水汚泥焼却灰をコンテナなどに最大約1400トン保管していたが、今年3月末までに大半の搬出を完了。汚染土の受け入れスペースが確保できたとして、市教育委員会と上下水道局が9月に協議を始めた。

市教委によると、汚染土を地中に保管しているのは、廃校を含む43校(小学校27、中学校13、高校1、ろう・養護学校2)で、総量は約7トン。2011年11月に全校で実施した放射線量測定で、市の基準値(毎時0・59マイクロシーベルト、地表高1センチ)を上回った側溝の集水升にたまった土砂や汚泥などを保管していた。

しかし、処分を巡っては、市教委が業者を確保できず長期化。一部の学校では具体的な保管場所を現場に表示しておらず、保護者らが埋設地点を把握していない問題点も指摘されていた。

下水汚泥の焼却灰入りコンテナを保管していた下町浄化センター
=2012年5月、横須賀市 

相双漁協、ヒラメ初水揚げ 待望「常磐もの」、相双沖で試験操業/福島

2016年9月24日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160924-114083.php

相馬双葉漁協は23日、相双沖で底引き網船の試験操業を行い、「常磐もの」と呼ばれ人気の高いヒラメを東京電力福島第1原発事故後、初めて水揚げした。

1日の底引き網漁の解禁後、いわき市沖ではヒラメが水揚げされていたが、相双沖では6回目の出漁で初の水揚げとなった。午前2時ごろに相馬市の松川浦漁港から22隻が出港、50センチ以上のヒラメ6匹(17.2キロ)を漁獲して同8時30分すぎから続々と帰港した。

この日のうちにヒラメのサンプル1匹の放射性物質検査を行い、検出限界値を下回った。同漁協は即日、地元の仲買人組合にヒラメを引き渡した。同漁協によると9月のヒラメは産卵期で浅い海域にいる場合が多く、漁の最盛期は11月ごろ。

原発事故後、相双沖で初めて水揚げされたヒラメ

セシウム評価、東電が釈明 「もう少し適切な表現あった」

2016年09月24日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160924-114087.php

東京電力が福島第1原発の港湾内で採取された海水の放射性物質濃度の評価を矮小(わいしょう)化するような表現をしていた問題を巡り、東電の広報担当者は23日、「もう少し適切な表現があった」と不適切な表現だったことを認めた。

東電は、港湾内の2地点でセシウム137の濃度が最高値を更新したにもかかわらず、分析結果を知らせる21日夜の報道関係者への一斉メールの本文に「最近の変動から見るとやや高めの傾向」と表記。担当者は、降雨時に放射性物質濃度が上昇する最近の傾向の範囲内で「有意な変動ではないと判断した」と釈明した。

東電によると「有意な変動」とは、放射性物質濃度が10倍以上に上昇した場合を指している。

一方、別の広報担当者は「(高濃度の汚染水が漏えいした)事故直後はもっと高かった」と述べた。

今回、最高値を更新した「1号機取水口」のセシウム137の濃度は1リットル当たり95ベクレルで、東電が水質管理の目標としている排水基準「告示濃度限度」で定める同90ベクレルを超えている。

現在の海水の放射性物質濃度を軽視するかのような発言で、放射性物質が外部に流出することに対する東電の見識が問われそうだ。

2016/09/23

3・11甲状腺がん子ども基金に寄付を

2016年09月23日|カテゴリー:市民運動紹介

チェルノブイリ原発事故後、子どもたちの間で小児甲状腺がんが急増しました。福島県でも原発事故後に多くの子どもたちが甲状腺がんと診断され、手術を受けました。福島県の近県でも、子どもたちの甲状腺がんが報告されています。政府は原発事故の影響とは考えにくいとしており、包括的な支援策が十分にとられていません。

甲状腺がんと診断された子どもと家族は孤立し、たび重なる診察や通院費用で経済的に困窮して、進学や就職、結婚、出産などの面でも困難が予想されます。こうした状況を解決するため、治療費や通院費などの給付を含めた経済的支援が必要です。また、事故の影響による血液系のがんや固形がん、非がん系の疾病など予想される様々な健康被害の調査・対策が急務となっています。

そこで、甲状腺がんや甲状腺疾患、その他の被曝影響によると思われる病気に苦しむ子どもたち等への支援と、原発事故による健康被害状況の調査・把握を行なう目的で、「3・11甲状腺がん子ども基金」を立ち上げました。

当面は2000万円を目標に寄付を募り、甲状腺がんの治療を受ける子どもたちへの給付金支援から始めたいと計画しています。ぜひ、多くの皆様の寄付をよろしくお願いいたします。

●金融機関:城南信用金庫営業部本店
●種別:普通
●口座番号:845511
●口座名義:3・11甲状腺がん子ども基金


「3・11甲状腺がん子ども基金」
http://www.311kikin.org/


「避難者は困窮している」 脱原発集会で訴え

2016年9月23日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092302000134.html

脱原発などを呼び掛ける「さようなら原発 さようなら戦争大集会」が二十二日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。激しい雨でデモは中止になったが主催者発表で九千五百人が集結。参加者はずぶぬれになりながら、東京電力福島第一原発事故から五年半がたった福島や避難者たちの現状報告を聞いた。

原発事故被害者団体連絡会「ひだんれん」共同代表の長谷川健一さんが登壇し、「来年三月に飯舘村の避難を解除するというが、帰った後は何の補償もない。自己責任で帰れというのはおかしい」と訴えた。

「『避難の権利』を求める全国避難者の会」共同代表の中手聖一さんは、福島から母子で自主避難をしている人たちが経済的に困窮している状況を報告。来年三月には自主避難者への住宅無償提供が打ち切られるが、「国は汚染した土地に戻って被ばくをするか、自主避難で貧困かの選択を避難者に押しつけている」と批判。避難者への住宅支援の継続や強化を求めた。

前橋市の生協職員佐藤千晶さん(29)は「避難者の支援打ち切りは反対。国や東電は支援をし続けるべきだ」と話した。

「さようなら原発さようなら戦争大集会」でプラカードを掲げる参加者たち
=22日午後、東京都渋谷区の代々木公園で(潟沼義樹撮影)

千葉県産タケノコ出荷制限解除 放射性セシウム基準値下回る

2016年9月23日 産経新聞
http://www.sankei.com/region/news/160923/rgn1609230018-n1.html

福島第1原発事故の影響で県内産のタケノコから国の基準値を超える放射性セシウムが検出され、一部で出荷が制限されていた問題で、我孫子市産のタケノコの出荷制限が21日付で解除となり、県内全てのタケノコの出荷制限が解かれた。

県森林課によると、国は原発事故後の平成24年4月以降、1キロ当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出された県内の食品の出荷を制限するとし、木更津市など9市町産のタケノコが制限されていた。その後、25年10月~28年1月までに8市町産のものが経年などの理由で基準値を下回り、制限を解除。今回、我孫子市が解除されたことで、全9市町の制限が解けた。

制限が解除されても、出荷前の検査で安全性が確保されなければ出荷できないといった条件があるが、同市産のタケノコは来年春の出荷前検査の準備を進めるという。県内では他にも、シイタケやウナギの一部で制限が解除されていないものがあり、同課は「タケノコの全面解除は喜ばしいが、今後もまだ制限のかかる食品の安全な出荷を指導していきたい」とした。

9/29「小さき声のカノン@武蔵野」

https://www.facebook.com/events/338249083184865/
「小さき声のカノン@武蔵野」 
ファミリーコンパス主催 まんまるはーと共催

【とき】2016年9月29日木曜日 
9時45分受付 10時0分~14時00分

【ところ】御殿山コミュニティセンター 2Fけやき(和室)
JR吉祥寺駅徒歩3分
(東京都武蔵野市御殿山1-5-11  tel: 0422-48-9309)
http://gotennyama.sakura.ne.jp/

