2016/06/07

【報道まとめ】福島/甲状腺がん 173人が確定および疑いに 当時5歳児も

(6日に行われた福島県民健康調査検討委員会に関する報道。報道ステーションの動画が、テレビ朝日のサイトに上がっています。以前の委員会での星氏の発言や、チェルノブイリでも、5歳以下の子どもたちが発症したのは、7年、8年経ってからのことだったとの現地取材、甲状腺がん家族の会の声などもあります。ぜひご覧ください。全国紙でも、地方版でしか報じていないことや、見出しには増加人数のみにして小さく見せるなどの意図が見えるなど、気になる報道です。そして、事態は決して楽観できるものではなく、医療、検診、生活支援などの対応が急務です。 子ども全国ネット)

【報ステ】甲状腺がん、当時5歳児で初めて確認 
2016年6月6日 テレビ朝日
http://5.tvasahi.jp/000076456?a=news&b=nss

原発事故の後、福島県の検査で子どもの甲状腺がんが多く見つかっている問題で、事故当時5歳の男の子に甲状腺がん、または、がんの疑いがあることがわかった。検査時点の男の子の年齢は9歳。事故当時、どの地域にいたのかなど、詳しいことは明らかにされていない。

チェルノブイリでは、事故当時5歳以下の多くの子どもたちが甲状腺がんになった。県民健康調査検討委員会ではこれまで、その年齢層の子どもから甲状腺がんが見つかっていないことなどを理由に「原発事故との因果関係は考えにくい」とされてきた。「『5歳以下がいないから』という表現をどう変えるのか」という質問に対し、検討委員会の星北斗座長は「当時5歳以下からの発症は非常に少ないと言い換える必要があるのかもしれないが、5歳の人が1人出たからといって評価を変えるということではない」と改めて明言した。




甲状腺がん、30人に増加=18歳以下検査2巡目-福島県
2016年06月06日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060600738&g=soc

東京電力福島第1原発事故による影響を調べるため、福島県が事故当時18歳以下(胎児を含む)だった県民を対象に実施している2巡目の甲状腺検査で、県は6日、3月末時点で30人が甲状腺がんと診断されたと発表した。県は、昨年12月末時点の16人から増加した原因を不明としているが、「甲状腺がん発生は原発事故の影響とは考えにくい」との見方を変えていない。

2巡目の検査は、約38万人の対象者のうち約27万人で完了。「悪性ないし悪性の疑い」と診断されたのは57人(昨年12月末時点は51人)で、このうち30人が手術により甲状腺がんの確定診断を受けた。 
 
事故当時胎児だった人を対象としない1巡目の検査では、101人(同100人)が甲状腺がんと診断された。



当時5歳が甲状腺がんの疑い
2016年6月6日 毎日新聞 
http://mainichi.jp/articles/20160607/k00/00m/040/092000c
 
東京電力福島第1原発事故の影響を調べる福島県の「県民健康調査」検討委員会は6日、当時5歳の1人が甲状腺がんかその疑いがあると明らかにした。甲状腺がん発生で放射線の影響は考えにくいとする理由の一つだった「5歳以下の診断例がない」状況が変わる可能性があるが、同委は「(影響が考えにくいとする)論拠を変える必要はない。これからどれくらい出るか検証する」としている。

福島県によると、放射線への感受性は大人より子どもの方が高く、チェルノブイリ事故では、当時5歳以下でも甲状腺がんが多発していたという。

健康調査は県が2011年6月から実施。甲状腺検査は事故時18歳以下だった約37万人を対象に15年4月まで1巡目を実施し、14年4月からは2巡目に入っている。これまで5歳以下の診断例がないことなどから、検討委が1巡目の結果に基づき作成した今年3月の中間まとめで、甲状腺がんの発生について、放射線の影響は「考えにくい」としていた。

検討委は、今年3月までに2巡目で30人ががんと確定したことも報告。昨年末と比べ14人増で、「疑い」は同8人減の27人だった。「疑い」が減った理由について、県は「8人ががんと確定されたため」と説明している。【曽根田和久】



小児甲状腺がん131人 被曝影響「考えにくい」 福島
2016年6月6日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJ665VTKJ66ULBJ01G.html

福島県は6日、東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の約38万人を対象にした甲状腺検査で、1月から3月の間に新たに15人ががんと診断され、計131人になったと発表した。うち1人は事故当時5歳だった。県の検討委員会は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」としている。
 
甲状腺検査は2011年秋から13年度までの1巡目検査(先行検査)と14年度~15年度までの2巡目検査(本格検査)に分けて集計している。3月末現在で、がんが確定したか疑いがあるとされたのは計173人。うち116人は11年秋から13年度までの1巡目検査で、57人は14~15年度までの2巡目検査でわかった。1巡目では102人が手術を受け、1人が良性、101人ががんと確定。2巡目では、30人が手術を受け、がんが確定した。
 
