2016/06/05

国立環境研究所発表/ネズミの精子に被ばく影響見られず

原発事故 ネズミの精子 影響見られず
2016年6月3日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160603_63035.html 

国立環境研究所は2日、東京電力福島第1原発事故の避難区域に生息する雄の野ネズミが、福島県外の野ネズミと同様の生殖機能を保っているとする調査結果を公表した。精子の奇形発生率などに差異はなく、研究所は被ばくによる生息数の減少などは考えにくいとしている。

調査は北里大、富山大と共同で実施。2013年と14年の7~9月、第1原発から約30キロ地点の避難区域2カ所と青森、富山両県で、繁殖期のアカネズミ計約100匹を捕獲し、解剖などの調査を行った。

福島のネズミは中央値で1キログラム当たり2000ベクレルのセシウム137を検出したものの、不検出だった青森、富山のネズミと比べ、生殖細胞の細胞死頻度、形態異常の精子出現頻度に違いはなかった。

研究所の大沼学主任研究員は「福島のネズミは比較的高いレベルで内部被ばくしていたが、雄の繁殖能力に低下はみられなかった」と話す。今後は福島のネズミのDNAへの影響も調べる。



放射線影響見られず 野ネズミ精子形成比較 

2016年06月05日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160605-081728.php

国立環境研究所(国環研)は4日までに、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質が野生生物に与える影響として、県内の避難指示区域内と、青森、富山両県で捕獲された野ネズミを研究した結果、放射線が精子の形成過程に与える顕著な影響は見られなかったと発表した。

研究は2013(平成25)、14年に北里大、富山大と共同で行われた。放射性物質のある地表面で生活し、繁殖能力が高く、寿命が1~2年と短い野ネズミを研究対象に選び2年間で計97匹を捕獲。最も放射線の影響を受けやすい気管の精巣内にある生殖細胞が死ぬ頻度などを調べた。

国環研によると、県内の避難指示区域で捕獲された野ネズミからは、最大で1キロ当たり4万131ベクレルのセシウム137が検出されるなど、青森、富山両県と比べて高い内部被ばくを受けていたが、生殖細胞が死ぬ頻度や精子の奇形発生率などに有意な差は確認されなかった。

この研究論文は3月に英科学誌に掲載された。

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