【当日の流れ】
9時45分 開場・受付
10時00分~12時00分 「小さき声のカノン」映画上映会
12時00分~13時00分 鎌仲ひとみ監督×由佐美加子 対談
※ランチを食べながら対談を鑑賞
13時00分~14時00分 全体の場での対話 
☆岩下牧子さんの“「食卓」から考える放射能対策”資料を配布いたします。

【参加費】2,000円(当日お支払いください)

【持ち物】お弁当などランチ&飲み物を各自お持ちください。

【定員】20名程度

【お申し込み】武蔵野市御殿山コミュニティセンターでの上映会についてのお問合せ・お申込みは、こちらのイベントページ中野までメッセージ、もしくは
mammal.heart.mambaby@gmail.comまで。
1.お名前
2.お住まいの地域
3.メールアドレス
4.電話番号(当日急な連絡の際に使用いたします。)
5.お子さま連れの場合はお子さまの性別・月齢
6.その他(放射能について質問や、思うこと等あれば)

★今回託児の予定がありませんが、お子さま連れでの鑑賞も可能です。お子さまが騒いでしまった場合等、他のお客様へのご配慮をお願いいたします。また、申し込みの際に、お子さま連れである旨(月齢なども)お知らせいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。




2016/09/22

[福島日報ダイジェスト] 「群馬県のクマから186ベクレル」福島食品モニタリングダイジェスト8月30日

(フクシマン・マサさんメルマガより転載させていただきます。http://ameblo.jp/masa219koro/からメルマガ登録できます。子ども全国ネット)

8月30日に厚生労働省より発表された「食品中の放射性物質の検査結果について(第996報)」によりますと福島県を除く28の都府県・市などの各自治体から入手した放射性セシウムの検出検査結果4,226件のうち、国の定めた基準値100Bq/kgを超える数値が検出された検体は、次の2件でした。

宮城県大崎市産の野生のツキノワグマ肉1件から、121.5Bq/kg
群馬県中之条町産の 野生のツキノワグマ肉 1件から、186.4Bq/kg

以上、厚生労働省発表「食品中の放射性物質の検査結果について(第996報)」の要約でした。
詳しくお知りになりたい方は、福島県のHPより「ふくしま新発売」、厚生労働省 および、 郡山市のHPより「食品中の放射性物質の検査結果について」をご覧ください。

[福島日報ダイジェスト] 福島食品モニタリングダイジェスト8月24日

(フクシマン・マサさんメルマガより転載させていただきます。http://ameblo.jp/masa219koro/からメルマガ登録できます。子ども全国ネット)

8月24日に福島県より発表された「農林水産物緊急時モニタリング検査結果」によりますと、福島市、古殿町、大玉村等で 畜産物、水産物など80検体について、 放射性セシウムの検出検査が行われました。その結果、国の定めた基準値100Bq/kgを超える数値が検出された検体はありませんでした。

測定下限値を超える数値が検出された検体は、全体の約19%に当たる15件でした。
そのうちの主な品目と数値は次の通りです。

福島市阿武隈川産のアユ2件から、39.5Bq/kg 、10.3Bq/kg
伊達市石田川産のヤマメ 1件から、42.4Bq/kg
伊達市広瀬川産のアユ4件から、10.9Bq/kg~39.2Bq/kg
須賀川市江花川産のヤマメ1件から、24.0Bq/kg
会津若松市猪苗代湖産のウグイ1件から、23.7Bq/kg
福島市摺上川産のアユ3件から、18.0Bq/kg~21.6Bq/kg
いわき市産のコモンカスベ1件から、17.5Bq/kg
伊達市阿武隈川産のアユ1件から、10.9Bq/kg
でした。 

以上、福島県発表「農林水産物緊急時モニタリング検査結果」を ダイジェストにしてお伝えしました。詳しくお知りになりたい方は、福島県のHPより「ふくしま新発売」、厚生労働省 および、 郡山市のHPより「食品中の放射性物質の検査結果について」をご覧ください。

県外避難者支援充実を 3県が復興庁に要望/福島

2016年9月22日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016092234822

福島、山形、新潟の3県は21日、東京電力福島第一原発事故に伴う県外避難者の支援充実を復興庁などに要望した。

避難者受け入れ市町村への継続的な財政支援、来年3月末に期限となる自主避難者の「父子・母子避難」世帯を対象にした高速道路無料化の延長、心のケア対策の充実などを求めた。いずれも8月に郡山市で開いた3県知事会議で合意した内容で、風評対策や各県を結ぶ高速道路の整備促進なども要望した。

復興庁には鈴木正晃副知事らが訪れ、西脇隆俊事務次官に要望書を手渡した。

福島母激怒!県から届いた「甲状腺検査必要ない」の仰天通達【後編】

 2016年09月22日  女性自身
http://jisin.jp/serial/社会スポーツ/disaster/25627

「甲状腺検査のお知らせ」とは別に、県から送られてくるA4版4ページの「甲状腺通信」という冊子がある。

16年8月発行の1ページ目にあるQ&Aの項目には、「甲状腺検査は必ず受診しなければならないのでしょうか?」との問いが……。その答えには、「小さな甲状腺がんは、治療をしなくても多くは生命に影響しない。個別には、どれが進行する甲状腺がんなのかを十分に識別することは困難です」などと、あたかも、甲状腺検査は必要ないと誘導するかのような文章が並んでいる。

「検査に“不同意”だった子に、あとからがんが見つかって、万が一病状が悪化していたら、誰が責任をとってくれるのでしょうか」といわき市から東京都に母子で避難中の今井美幸さん(仮名・40歳)は憤る。

記者の取材に対して福島県は、「県としては甲状腺検査を縮小するつもりはありません。多くの方に受けていただきたいと思っています」(保健福祉部県民健康調査課課長/小林弘幸氏)と返答した。

しかし14日の「県民健康調査」の在り方を議論し検査結果を評価する「県民健康調査検討委員会」の会見で「甲状腺検査のお知らせ」から受診を勧める文言が削除されたのはなぜかと尋ねられても、担当課長は口ごもるばかりだった。県の検査に詳しい医療ジャーナリストの藍原寛子さんはこう危機感をあらわにする。

「検査に“同意しない”子が増えると、学校の検査で、受けたい子が受けづらい空気になる。検査を縮小する口実にされてしまう恐れがある」

じつは、前出の検討委員会の座長である星氏も8月の地元紙の取材に「検査することで具体的に“デメリット”を被った人もいるので、甲状腺検査の対象者を縮小することも視野に入れ、検査体勢を再検討する」と語り波紋を呼んでいた。記者は、星氏を直撃し、縮小の論拠のひとつになっている、検査を受けるデメリットについて聞いた。

「“デメリット”ですか? 数年ごとに検査を受けなくちゃいけないし、再検査になれば細胞診も受けなくちゃいけない。がんの疑いありと診断されたら、手術で傷が残ったり薬を飲み続けなくちゃいけなくなったりすることも」

しかし、早期発見をして治療することは、検診の“メリット”でもあるはずだが――。

「被ばくによるがんを見つけてもらった子供にとってはメリットですが、手術の必要がない“潜在がん”の子供にとっては、寝た子を起こされたようなもの。手術した中に一定数は、“潜在がん”が含まれていることはたしか。なかには『切らなくていいものを切った』と思われる方がいるかもしれません」(星氏)

検査を縮小したい側に配慮をして“潜在がんがある”と言いたいのかもしれないが、実際に切らなくてもいいがんを切っているとしたら、恐ろしい話だ。「311甲状腺がん家族の会」の代表世話人・武本泰氏は、星氏の意見についてこう語る。

「そうだとしたら確かに、医療訴訟に発展しかねない大問題。さらに潜在がんかもしれないから、検査を受けなくていいというのは患者の“知る権利”の侵害でしょう」



検査をしたうえで、“潜在がん”の可能性が高い場合は、経過観察すればいいと思うのだが、それについて前出の星氏はこう反論する。


「子供の甲状腺がんは前例が少ないので、潜在がんか被ばくによるがんかを見分けることは不可能。そもそも、被ばくとの因果関係を裏付けるには、患者の初期の放射性ヨウ素による内部被ばく量を知る必要がありますが、肝心なそれがわかっていないのです」