県の検討委員会はこれまで、チェルノブイリ原発事故に比べて福島県民の甲状腺被曝が少ないことや、チェルノブイリでがんが多発した5歳以下にがんが発生していないことなどから「いま見つかっているがんは原発事故の影響とは考えにくい」としてきた。
 
今回、事故当時5歳の男子ががんと診断されたが、検討委は「チェルノブイリでは0~5歳の年齢層でがんが多発した。福島ではまだ1人。すぐに放射線の影響が出たとなるわけではない」と説明している。(大岩ゆり)



甲状腺検査2巡目のがん議論
2016年06月06日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054519401.html

子どもの甲状腺検査などに関する県の検討委員会が6日開かれ、ことし3月までの2巡目の検査で新たにがんやがんの疑いが見つかった人が57人になったことが報告されました。
委員からは1巡目の検査のあと短期間でがんが見つかることに疑問を投げかける意見もあり、検討委員会は慎重に議論を進めることにしています。
県はおよそ38万人の子どもを対象に甲状腺検査を続けていて、平成23年から行われた1巡目の検査ではがんやがんの疑いが116人に見つかりましたが、専門家らでつくる県の検討委員会は被ばく線量が低いなどとして「放射線の影響とは考えにくい」としています。
県はおととし4月から2巡目の検査を進めてきましたが6日の検討委員会では1巡目の検査で異常がなかった人のうち2巡目の検査で新たにがんやがんの疑いが見つかった人がことし3月までに57人となったことが報告されました。
また、会議では、2巡目の検査でがんやがんの疑いと診断された57人のうち1人は、これまで見つかっていなかった震災当時5歳の子どもだったことも報告されました。
委員の1人で日本医科大学の名誉教授の清水一雄医師は1巡目から2巡目までの短い期間でなぜがんが見つかるのか、疑問を投げかけましたが、検査にあたっている県立医科大学の大津留晶医師は「1巡目の検査の後に新たに腫瘍ができたと考えられるが進行のスピードはわからない」と説明していました。
検討委員会は今後、2巡目で見つかっているがんやがんの疑いのケースをどう解釈するのか、慎重に議論することにしています。



事故当時5歳男児「甲状腺がんの疑い」
2016年06月07日 読売新聞地方版
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160606-OYTNT50142.html

◆調査委「放射線の影響考えにくい」…県2巡目検査

県立医大は6日、県が県民に実施している2巡目の甲状腺検査(2014年4月開始)の結果、事故当時5歳だった男児が「甲状腺がんあるいは疑いあり」と診断されたと発表した。5歳以下の子供が、がんもしくは疑いがあると診断されるのは、1巡目を含めて初めて。県民健康調査検討委員会の星北斗座長は「事故の放射線の影響とは考えにくい」との見解を示した。

検査は東京電力福島第一原発事故当時、18歳以下だった県民などが対象。

同委員会は3月、甲状腺がんに対する放射線の影響は考えにくいとした理由の一つに、「事故当時5歳以下では、がん発見がない」ことを挙げていた。

福島市でこの日開かれた委員会後の記者会見で、星座長は「1人出たからといって評価を変えることはない」と話す一方、「今後出てくるのかきちんと検証する必要がある」とも述べた。

2巡目の検査は3月末で26万7769人が受けた。30人が甲状腺がんと診断され、疑い例を含めると計57人になる。



福島県内の子供、がん確定30人に 甲状腺検査2巡目
2016/6/7 11:32 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG07H1T_X00C16A6CR0000/

東京電力福島第1原子力発電所事故の健康への影響を調べている福島県の「県民健康調査」検討委員会が6日、福島市で開かれた。県内全ての子供が対象の甲状腺検査を巡り、2014年4月に始まった2巡目の検査でがんと確定したのは、前回会議(今年2月)での報告から14人増えて30人となった。がんの疑いは27人。

確定と疑いの計57人は、事故から約3年までの1巡目の検査でほとんどが「問題ない」と診断されていた。

委員会後の記者会見で、星北斗座長(福島県医師会副会長)は「原発事故の影響とは考えにくい」と従来の見解を繰り返しながらも「人数が増えて県民の不安が増していることも間違いない。さらに詳細な調査をしたい」とした。

検査を実施する福島県立医大などによると、57人は事故当時5~18歳の男女で、腫瘍の大きさは5.3~35.6ミリ。このうち、事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計できたのは31人で、最大値が2.1ミリシーベルト、11人が1ミリシーベルト未満だった。

約30万人が受診した1巡目の検査も合わせ、これまでにがんと確定したのは計131人、疑いは計41人。〔共同〕



「甲状腺がん」計30人に 福島県民健康調査、新たに14人診断

2016年06月07日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160607-082155.php

