2016/06/03

首相「3月には避難指示解除」 福島の帰還困難区域外

2016年6月3日 朝日新聞

安倍晋三首相は3日、東京電力福島第一原発事故で被災した福島県葛尾村などを視察した。視察後、記者団に「帰還困難区域でないにもかかわらず、いまだ避難指示が続いている区域は来年3月には解除し、早期に帰還できるように取り組むことを指示した」と改めて強調。帰還困難区域の復興についても、「この夏までに国の考えを示したい」と語った。

解除の対象は比較的線量が高い「居住制限区域」と、比較的線量が低い「避難指示解除準備区域」で、政府の原子力災害対策本部が昨年6月、遅くとも17年3月までに避難指示を解除する方針を決めている。

ただ、避難指示が出た福島県の11市町村のうち、すでに解除されたり、具体的に解除の日程が決まったりした自治体は5市町村(対象住民約2万1千人)にとどまる。残りの6町村(同約3万3千人)では除染の遅れなどで、目標通りに解除できるか不透明だ。

避難指示の解除には線量の低下に加え、電気や水道、通信、医療・介護体制などの復旧が条件となる。国と住民との「十分な協議」も必要で、国が解除のスケジュールを提案しても、「線量がまだ高い」などと解除が延期される例も多い。

福島県川内村の特別養護老人ホームを訪れ、入居者に声をかける安倍晋三首相
=3日午後1時46分、代表撮影




安倍首相 「帰還困難区域」復興方針を夏に

2016年6月3日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160604/k00/00m/010/095000c

安倍晋三首相は3日、東京電力福島第1原発の周辺で放射線量が高い「帰還困難区域」について「どのように復興していくか、この夏までに国としての考えを示したい。国が前面に立って最後まで復興を成し遂げていく」と述べ、今夏に復興方針を示す考えを重ねて示した。また、避難指示解除準備区域と居住制限区域の避難指示については来年3月までに解除する計画を予定通り実施する考えを示した。福島県葛尾村で記者団の質問に答えた。

首相はこれに先立ち、いわき市の小名浜魚市場を訪れ、地元漁協の放射線検査の現場を視察、キタムラサキウニを使った地元郷土料理「ウニの貝焼き」を試食した。また、川内村の特別養護老人ホームや葛尾村の宿泊交流施設で、住民らと意見を交わした。【松井豊】

小名浜魚市場で、地元の食材を試食する安倍首相
=福島県いわき市で2016年6月3日、代表撮影


 

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