星氏の意見に対し、福島県の甲状腺検査のアドバイザーでもある甲状腺の専門医で、兵庫県にある隈病院院長の宮内昭氏の意見はこうだ。

「検査することで一定数、潜在がんが見つかることは確かです。それでも、福島県立医大で手術した症例を見るかぎりでは、腫瘍が1センチ超えていたり、リンパ節や肺に転移していたりと、手術は妥当。私が担当医でも手術をしました」

さらに検査を縮小すべきではない理由をこう付け加えた。

「見つかったがんに対してどう治療するかは、今後の課題ですが、検査は縮小せずに今まで通り行うべき。そうでなければ調査としても成り立たなくなり、今までの検査がムダになります」

また、甲状腺がんの患者を支援する「3・11 甲状腺がん子ども基金」の顧問を務める内科医の牛山元美氏は早期発見・早期治療が望ましいと指摘する。

「子供の甲状腺がんは、進行が早く転移もしやすいと言われていますが、他のがんと比べて予後はいい。それでも自覚症状が出てからだと甲状腺を全摘出することになったり、声帯の動きを調節する反回神経がマヒするなどの後遺症が出る可能性もあります」

子供の甲状腺検査を含む「県民健康調査」は、「県民の健康を長期的に見守る」という名目で始まっている。わずか6年目にして規模縮小の議論が出る背景について前出の藍原さんはこう語る。

「国が、低線量被ばくの影響を隠蔽し、今も続いている広島・長崎の原爆訴訟や、今後、起こるかもしれない福島の健康被害の賠償などを認めたくないからでは」

これ以上、子供の命が切り捨てられることがあってはならない。
取材・文/和田秀子

福島母激怒!県から届いた「甲状腺検査必要ない」の仰天通達【前編】

2016年09月22日 女性自身
http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/disaster/25628 


「娘は3年前に、県の検査を受けて甲状腺がんと診断されました。検査や治療をしている福島県立医大が混んでいて、再検査に半年待たされているうちに、リンパ節に転移してしまったんです。もう少し早く検査・手術ができていれば、再発や転移のリスクも減らせたはず。それなのに、検査を縮小するなんてありえない」(50代女性・郡山市在住)

福島県内で、甲状腺がんと診断された患者や母親が、こんな怒りの声を上げている。なぜなら、福島県で原発事故後に実施されている、子供の甲状腺検査を縮小しようとする動きがあるからだ。

福島県では、原発事故後、放射線の健康影響を調べるため、「福島県民健康調査」が実施されている。事故当時18歳以下だった約38万人に対して行われている甲状腺検査も、この一環。福島県が甲状腺検査を行っているのは、`86年のチェルノブイリ原発事故のあと、ロシアなどで子供の甲状腺がんが急増したから。国際機関も、被ばくの影響で増えたと認めているがんだ。

子供の甲状腺がんは、通常100万人に2〜3人の割合で発生する病気。福島県でも事故後2巡目の検査までに、174人の子供の甲状腺がん(悪性含む)が見つかり135人が手術を受けた。1巡目の数字で比較すると、通常の約200倍の発生率になるが、福島県などでは被ばくの影響は考えにくいとしている。

さらに、福島県の小児科医会は「いっせいに検査することで、放置しておいても健康や命に影響のない“潜在がん”を見つけているにすぎない。甲状腺検査をすることで、子供に負担をかける」などとして、甲状腺検査の規模を縮小するよう、8月に福島県へ要望書を提出したのだ。甲状腺がんと診断された患者や家族でつくる「311甲状腺がん家族の会」や、国内外の120を越える市民団体らも、検査を縮小せず、むしろ拡大してほしいという要望書を9月はじめに福島県へ提出。

こうした経緯から、福島市で9月14日に開かれた、「県民健康調査」の在り方を議論し、検査結果を評価する「県民健康調査検討委員会」(以下、検討委員会)が注目された。そこでは、甲状腺検査縮小の動きについても議論がなされた。出席していた多数の委員から、「チェルノブイリで甲状腺がんが増えたのは、事故後5年目以降。福島でも、甲状腺がんが増えているのだから、被ばくの影響も排除せず、今後も検査を続けて行くべき」といった意見が出た。

しかし、座長の星北斗氏(福島県医師会副会長)は、「甲状腺検査をこれまでも縮小すると言ったつもりはない」と弁明しながらも、「検査を拡大してほしいとか、逆に辞めてしまえとか、いろんな意見があるのも事実。検査の結果を評価しながら、検査の在り方については、議論していく必要がある」と、煮え切らない結論を述べるにとどまった。傍聴していた福島県伊達市内に住む母親は、不信感をあらわにしてこう語る。

「今回は、反対の声が多くあがったので、検査縮小の議論を強行できなくなったのでは。注意しないと、また縮小の話しが持ち上がるかも」

実際、検査縮小の準備は、福島県自体が着々と進めていたことがわかっている。

「これ、見てください。これを読んだら、検査なんて受けなくていいと思いますよね」
 
いわき市から東京都に母子で避難中の今井美幸さん(仮名・40歳)は、そう言って、福島県から検査対象者に送られてきた「甲状腺検査のお知らせ」という書類を見せてくれた。そこには、現在行われている3巡目の検査について、こんな文言が書かれていた。

「甲状腺の特性上、治療の必要のない変化も数多く認めることになり、ご心配をおかけすることもあります。そのため、甲状腺の超音波検査による検診は、一般的には行われてきませんでした。(後略)」

まるで、検査を受けないほうがいいかのような書き方だ。しかし、記者が15年までに行われていた2巡目の検査対象者に送られた「甲状腺検査のお知らせ」を入手したところ、3巡目になかった文言が。

「検査1回目の受診の有無や検査結果にかかわらず、受診することをおすすめします」

福島県は2巡目の検査まではこう記し、甲状腺検査を受診することを推奨していた。さらに注目すべきなのは、3巡目の検査から検査の同意書に「同意しません」という欄が新設されていたことだ。ここにチェックを入れると、追加で検査案内があったとしても、もう送られてくることはないという。だが事実上の“検査縮小”だと思わせる動きはこれだけではなかった。【後編】へ続く
取材・文/和田秀子




2016/09/21

一律賠償 18年分まで 農林業対象/福島

2016年9月21日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160922/k00/00m/040/127000c 


東電が素案公表

東京電力は21日、福島第1原発事故による避難指示区域の農林業者らに一律で支払ってきた営業損害賠償を、2018年分で打ち切る素案を公表した。19 年以降は事故と「相当の因果関係」がある場合に個別で対応する。同区域の農林業者らの営業損害賠償は16年12月まで請求できることが決まっていた。17 年1月〜18年末の2年分は、事故前の利益に基づいて一括で支払うとした。


同区域外の農家にも賠償方針を示し、作物が出荷制限されている業者は区域内同様に2年分を一括賠償、風評被害を受ける業者には16年の減収を基に算出した2年分を一括で支払う。

東電福島復興本社の石崎芳行代表らが福島県庁を同日訪れ、県や農林団体などでつくる県原子力損害対策協議会で示した。今後、農林団体などから意見を聞き、正式な賠償方法を決める。
(土江洋範)

解除と帰還 自然災害と異なる支援策を/福島

2016年9月21日 朝日新聞
http://www.asahi.com/area/fukushima/articles/MTW20160921071560001.html 

●福島大学教授 今井 照さん

政府は、原発事故被災者への支援を自然災害への対応と同じ枠組みでやってきた。そこに根本的な問題があります。本来、時間をかけて取り組むべき被災地の復興を、拙速な避難指示解除で「加速化」させ、逆に喫緊の課題である被災者の生活再建策を打ち切ろうとしています。原発事故は自然災害とは異なり、事故を起こした原因者が存在します。また完全な収束までには人類史的な長さの時間を必要とします。こういうことを見て見ぬふりをしてはならない。