県と福島医大は6日、福島市で県民健康調査検討委員会を開き、東京電力福島第1原発事故発生時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査2巡目の本格検査(3月末現在)で新たに14人が甲状腺がんと診断され、がんと診断された人は累計30人になったと報告した。

2巡目の検査を受けた約26万7000人のうち、がんや「がんの疑い」と診断された人数は前回報告(昨年12月末時点)から6人増えて57人となり、このうち53人が1巡目の先行検査で問題ないと診断されていた。

検討委の星北斗座長(県医師会副会長)は「現時点で放射線の影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示した。県は、がんと診断された人が増えたことについて「2巡目検査を受けた人数が3万人以上増えたことなどが要因として考えられる。今後、詳細な分析が必要」としている。

検査では、原発事故直後から3年目までの1巡目検査と、2014(平成26)年4月から始まった2巡目検査の結果を比べて放射線影響などを調べる。程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定、BとCが血液や細胞を詳しく調べる2次検査に進む。

2巡目検査は、14年度に25市町村、昨年度は34市町村を対象に行った。がんや「がんの疑い」と診断された57人のうち、53人は1巡目でA1、A2と診断され、残る4人はB判定だった。



<甲状腺検査>当時5歳児「確定」か「疑い」

2016年6月7日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160607_63025.html

東京電力福島第1原発事故の放射能の影響を調べている福島県の県民健康調査検討委員会が6日、福島市であり、事故当時18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、新たに15人ががん確定と診断されたことを明らかにした。事故当時5歳の男児1人に、初めて「がん確定」か「疑いがある」と診断された。

検討委は放射能の影響によるがん発症は考えにくいとする理由の一つに、影響を受けやすい5歳以下からがんが発見されていないことを挙げていた。星北斗座長は「被ばく線量との因果関係を明らかにしなければならないが、1例が出たからといって評価を変えることはない」と話した。

甲状腺検査は、2011年10月から実施した1巡目の先行検査と、原発事故の影響を調べるため14年4月に始めた2巡目の本格検査が実施されている。同日の検討委の報告書などによると、調査対象(今年3月末時点)約38万1000人のうち、がん確定と診断されたのは2月発表時から1巡目で1人、2巡目で14人増え、計131人となった。



2巡目の子ども甲状腺検査 がん確定30人に 前回から14人増える
2016年6月7日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016060731708

東京電力福島第一原発事故を受け、平成26年4月に始まった2巡目の子どもの甲状腺検査(本格調査)で、3月末までに甲状腺がんと確定したのは30人となり、前回公表(昨年12月末現在)の16人から14人増えた。6日に福島市で開かれた県民健康調査検討委員会で県と福島医大が明らかにした。

■低年齢の発症少なく  「放射線影響考えにくい」 県民調査検討委座長が見解

星北斗座長(県医師会副会長)ら委員は子どもたちの中でも放射線の影響を比較的受けやすい若い年齢層に多く発症してない状況などを踏まえ「現時点で放射線の影響は考えにくい」とする見解を改めて示した。

事務局の県によると、「確定」の人数が増えたのは前回公表で「がんの疑い」となっていた多くの子どもの検査結果が確定したためとみられる。「疑い」の人数は27人で前回より8人減っており、「確定」と「疑い」の合計は前回より6人多い57人だった。

57人の震災時の年齢を見ると5歳から18歳だった。本格調査で5歳の男児が「確定」または「疑い」に含まれたことについては、高村昇委員(長崎大原爆後障害医療研究所教授)は「子どもたちの中でも低年齢の発症がほとんど見られないことから、放射線の影響を示す結果とは現時点で考えにくい」とした。影響を判断するには年齢や内部被ばく線量の推計などをさらに詳しく調べる必要があるという。

57人の内訳は男性25人、女性32人。事故後4カ月間の外部被ばく線量が推計できた31人のうち、最大は2.1ミリシーベルトで1ミリシーベルト未満は11人だった。

血液や細胞などを詳しく調べる2次検査に進んだのは計2061人で、市町村別人数などは【表(1)】の通り。26年度は15万8698人が1次検査を受診し、全体の0.8%の1277人が2次検査対象となった。27年度は10万9071人で、2次検査対象は全体の0.7%の784人だった。

■事故後4カ月の外部被ばく 1ミリシーベルト未満62.1% 前回と変わらず

県は基本調査で得られた原発事故後4カ月間の外部被ばく線量の推計も報告した。平時の年間被ばく線量の上限とされる1ミリシーベルト未満は62.1%(28万7225人)で前回公表の昨年12月末現在と同じだった。

※甲状腺検査

 1巡目の先行検査は原発事故当時に18歳以下だった約37万人が対象で、2巡目の本格検査は事故後1年間に生まれた子どもを加えた約38万人が対象。それぞれ1次検査は超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形を調べ、程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定する。大きさが一定以上で「B」「C」とされれば、2次検査で血液や細胞などを詳しく調べる。











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