2016/06/03

【報道まとめ】相双ホッキ漁再開へ/福島

相双ホッキ漁再開へ あす震災後初水揚げ/福島 

2016年6月1日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160601/ddl/k07/040/240000c 

県漁連は31日、いわき市で開いた組合長会議で、相馬沖でのホッキ貝の漁を試験操業として再開することを承認した。相馬双葉漁協は2日、東日本大震災後初の水揚げを予定する。

福島県は北海道に次ぐ全国有数の産地で震災前の2010年には約640トンの水揚げがあった。特に相馬市南部の磯部地区を中心とする同漁協管内のホッキ貝は「柔らかくて甘みがある」と評判で、県産の3分の2を占めていた。だが震災の津波で貝が流され、漁場の海底にもがれきが散乱していたため、漁が中断していた。



名産のホッキ貝漁が再開 福島・相馬沖で試験操業

2016年6月3日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016060301001234.html

福島県沿岸北部の相馬市周辺の沖合で3日、名産のホッキ貝の試験操業が始まった。東京電力福島第1原発事故で自粛していたこの海域のホッキ貝漁は、2011年1月以来の再開となる。

この日の午前8時45分ごろ、漁船が港に戻ると、20センチほどのホッキ貝がかごいっぱいに詰め込まれ水揚げ。同県新地町の漁師鈴木操さん(67)は「ホッキ漁ができる日を待ち望んでいた」と笑顔で話した。

福島県沖では、放射性物質を取り込みにくい魚種や海域に絞って試験操業を実施。県は15年から相馬市などの沖合でホッキ貝を検査、放射性物質は検出されず、漁場の整備も終えたことから再開が決まった。
(共同)

試験操業が始まり、水揚げされたホッキ貝=3日午前、福島県相馬市の松川浦漁港

同漁協によると、2年間のモニタリングで貝の生育が確認され、がれきの撤去も進んだことで再開の条件が整ったという。放射性物質もモニタリングで採取した91検体全て不検出だった。

狩野一美副組合長は「これで漁業者も元気が出る。磯部のホッキは全国的なブランド。どれくらいあるかは分からないが、思った以上にとれることを期待している」と話した。試験操業は来年1月まで。水揚げは全て検査し、1キロ当たり50ベクレル超のものは出荷しない。

いわき沖のホッキ漁は14年6月に再開している。【乾達】




原発事故で自粛のホッキ貝漁 初めて再開

2016年6月3日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160603/k10010545061000.html

東京電力福島第一原発の事故のあと自粛されていた福島県相馬地方特産のホッキ貝の漁が3日、事故のあと初めて試験的に再開されました。

相馬市の松川浦漁港には、明け方から漁をしていた2隻の漁船が午前9時前に戻りました。漁業者たちが漁船からホッキ貝の入ったかごを降ろすと、早速計量を行って出荷に向けた選別作業をしていました。



相馬地方のホッキ貝の漁は原発事故のあと自粛されていましたが、地元の漁協は、県による検査で3年半以上放射性物質が検出されていないことや漁場である海底のがれきの撤去も終わったことなどから3日、漁を事故のあと初めて試験的に再開しました。

水揚げされたホッキ貝は、大きさが8センチから10センチ、厚さが5センチほどで、大きいものだと大人の拳ほどもあります。漁協は、1隻当たりの1回の水揚げ量を60キロに制限し、主に地元に出荷することにしています。



地元ではホッキ貝を使った郷土料理の「ホッキ飯」が人気を集めていて、漁の再開は観光客の誘致や地域の活性化につながると期待されています。60代の漁業者は「風評で売れるのかどうか心配ですが、前向きな気持ちで取り組みます」と話していました。相馬双葉漁協の今野博文課長は「本格的な漁に向けた弾みになり、ホッキ貝の料理で人を呼び込むことで浜を盛り上げていきたい」と話していました。



福島県・相双沖でホッキ漁 5年5カ月ぶり、726キロ水揚げ

2016年06月04日 福島民友

相馬市など相双沖で3日、東京電力福島第1原発事故後初となるホッキ貝の試験操業が行われた。地元の相馬双葉漁協の漁師が2011(平成23)年1月以来、5年5カ月ぶりに名産を水揚げした。

強風で中止となった2日と打って変わり、風が穏やかな絶好の漁日和となった。同市磯部などから計7隻が出漁、約4時間の操業で計726.2キロを水揚げした。

放射性物質の検査では全てが検出限界値(1キロ当たり12.5ベクレル)を下回ったという。ホッキ貝は3日から地元スーパーに並んだ。

同漁協によると、東日本大震災前、本県のホッキ貝の水揚げ量は北海道に次ぐ全国2位で、県内の約9割を同漁協が占めた。試験操業は来年1月まで週2回ほど行われる。
試験操業が始まり、水揚げされたホッキ貝=3日、相馬市 




待ちわびた復活の船出 ホッキ貝試験操業 相馬の漁師末永輝男さん

2016年6月4日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016060431577

相馬沖で3日に再開したホッキ貝の試験操業で、漁業者は久しぶりの漁の感触を確かめた。相馬市磯部の末永輝男さん(62)は東日本大震災の津波で所有する船「永輝(えいき)丸」が壊れ、自宅も流された。昨年4月に船を新調し、この日を待ちわびていた。「感覚が鈍っていたがほっとした」と笑みを浮かべ、漁師として新たな一歩を踏み出した。

15歳から磯部漁港を拠点にホッキ貝やコウナゴ漁にいそしんできた。最初の船名は自分の名前にちなんで付けた。津波で愛船は陸に打ち上げられ無残な姿に。漁業を諦めかけた時期もあったが「自分にはこれ(漁)しかない」と思い直す。新しい永輝丸が届くまで海を離れ、建設現場で懸命に汗を流した。

発注した船が昨年4月に届いてからホッキ貝漁に出たのは、放射性物質測定用にサンプルを採取した4回ほどしかなかった。5年近く本格的な漁から遠ざかっており「正直、不安だった」と打ち明ける。

この日は午前4時に目が覚めた。強風で中止となった前日とは打って変わって穏やかな天候に恵まれた。朝日がまぶしい。船上で目を細めた。沖合300メートルほどの地点で大きく育ったホッキ貝を次々と水揚げした。大きさは特大、1号、2号、3号と4段階全てそろい、合わせて約160キロを揚げた。「楽しかった」と自然に頬が緩んだ。

相馬沖のホッキ貝は甘みがあり、身が柔らかい。市内の松川浦では震災前、ホッキ貝などを味わう「浜焼きまつり」が毎年開かれ、大勢の観光客でにぎわった。「ようやく地元のホッキが揚がった。うまいホッキをたくさん食べてほしい。まちが活気づけば」と、ホッキ貝を通じたにぎわいの回復を願っている。
ホッキ貝漁が再開しほっとした表情の末永さん(右)

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