●県外移設に不信
南相馬市をはじめ避難指示が解除された区域では多くの住民が帰還していません。仮設住宅でお話を聞いて、その理由を学生たちがまとめたところでは、(1)自宅が住める状態に再建できていない(2)低線量被曝(ひばく)への不安や社会的インフラが不十分など環境が整っていない(3)福島第一原発のリスクが残っている、の3点でした。

この夏も台風が福島第一原発を直撃しそうで不安でした。現場の人たちは懸命に対処していると思うので確率は低いでしょうが、一つ間違えればどんな事態になるかわからない、と多くの住民は不安を感じています。そもそも絶対安全と言われていたのに原発事故が起きたのですから当然です。

朝日新聞との共同調査では、中間貯蔵施設を30年で県外移設という政府の約束を信じている人はわずか1~2%です。政府はできない約束をしていると不信感をもっているのです。こんな状態で中間貯蔵施設の建設が進むはずがありません。

もちろん自宅に帰りたい人もいますので、避難指示解除そのものを否定するわけではありません。しかし科学的な知見が確定していない以上、被災者の選択に応じた支援を続けるべきです。避難指示解除と賠償や支援の打ち切りをセットにするべきではありません。このことは超党派で成立した子ども被災者支援法に書いてあるとおりです。自宅に戻る人には特例宿泊などで対応できます。

●生活再建が重要

一番重要なのは被災者の生活再建です。特に住宅支援が打ち切られると生活破綻(は・たん)に直結します。事故の被害者なのにおかしいでしょう。避難指示が解除されると「帰りたいけれど帰れない」人たちは「自主避難」者扱いになるおそれがあるので、現在、福島県庁が進めている「自主避難」者への住宅支援打ち切りはひとごとではありません。現に避難指示が出ていた地域の一部では災害公営住宅への応募資格がないなどの問題が出ています。賠償についても、一人ひとりの事情に応じて、現実的に生活再建ができるように、原陪審の指揮のもと、世帯ごとに担当者を決めてきめ細く対応するべきです。

避難指示解除が進んでも、「帰りたいけれど帰れない」人が何万という単位で残るのは確実です。新しい考え方に基づいた法制度が必要です。原発避難者特例法だけではなく、出身自治体の復興に参加する法的な権利や義務を付与するべきです。このまま進むと、自分たちの町がいままでとは全く違う姿になってしまいます。それは復興ではありません。


●福島大学教授 今井 照さん
53年生まれ。東京都の大田区役所職員などを経て現職。専門は自治体政策。朝日新聞社と協力して原発事故避難者から5回にわたり実態調査を実施。 

22日にノーベル賞・益川氏のトークイベント 那須塩原/栃木

2016年9月21日 下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/region/news/20160921/2455350

ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英(ますかわとしひで)京都大名誉教授が「3・11後の今をどう生きるか」を語るトークイベント「とーくイン那須」(下野新聞社など後援)が22日午後2時15分~同4時半、市黒磯文化会館で開かれる。

主催は県北で子どもの甲状腺検診事業に取り組む市民団体「低線量被ばくと健康プロジェクト」など。

科学とは何か、原子力と社会との向き合い方など、幅広いテーマで考えを披露してもらう。また益川氏と同門の沢田昭二(さわだしょうじ)名古屋大名誉教授が、かつての核実験を経た英国の被ばく事情について報告する。司会は俳優座の女優有馬理恵(ありまりえ)さん。

当日はインタビューの内容を収めた書籍も先行販売予定。イベントは一般1千円、学生500円。当日直接会場へ。
(問)田代代表080・1002・4504。

【栃木】 塩谷町の決定は「大きな一歩」 原発事故当時18歳以下の甲状腺検査実施へ

2016年9月21日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201609/CK2016092102000182.html 


◆塩谷の「子供を守る会」大山さん

「大きな一歩」。塩谷町が、東京電力福島第一原発事故当時、十八歳以下だった町内の子どもを対象にした独自の甲状腺検査を来年二月にも実施すると決めたのを受け、町の住民団体「原発・放射能から子供を守る会・塩谷」の大山昌利さん(55)はこう歓迎する。一方で「原発がなければ、こんな事態にはならなかった」と指摘。原発再稼働に突き進む政府の姿勢に警鐘を鳴らす。

 (中川耕平)

大山さんは事故から三カ月後の二〇一一年六月に、町民有志で「守る会」を発足。当初から町内の空間放射線量を計測するなど精力的に活動してきた。

一四年からは、隣の矢板市の市民団体などと協力し、集団甲状腺検査を実施。これまでに矢板、塩谷両市町の公民館で一度ずつ開催し、約二百五十人が受診した。十一月には三度目の検査を町で開く予定だ。

だが「民間でやるには限界がある」とも感じていた。準備には時間がかかり、人手や資金にも限りがあるため、一度の検査で受診できるのは百人程度。こうした事情から町に独自の検査実施を求め続けてきた。

栃木県は福島県と違い、国費での甲状腺検査が行われていない。事故直後、県内でも北部を中心に放射線の影響が広がり、幼い子どもを持つ母親らから同様の検査を求める声が上がったが実現していない。

大山さんは町費での検査が行われるのを歓迎する一方、そもそもの原因は原発にあると考えている。町が高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)の候補地となっていることにも触れ、「原発の『安全神話』を信じ、国にだまされた。問題の根源は同じで、国の身勝手な考え方に振り回されてきた」と憤る。

この五年の「守る会」の活動を通じ「震災の記憶が風化する中、町民の放射線問題に対する理解は徐々に広まってきた」と感じている。「大切なのは、問題に気づいて声を上げ続けること。そうすれば、今回のように検査が実施されるように変わることがある」と訴えている。


「甲状腺検査の実施は大きな一歩」と歓迎する大山昌利さん=塩谷町で

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンより/10月6日 福島市講習会

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、東京電力福島第一原子力発電所の事故 を受けて、2013年9月から放射能リテラシープロジェクトを始めました。この プロジェクトは、福島の子どもたちが、放射線について学び、さまざまな情報 や報道を読み解き、自分なりに判断する力を身につけることを目的としたものです。

これまで、福島県内各地の中学校や放課後児童クラブで実施し、490人 が参加しました。それらのワークについての子どもたちの意見や感想、そし て、子どもたちが答えたアンケートなどから得られた知見を基に、さらに県内 のNPOや市民のみなさんの協力を得て、今年4月に子ども向け放射能リテラシー ハンドブック「みらいへのとびら~話してみない?自分のこと、みんなのこ と、放射能のこと~」を作りました。

今回はこのハンドブックを使ってどのようにワークショップを作り上げ、子ど もたちがワークショップのなかで積極的に参加できるように促す(ファシリ テーション)方法を共に考えていきます。 放射能に関する知識を伝えるばか りではなく、提供された情報をもとに、子どもたちが放射能に関係する社会問 題について、自らの問題として考えるきっかけを与えます。単に知識や技術を 身に付けるだけではなく、参加者の所属する団体で、どのような具体的な活動 に繋げていけるのかも考えていきます。

※ハンドブック「みらいへのとびら」はSCJのHPからダウンロードできます。講習参加者には配付されます。
http://www.savechildren.or.jp/jpnem/jpn/pdf/tobira.pdf



日時:2016年10月6日(木) 午後1時15分から午後4時45分まで
場所:福島県青少年会館 第2研修室
  〒960-8153 福島県福島市黒岩田部屋53-5 TEL 024-546-8311

対象:中学生から20歳未満の未成年を対象に活動を行っているNPO、市民団体 などの市民社会組織に属し、放射能リテラシーワークショップのファシリテー ターとして活動をしたい方

