http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20160606/2347227
中禅寺湖に生息する魚の放射性セシウム濃度の推移を詳しく調べるため、湖畔に研究施設を持つ国立研究開発法人「水産研究・教育機構」中央水産研究所と中禅寺湖漁協などは5日までに、魚の年齢に焦点を当てた新規調査に乗り出した。濃度が高止まりするホンマスを対象に、今季放流する全ての稚魚約13万匹のアブラビレを切除。稚魚が寿命を迎える2019年までヒレを目印に追跡し、濃度と年齢の関係などを割り出したい考えだ。研究所は「原発事故の影響を正しく理解し、汚染の将来予測に役立つ調査にしたい」としている。
アブラビレは、背ビレと尾ビレの間にあるサケ科特有の部位。切っても生育に影響はなく、再生もしないため目印にしやすい。研究所職員らは5月25日から連日、麻酔をかけた稚魚のヒレ切除作業を続けている。
研究所によると、同湖ではホンマスを含む魚食性の大型マス類の濃度は明確な減衰傾向を示していない。
チェルノブイリ事故の影響を調べた研究でも、マス類は大型で高齢なほど濃度が高い傾向がある。しかし同湖の調査は従来、体長は測っていたが年齢は正確に分からないため、魚の濃度が年ごとにどう変化するか把握できず、課題だった。研究所の鈴木俊哉(すずきとしや)内水面研究センター長(51)は「年齢で区切って推移を追わないと、汚染の本質を把握できない。調査がうまくいけば、魚の持ち出し禁止措置の解除時期の見通しが立つかもしれない」と語る。
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