2016/06/03

「ユズ園」広がる楢葉に 町研究会奮闘!出荷再開へ実証栽培/福島

2016年06月03日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160603-081161.php 

東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された楢葉町で、震災前まで特産品だったユズの産地復活を目指す取り組みが活発になってきた。町民有志でつくる町ユズ研究会を中心に、新入会員らの農地で栽培面積の拡大を進め、町や県とスクラムを組んで出荷再開へ実証栽培を試みている。

ユズの苗木を植える会員ら=楢葉町上繁岡

町によると、町内のユズの栽培面積は約1ヘクタール。震災前は各家庭にユズの苗木を配り、町を挙げ「ゆずの里」づくりに力を入れていた。収穫した楢葉産のユズを使い、研究会が純米酒で仕込んだゆず酒「ゆず里愛(りあい)」を開発したほか、ゆずポン酢やゆずこしょうを商品化して売り出す商店もあった。

昨年9月の避難指示解除を受け、研究会などは同10月に町内の国道6号沿いに苗木を植えて実証栽培に着手した。今年10月下旬にも新たに植えた木と震災前から育てている木から実をそれぞれ収穫し、放射性物質検査で安全性を確認する予定だ。事務局の松本広行さん(60)は「ユズを使った特産品の研究、開発を再開したい」と意気込む。

研究会は併せて、産地を広げるため帰還した住民らに協力を呼び掛ける考えだ。昨秋入会した同町の大和田清司さん(64)方では会員や町、県の職員が約4アールの農地に育苗から4年目の苗木10本を植えた。将来的に50本を目標とする大和田さんは「町に帰ってきた子どもたちが夢や希望を持てるよう、ユズ園が広がる風景をつくりたい」と話す。

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