主催:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
協力:NPO法人市民科学研究室
   NPO法人ふくしま地球市民発伝所
申込:事前申込が必要です(先着10名)。メールまたはFAXで以下の様式でお 申込みください。

---------------------------------------キリトリセン ---------------------------------------------------------------

10月6日 福島市講習会申込み

氏名             所属団体

電話番号           携帯番号

メールアドレス         団体HP

---------------------------------------キリトリセン ---------------------------------------------------------------

参加費:無料

申込先・問い合わせ:ふくしま地球市民発伝所 (竹内)

info@fukushimabeacon.net FAX:024-573-1471


2016/09/20

ふくしま結ネットより/【山形市 締切9/21】福島県から避難されている方への情報説明会・相談会のお知らせ

【山形市 締切9/21】福島県から避難されている方への情報説明会・相談会のお知らせ

http://yuinet.beans-fukushima.or.jp/2016/09/yamagata_soudan20160917/

「第1回 福島県から避難されている方への情報説明会・相談会」のお知らせです。

日時

平成28年10月1日(土) 13:30~16:30 (受付開始13:00~)

場所

山形市総合福祉センター 3階 会議研修室1 (山形市城西町2丁目2番22号)

プログラム

情報説明会 13:30~15:30

  1. 福島県からの情報説明(13:30~15:00)
    • 福島県の復興と現状について
    • 供与期間、「民間賃貸住宅家賃への支援制度」について
    • 質疑応答
  2. 「アパート・マンションの賃貸トラブルに備えよう」
    講師:山形県司法書士会
    • 契約終了時のトラブルに備える
    • 新しい契約のために考えておくこと

相談会(15:30~16:30)

情報説明会終了後、帰還、住まい、子どもの教育などについて相談スペースを設け相談会を開催します。
※お申込みは電話かFAX・E-mailにてお願いします
※託児ご利用の方も申込みが必要です。託児の申込み締切は9月21日(水)です。

お問い合わせ

ここふく@やまがた相談支援室
(特定非営利活動法人山形の公益活動を応援する会・アミル)
担当:石山・岡崎
〒990-0828
山形市双葉町2-4-38 双葉中央ビル3階 
TEL:023-674-0606
FAX:023-674-0808
MAIL:soudan@amill.org

クラウドファンディング9/27まで/福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい


7月29日(金)より、福島の子どもたちを沖縄・久米島での第66次保養(2016.11.16~11.29)に招待して保養してもらう活動費用を集めるため、
「クラウドファンディング」を開始しました。(終了は2016年9月27日23:00)

https://readyfor.jp/projects/kuminosato 

クラウドファンディングは、インターネットを通じて人々に比較的少額の資金提供を呼びかけるもので、今回、第66次保養の子どもの渡航費の一部にあてさせていただくことを第一目標にしていましたが、おかげさまで、第一目標金額の100万円を達成することができました。

現在、残りの交通費や子どもたちの食費、プログラム費、などを集めるため、一人でも多くの福島の子どもを久米島で保養してもらうため、次の目標金額を200万円と設定し、挑戦させていただいております。

球美の里Facebook: https://www.facebook.com/kuminosato.net/posts/1135247243211862 

球美の里Twitter: https://twitter.com/kumi_no_sato/status/763216895721869312 

球美の里HP: http://www.kuminosato.com/#!blank-30/rzg2w  



沖縄・球美の里では、一人でも多くの保養者に参加してもらえるように、2012年の保養プロジェクトスタートから現在までずっと、子どもの交通費や参加費はすべて無料としてきました。
皆さまのおかげ様で今まで63回、2,000人以上もの子どもたちを参加させることができました。
たとえば、第66次保養に参加予定の子どもたち27人(予定)を無料招待するには、福島と久米島間の往復航空券やバス代だけで、およそ160万円もの費用がかかってしまいますが、現在、福島原発事故の風化も進み、今後、保養運営費を集めていくことが確実に難しくなっていくことが予想されます。
しかし、その反面、福島の子どもたちにとっては、保養の重要性は増すばかりです。
もっともっと久米島で保養してもらいたい。ずっと健康でいてもらいたい。
そのような思いが、様々な資金集めの一つとして、11月の保養運営資金を募るプロジェクトにチャレンジすることにつながりました。

今回の実施内容
実施時期:2016年11月16日~11月29日
参加人数:未就学児〜小学2年生までの福島の子ども27名とその母親たち15名、合わせて42名(予定)
多種多様な保養プログラムに加え、「甲状腺検診」、検診とあわせて開催される「医師と母親の医療相談会」を予定しています。



【報道まとめ】原発避難区域で野生動物大幅増/福島


原発避難区域で野生動物が大幅増 福島、4~5倍に

2016年9月20日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H2W_Q6A920C1000000/

東京電力福島第1原子力発電所事故による福島県内の避難区域で、イノシシやアライグマなどの野生動物が、避難区域外の農地に比べて4~5倍に増加していることが20日までに福島大の調査で分かった。長引く住民の避難で、野生動物がすみかや餌を確保しやすくなったためとみられる。

調査を進める福島大の奥田圭特任助教は「帰還後の住民生活に影響を及ぼすだけでなく、帰還の妨げになる可能性もある」と指摘している。

奥田さんらは、将来的な住民の帰還と営農再開を見据え、昨年6月から野生動物の生息状況調査を開始。相馬市、南相馬市、浪江町のうち(1)沿岸部に近く夜間は人の立ち入りができない居住制限区域(2)津波で被害を受けた地域(3)避難区域外の水田――の3つのエリアで、動物の動きを感知して自動的に撮影できるカメラを計24台設置し、イノシシやアライグマ、タヌキ、ハクビシンなどの出現頻度を調べた。

その結果、農地に比べ、居住制限区域や津波被害地域は、動物全体の出現頻度が4~5倍多かった。

動物別に見ると、居住制限区域では、イノシシが他のエリアに比べ約9倍多かった。このエリアは除染が進んでおらず、草が茂った場所をすみかとしているとみられる。アライグマやハクビシンも農地に比べ数十倍多く、放置された家にすみ着いたケースもあった。

避難区域では餌が豊富なことも野生動物の増加の一因とみられる。草むらとなった水田にはキツネやタヌキなどの餌となるバッタやネズミも多く、住宅近くの柿やゆずも食べられているという。

野生動物には感染症を持つ個体もいて、帰還に際し、家屋に残ったふんなどを通じて人が感染するリスクも懸念される。

奥田さんは「帰還は野生動物の領域に人間が入っていくような状況だ。人間が暮らす場所で重点的に捕獲や草刈りをするなど、野生動物が生息しにくい環境づくりが必要だ」と話している。〔共同〕



原発避難区域で動物大幅増 4~5倍に、帰還妨げも

2016年9月18日 福島民報
https://www.minpo.jp/globalnews/detail/2016091801001321

東京電力福島第1原発事故による福島県内の避難区域で、イノシシやアライグマなどの野生動物が、避難区域外の農地に比べて4~5倍に増加していることが18日、福島大の調査で分かった。長引く住民の避難で野生動物がすみかや餌を確保しやすくなったためとみられる。

調査を進める福島大の奥田圭特任助教は「帰還後の住民生活に影響を及ぼすだけでなく、帰還の妨げになる可能性もある」と指摘している。

帰還困難区域 住民の意向に沿った再生を/福島

2016年09月20日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160919-OYT1T50081.html

帰還を望む住民の心情に配慮し、復興後の街の具体的な姿を早期に示すことが肝要だ。

東京電力福島第一原子力発電所事故による「帰還困難区域」について、政府は優先地域を決めて、来年度から除染を本格的に行う方針を示した。

年間の被曝ひばく線量が2012年3月時点で50ミリ・シーベルト超だった帰還困難区域は依然、立ち入りが厳しく制限されている。この区域の帰還方針が示されたのは初めてだ。

