「癒えぬ傷ある」 相模原の原発避難者 鹿目さんが講演
2015.01.18 神奈川新聞より
http://www.kanaloco.jp/article/82903/cms_id/121612
東京電力福島第1原発事故の影響で、相模原市で自主避難を続ける鹿目久美さん(46)は、都内で子育て中の母親ら15人を前に講演した。「何年たっても癒えない傷がある」と阪神大震災の被災者をおもんぱかり、自身の境遇についても「伝えていかなければならないという責務を、あらためて感じている」と胸の内を明かした。
鹿目さんは2011年夏、福島第1原発から約60キロの福島県大玉村の自宅を離れ、今は小学2年の長女と2人、相模原市緑区の実家に身を寄せる。「これ以上、娘を被ばくさせたくないと避難を決めたが、避難後もふさぎ込み、消えてしまいたいと思うことがあった」と振り返った。
現在、放射能による健康被害の不安を抱える福島の親子を保養のキャンプに招く活動に携わるが、「放射能についての考えは人それぞれで、保養に行くということさえ口に出せないお母さんがたくさんいる」。地域によっても線量が異なり「同じ被災者、避難者の中でも本音を言いにくい状況が生まれている」と表情を曇らせた。
事故から間もなく4年。鹿目さんは「自分がしていることが正しいかどうかは今でも分からないが、悩み、考えることが大事だと思う。20年後、今と同じ苦しみを口にしないためにも、前に進んでいきたい」と話した。
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