http://mainichi.jp/articles/20160920/ddl/k16/040/124000c
東京電力福島第1原発事故で、福島県双葉町で被災した僧侶、藤井賢誠さんの講演会が16日、富山市総曲輪2の本願寺富山別院で開かれた。帰還困難区域に指定され、現在は福島県いわき市に居住。先の見えない避難生活の惨状を説明し、「現状を知り、関心を持ち続けてほしい」と呼びかけた。
原発事故被災者の現状を紹介する藤井賢誠さん =富山市総曲輪2の本願寺富山別院で、青山郁子撮影 |
被災者支援のため、浄土真宗本願寺派の僧侶、門信徒で2012年に結成した「災害被災者支援ネットワーク・富山」(温井昭典・事務局長)の主催。
藤井さんの自坊「光善寺」は原発近くにあり、津波で3人の門信徒が亡くなった。本堂や山門、鐘楼堂などは倒壊し、住職の父親ら家族4人は避難。東京でのアパートや福島県郡山市などを転々とし、現在はいわき市内の中古住宅に住む。故郷の寺は老朽化が進むが、許可無く出入りできない。門信徒もほとんどが故郷を離ればなれになった。
藤井さんは講演会で、「住宅や道路、建築物はあの日のままで風景は震災当時と何も変わっていない。故郷を追われた人々は仮設住宅などで先の見えない不安を抱えてひたすら耐え忍んでいる」と現状を紹介。現在地では墓の敷地も納骨所もなく、遺骨を預かることができず、寺院運営すら厳しい状況にあるという。【青山郁子】
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