区域は、大熊、双葉、浪江各町など、福島第一原発周辺の7市町村にまたがる。

今回の方針の特徴は、役場や駅を中心とした「復興拠点」を設定し、そのエリアに限った整備計画を策定することだ。政府は除染と同時に、道路などインフラの整備も進める。22年をめどに避難指示を解除し、帰還を可能にする。

帰還困難区域全体の除染には巨額の費用を要する。効率性の観点から、対象地域を絞って作業を進めるのは、適切な措置だ。

線量が比較的少ない居住制限区域、避難指示解除準備区域では、既に5市町村で避難指示が解除された。他の4町村でも、来春の解除を目標に、避難住民の長期宿泊などが行われている。

だが、解除された地域では、住民の帰還が思うように進んでいない。昨秋に解除され、帰還のモデルケースとされる楢葉町でも、戻った住民は1割程度だ。

医療機関や商業施設といった生活基盤の整備が十分ではない。それが、避難住民が帰還に二の足を踏む主な要因だろう。若い世代には、戻ってからの雇用や子供の教育に関する不安も大きい。

帰還困難区域の場合、戻れるにしても、6年先のことだ。生活設計を立てるのは難しい。

現時点で、復興拠点の場所や整備の内容などは未定だ。避難住民の帰りたいという願いに応えるよう、ふるさとの姿を早期に示すことが大切である。

帰還を諦め、県内外で生活を立て直している避難住民も多い。復興庁による昨年の調査では、「戻りたい」と答えた住民は、原発がある大熊、双葉両町でそれぞれ11%、13%にとどまった。

故郷がどのような形で再生すれば、帰還を考慮するのか。各市町村は、避難住民の要望をきめ細かくすくい上げ、整備計画に反映させてもらいたい。

福島の復興が進む中、帰還困難区域が「取り残された地域」とならないよう、政府は引き続き、支援に全力を挙げる必要がある。



避難生活「先見えない」 福島で被災、僧侶・藤井さん講演/富山

2016年9月20日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160920/ddl/k16/040/124000c 


東京電力福島第1原発事故で、福島県双葉町で被災した僧侶、藤井賢誠さんの講演会が16日、富山市総曲輪2の本願寺富山別院で開かれた。帰還困難区域に指定され、現在は福島県いわき市に居住。先の見えない避難生活の惨状を説明し、「現状を知り、関心を持ち続けてほしい」と呼びかけた。
原発事故被災者の現状を紹介する藤井賢誠さん
=富山市総曲輪2の本願寺富山別院で、青山郁子撮影 

被災者支援のため、浄土真宗本願寺派の僧侶、門信徒で2012年に結成した「災害被災者支援ネットワーク・富山」(温井昭典・事務局長)の主催。

藤井さんの自坊「光善寺」は原発近くにあり、津波で3人の門信徒が亡くなった。本堂や山門、鐘楼堂などは倒壊し、住職の父親ら家族4人は避難。東京でのアパートや福島県郡山市などを転々とし、現在はいわき市内の中古住宅に住む。故郷の寺は老朽化が進むが、許可無く出入りできない。門信徒もほとんどが故郷を離ればなれになった。

藤井さんは講演会で、「住宅や道路、建築物はあの日のままで風景は震災当時と何も変わっていない。故郷を追われた人々は仮設住宅などで先の見えない不安を抱えてひたすら耐え忍んでいる」と現状を紹介。現在地では墓の敷地も納骨所もなく、遺骨を預かることができず、寺院運営すら厳しい状況にあるという。【青山郁子】

「日本の原発事故」後、福島産の食品400トン以上輸入=韓国

2016年09月20日 中央日報/中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/819/220819.html

2011年の日本の福島原子力発電所の放射能漏れ事故後、韓国内に輸入された福島産の食品が400トン以上であることが分かった。

中国や台湾などが日本の福島で生産された全食品に対する輸入禁止をしたこととは違い韓国政府は農産物や飼料など一部の食品に対してのみ輸入を中止したためだ。

19日国会保健福祉委員会のチェ・ドジャ議員(国民の党)は食品医薬品安全処が提出した「原発事故後の福島食品輸入現況」を分析した結果、福島食品407トンが873回にわたり国内に輸入されたと明らかにした。水産物加工品が233トンで最も多く、2つ以上の食品添加物が混じった混合製剤が51トンで後に続いた。そのほかにもキャンディ類41トン、清酒33トンなどが輸入された。

これについて韓国政府は日本政府の放射能検査証明書と精密検査を実施しているため福島の食品は安全だという立場だ。だが食品医薬品安全処によれば実際に2011年から2016年7月21日まで日本産の輸入食品から微量の放射能が検出されて返送された事例は187件、197.6トンに達する。

日本の放射能に対する国民の意識調査によれば、韓国国民は政府の放射能関連情報を不信に思っていることが明らかになった。韓国政府の放射能情報を信頼するという意見は2014年13.3%、2015年13.1%とあらわれた。

チェ議員は「韓国国民は日本産の輸入食品を一層厳格に制限しなければならないと考えている」として「福島産の食品について輸入中止など積極的な案を用意すべきだろう」と話した。















原発事故後に輸入した福島産食品407トン 約半分は返送=韓国


2016/09/19 14:16文字拡大 文字縮小 印刷


http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/09/19/0200000000AJP20160919002500882.HTML


【ソウル聯合ニュース】2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第1原発事故の発生後、韓国が輸入した福島県産の食品は400トンを超えることが分かった。


 韓国国会保健福祉委員会に所属する野党・国民の党の崔道子(チェ・ドジャ)議員が19日、食品医薬品安全処の資料の分析結果を明らかにした。それによると、原発事故発生後の6年弱に韓国が輸入した福島県産の食品は407トン、このうち197トンは通関時に放射性物質が検出され日本に全量返送された。









日本からの輸入食品に対する放射性物質検査(資料写真)=(聯合ニュース)




 輸入品の内訳は、水産物の加工品が233トンで最も多い。二つ以上の食品添加物が含まれた混合製剤が51トン、キャンディー類が41トン、清酒が33トンなど。


 年別の輸入量をみると、11年の94トンから12年に64トンに減少した後は60トン台前半にとどまったが、15年が69トン、今年上半期は54トンと増加傾向にある。


 韓国は現在、福島県の農産物19品目と飼料、水産物の輸入を禁止している。


 崔議員は「韓国政府は、日本政府が放射性物質の検査証明書を提出し韓国で検疫時に精密検査も行っているため国内に輸入される福島県産の食品は安全だとするが、韓国の国民は日本からの輸入食品をもっと厳格に制限すべきだと考えている」と指摘。当局の積極的な姿勢を促した。


 一方、食品医薬品安全処が消費者団体と共に実施した意識調査によると、放射性物質が検出されなくても日本産の水産物を購入しないと回答した人が14年の調査で全体の68.8%、15年は67.6%を占めた。韓国政府が提供する放射性物質関連の情報を信頼していないという回答は、2年とも約87%に上った。

2016/09/18

3.11 福島原発事故以降の放射線教育について聞く

2016年9月16日 教育新聞
https://www.kyobun.co.jp/news/20160916_06/

3.11の福島原発事故を受け、「科学的な視点に立って放射線教育を実践できる中学校教員の養成が急務」と、北海道教育(H)、愛知教育(A)、東京学芸(T)、大阪教育(O)の教員養成4大学が、「HATO放射線教育プロジェクト」に取り組んでいる。9月には理科教員志望の学生らに、4日間にわたる合同集中授業を行った。同プロジェクト責任者の鎌田正裕東京学芸大学教授に、3.11以降の放射線教育と、4大学の取り組みについて聞いた。

――プロジェクトの概要は。

この放射線教育プロジェクトは、文科省の国立大学改革強化推進補助金によって始まった、4大学連携によるプロジェクト「大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築―教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト」のサブプロジェクトで、平成24年度末に始まった。HATOは4大学の頭文字。「科学的な視点に立脚して放射線教育を実践できる中学校教員の養成」が目的。テーマとして放射線教育が選ばれたのは、社会的要請によるところが大きい。

――社会的要請とは。

3.11の原発事故以降、私たちの日常生活も社会生活も、放射能や放射線とは切っても切れないものになっており、すべての国民が、少なくとも基礎的な知識を有しているべきと考えられている。だが、昭和44年改訂の学習指導要領を最後に、約30年間、放射線については中学校理科の授業では取り上げられてこなかった。平成20年の中学校学習指導要領改訂で、中学校3年生の学習内容に「放射線の性質と利用にも触れること」が加えられたものの、現在の中学校には、放射線について指導した経験のある教員が非常に少ない。放射線教育にさらなる充実が求められるようになってきた。単なる座学による指導だけでなく、安全で効果的な実験や実習を通して、放射線教育を指導できる理科教員の養成が急務だ。

――養成のための具体的な取り組みは。

実験・実習や講義を通して学生に指導しているほか、そこで用いた実験のやり方を映像化し、ビデオクリップを作成している。また講義内容をPDFとパワーポイントにした授業パッケージも作っている。他の教員養成系大学に出向いて出前講義も行った。ビデオクリップや授業パッケージはネットで公開し、他大学の教員や学生の他、誰でも無料で見られるようにする。理工系の学科などでの放射線教育と違うのは、あくまでも「将来教員になったときに、こう教えたらいいよ」とか、「これは知っていないと困るよ」という、教員養成のための放射線教育を重視している点だ。これまでに行われていた教育とは質が違う。また放射線源にしても、研究所にしかないような特殊なものでなく、身近なものを利用している。大気中のほこりを集めて放射線量を計測したり、ラジウム温泉のお湯を持ってきて測ったりしている。温泉のお湯を使った実験なら、学校現場でも受け入れられやすい。どこかから放射線源を買ってくるとなると、それはやめてほしいという力が働くが、身近なものなら比較的、そうした力は働きにくいだろう。

――どういう教員を育てたいか。

放射線だけ分かればいいのではなく、教員になったら、例えば遺伝子組み換え食品の可否など、さまざまな問題を生徒から聞かれるだろう。そのときに、「怖い」「天然だからいい」「人工だから危ない」といった曖昧な知識で判断するのではなく、科学的に見てどう対応すればいいのか、どのように考えればよいかの判断ができる教員を最終的には目指していかなければならない。世界のさまざまな人たちと暮らしていくには、共通のベースとして、こう考えていこうという基準がなければ、風評被害が起き、国同士で責任の押し付け合いになる。まだ先の話ではあるが、リスクの捉え方や、どう判断するか、どう調整していくかを、教員が生徒に伝えられるといいと思う。私自身は、そういう気持ちでやっている。

鎌田正裕東京学芸大学教授

【報道まとめ】「3・11甲状腺がん子ども基金」の設立記念シンポジウム

甲状腺がんの子ども支援シンポジウム 寄付を呼びかけ

2016年9月17日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160917/k10010690541000.html 


福島第一原発の事故後に甲状腺がんと診断された子どもたちを支援する団体が都内でシンポジウムを開き、長期的な定期検査の充実を求めるとともに、経済的な支援を行うための寄付を呼びかけました。
このシンポジウムは原発事故後に福島県が行った検査で甲状腺がんと診断された子どもたちを支援する「3・11甲状腺がん子ども基金」が開き、およそ350人が参加しました。

はじめにチェルノブイリの原発事故の後、ベラルーシで子どもたちの甲状腺がんの治療にあたった外科医で長野県の松本市長、菅谷昭さんが講演を行いました。

この中で菅谷さんは、ベラルーシでは事故から30年がたった今も汚染された地域の6歳から17歳までの子どもに対して国が甲状腺検査などの定期健診を年2回、行っていることを紹介しました。そして、福島県で診断された甲状腺がんが事故による影響なのか、現時点で特定することは難しいとしたうえで、疫学的な検証をするためにも国や県は定期検査に力を入れるべきだと指摘しました。

一方、基金によりますと、甲状腺がんと診断された子どもの中にはリンパ節への転移などが確認された子どももいるということで、経済的な支援を行うため寄付を呼びかけました。




小児甲状腺がんシンポ、福島事故 「不安深まる」と支援呼び掛け

2016年9月17日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091701001658.html

東京電力福島第1原発事故後に甲状腺がんとなった子どもの治療費を支援する「3・11甲状腺がん子ども基金」は17日、東京都内で設立記念シンポジウムを開いた。会場では当事者の「患者同士が関わり合うなどのサポート態勢がなく不安が深まった」との声を紹介し、支援を呼び掛けた。

同基金は小泉純一郎元首相、細川護熙元首相らが呼び掛け人で、9日に設立会見を開いた。被ばくによる健康影響の調査も進めるという。

シンポジウムでは「がんの疑いと診断された時、まず生じたのは『今後どうなるのか』という不安。治療費や、将来の結婚差別などを考えた」という、当事者のメッセージが代読された。
(共同)

 「3・11甲状腺がん子ども基金」の設立記念シンポジウムで、
講演する長野県松本市の菅谷昭市長=17日午後、東京都北区


「定期健診にもっと力を」 甲状腺がん子ども基金・シンポジウム

2016年9月18日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160918-112599.php

東京電力福島第1原発事故後に18歳以下の県民を対象とした甲状腺がん検査で「がん」と診断された子どもの手術費や通院費用などを支援する「3・11甲状腺がん子ども基金」(崎山比早子代表理事)は17日、東京・王子で設立記念シンポジウムを開いた。

基調講演の講師は甲状腺専門医としてチェルノブイリ原発事故の医療支援に当たった長野県松本市長の菅(すげの)谷(や)昭さんが務めた。菅谷さんは同原発事故で被災したベラルーシが、事故から30年を経過しても汚染地域の6~17歳の子どもには甲状腺検診を含む年2回の定期健診を国費で実施している現状を説明。子どもたちの健康を守るため「日本でも定期健診にもっと力を注ぐべきだ」と指摘した。

東京電力福島第1原発事故後の甲状腺がんについては「自然発生したがんと、放射線で誘発されたがんを区別することは難しいのではないか。検査結果を注視していく必要がある」と述べ、長期の低線量被ばくの影響についても対応が必要と訴えた。

また、崎山代表理事らとのパネル討論も行われ、菅谷さんは「住民が(甲状腺がんなどに)不安を抱えている限りは国や行政が向き合うのは当然だろう」と述べた。


【3・11甲状腺がん子ども基金】菅谷昭市長が指摘するこの国の誤り。「健康調査の充実を」「長期保養も必要」~基金はまず患者の経済的支援へ

2016年9月18日 民の声新聞

「3・11甲状腺がん子ども基金」の設立シンポジウムが17日午後、都内で開かれ、基金の特別顧問である長野県松本市長の菅谷昭さんが基調講演。チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシ共和国で甲状腺治療に従事した経験から「甲状腺ガンはもちろん、他の健康障害も長期的な観察が必要だ」と訴えた。また、決して財政が潤沢でないベラルーシが国家予算で子どもたちの長期保養に取り組んでいるのに対し、日本は「政府が無関心」、「これが安倍総理の言う『被災者に寄り添う』なのか」などと批判。「やっとここまで来た。重要な基金が設立された」と語った。基金は寄付を募りながら、11月以降、小児甲状腺ガン患者への療養費の給付などに取り組んでいく。

【甲状腺ガンばかりでない健康被害】

「福島の事故は、たった5年、わずか5年が経過したに過ぎないのです」

チェルノブイリ原発事故による人体や環境への影響は、30年経過した今も収束したとは言えず、長期にわたって注意深く経過観察をしていく必要がある。菅谷市長はその前提に立った上で「福島で見つかっている甲状腺ガンの原因など、現時点では特定出来ない。『放射線の影響ではない』ではなく『分からない』と言うべきだ。今すぐ結論を出すことは控えた方がいい。スクリーニング効果だという指摘があるが、ではなぜ7割以上がリンパ節や肺などに転移しているのか。最近は逆の方向に行く動きもあるようだが、国や福島県は定期検査にもっと力を注いで、疫学的事実を集積していくことが必要だ」と語り、福島県や福島県立医大による甲状腺検査「縮小」の動きをけん制した。

日本では甲状腺ガンばかりが注目されるが、チェルノブイリ原発事故後の健康被害として「免疫機能の低下」、「造血器障害」、「集中力低下」、「疲れやすい」などが報告されている。6歳から17歳までの定期健診では、眼科や歯科検診、血液、尿検査も実施されている。ゴメリ州の産科医は「ぜんそくや皮膚疾患などのアレルギー疾患、胎児異常の増加」を指摘しているという。

ベラルーシでは、汚染地域に暮らす子どもたちを対象に年1回、1カ月間にわたる非汚染地での長期保養が実施されている。費用は全て国家予算で賄われ、保護者の負担は無い。今年7月、地元の男性医師に「日本ではなぜ、国家的保養プロジェクトを実施していないのか」と尋ねられ、答えに窮したという。

「向こうでは、保養を非常に重視している。汚染地で生活していると、注意していても汚染された食べ物を食べてしまう。でも、3週間から1カ月、きれいな土地で生活すると排出される。精神的にも良い。私も福島第一原発事故当初から保養は長期でやるべきだと言ってきた」と菅谷市長。松本市では2011年8月、「信州まつもとこどもキャンプ」として飯舘村の子どもたちを受け入れた。現在は「NPO法人まつもと子ども留学基金」をバックアップしている。菅谷市長は「経済的に厳しく、原発が元々無いベラルーシでさえ無料で長期保養を実施している。日本も国の責任を果たすべきだ。国民がムーブメントを起こすべきだ」と訴えた。

「公人だから物を言うのがつらい」、「松本市は予算を減らされるかも」などと笑いも誘った菅谷市長だったが、国の帰還政策はきっぱりと批判した。

「一定の年齢以上の方が故郷に戻りたいという気持ちは分かる。しかし、今なお原子力緊急事態宣言は解除されていない。それなのに海外で『アンダーコントロール』と言ったり、若者や子どもに『大丈夫だから帰還しなさい』と言ったりする。矛盾している。大丈夫なら年20mSvでなく年1mSvに戻すべきだ」

甲状腺ガンを含む幅広い健康調査の充実、国家予算での
長期保養施策の必要性を訴えた菅谷昭・松本市長


【「日本はなぜ厳しく制限しないのか」】

1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故。菅谷市長は1991年3月、医療支援活動に参加して初めて現地入り。当時は信州大学医学部第2外科の医師だった。「原発から100メートルほどにまで近づいたが、線量計のアラームが止まらない。でも痛くもかゆくも何ともない。測って初めて高度な汚染が分かる。放射性物質の恐ろしさを実感した」と振り返る。当初は執刀する予定は無かったが、現地の医療関係者の求めで96年には甲状腺ガン手術も行っている。

当時のソ連は、一番重要な国家行事であるメーデーを控え、原発事故の発生を公表しなかった。「私たちの国では、メーデーは命に先行するんです」。住民は菅谷市長にこう語ったという。

5年半、ミンスクやゴメリ、モーズリに滞在して帰国。2012年に久しぶりに現地を訪れた際、現地の人から「日本はどうして、私たちと同じように厳しくやらないのか」と質問されたという。現地では年5mSvで居住禁止。日本政府は年20mSvを下回ったことを理由に避難した住民を戻している。また除染についても「除染してもしきれない」と費用対効果の面からも現地では行われていないという。今村雅弘復興大臣は「出来る出来ないじゃない、やるんだ」と、帰還困難区域の部分除染に着手することを表明している。「福島では、汚染された山をどうやって除染するのか。そう簡単にはいかない」と疑問を投げかけた。

今年7月初旬、30年目の現地も訪問。居住禁止区域で線量計は0.4μSv/hだったという。「畑に入るともっと上がる」。ちなみに、0.4μSv/hは、現在の福島県中通りでは決して珍しくない数字だ。

菅谷市長が執刀した女性の中には、母親になっている人もいた。〝ベラルーシの孫〟を抱かせてもらった。明るさを取り戻し、子どもを育てる姿に「原発事故は確かに影の部分が多いが、結婚できるんだ、子どもを産めるんだという光も見た。そういった部分もプロパガンダしていきたい」とも話した。健康被害が出ていることも事実。出ていない人がいることも事実。

講演後、ぶら下がり取材に応じた菅谷市長は「脱被曝は右も左も政治信条も関係ない。健康被害が起きてからでは遅い。分からないなら、不安に応えるべきだ。福島県の内堀雅雄知事について私も立場上、云々出来ないがニュアンスで感じて欲しい。市長を辞めたらたっぷりお話しする。高村昇先生?彼はベラルーシに行かれた方が良い」などと語った。


【患者の重い経済的、精神的負担】

「3・11甲状腺がん子ども基金」は今年7月20日に設立。①3.11当時子どもだった甲状腺ガン患者に対する療養費の給付②小児甲状腺ガン患者への理解を広めるためのキャンペーン③被曝による健康影響に関する調査を目的としている。

代表理事の崎山比早子さん(元国会事故調査委員)は「福島県では甲状腺ガンが多発している。疑いも含めて174人が甲状腺ガンと診断された。経済的、精神的負担は重い。甲状腺ガンが軽く見られている。生存率だけで語ってはいけない」と語った。療養費の第1期受け付けは、11月以降に予定しているという。細胞診で実際に甲状腺乳頭ガンと診断された人のメッセージが代読されたが「都内の大学に通っているのに、必ず福島県立医大まで通わなければいけない。しかも曜日が決まっている。交通費や治療費の負担は厳しい。将来の結婚など精神的にも大変だ」などと訴える。

副代表理事の武藤類子さん(福島原発告訴団長)は、原発事故直後にもかかわらず福島県内で県立高校の合格発表が屋外で実施され、給水や制服の採寸のために屋外に子どもたちが長時間並んだことなどを挙げ「この国には、子どもたちを必死に守ろうという強い意志が感じられない」と話した。「土ぼこりの中、子どもたちが走り回っているので学校に問い合わせたら『3.8μSv/hを下回っているから大丈夫』と言われた」とも。

基金は広く寄付を募っている。詳細はホームページ http://www.311kikin.org/ まで。

小児甲状腺ガン患者の経済的支援を目的に設立された「3・11甲状腺がん子ども基金」。
広く寄付を募っている=東京都北区の「北とぴあ」つつじホール



3・11甲状腺がん子ども基金 設立シンポ支援呼び掛け

2016年9月18日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091802000128.html

東京電力福島第一原発事故後に甲状腺がんとなった子どもの治療費を支援する「3・11甲状腺がん子ども基金」は十七日、東京都内で設立記念シンポジウムを開いた。会場では当事者の「患者同士が関わり合うなどのサポート態勢がなく、不安が深まった」との声を紹介し、支援を呼び掛けた。

同基金は小泉純一郎元首相、細川護煕元首相らが呼び掛け人で、九日に設立会見を開いた。被ばくによる健康影響の調査も進めるという。

シンポジウムでは「がんの疑いと診断された時、まず生じたのは『今後どうなるのか』という不安。治療費や、将来の結婚差別などを考えた」という、当事者のメッセージが代読された。

チェルノブイリ原発事故後にベラルーシで子どもたちを診察し続けた医師の菅谷(すげのや)昭・長野県松本市長も講演。現地では、事故から三十年たつ今も住民の定期健診が続いていることを紹介した。

菅谷氏は「福島は事故からまだ五年。がんが自然発生なのか、放射線の影響なのかを区別するのは不可能だ。今後の経過を注視し続けないといけない」と語った。