a2_b_c 「A2」「B」「C」――それは甲状腺に発生した嚢胞(のうほう)やしこりの大きさによる判定レベル。原発事故以降の福島で、今、A2判定を受ける子どもたちが増えている。
世界中の映画祭で観衆の圧倒的支持を得た衝撃的ドキュメンタリー映画「A2-B-C」(2013年)が、福岡で上映される。日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュ氏がカメラに収めたのは、子どもたちの無邪気な笑顔であり、校庭や通学路の汚染除去の様子であり、甲状腺に発生したしこりの大きさをはかるために診察台に横たわる姿だ。テレビでは報道されない福島の厳しい現実が、カメラの目を通して再現される。福島の子どもたちに、一体何が起きているのか。
イアン・トーマス・アッシュ監督はドキュメンタリー作品で数々の国際的な賞を受賞。2000年に来日して以来、日本滞在歴は13年にもおよぶ。「A2-B-C」についてもすでに海外で注目を集め、メディアや著名人が、知らざれる現状から目をそらすことへの警鐘と捉えている。同作品の前年に制作された「グレーゾーンの中」(2012年)も「フクシマ」をテーマにしたもの。強制避難区域半径20km圏内の側にある南相馬市、まさに放射能汚染区域か否かをグレーゾーンという言葉でしか言い表すことができない地域で暮らす人々の生活を記録した作品で、国際的に高い評価を得た。いまや同監督は世界で「フクシマ」を語るにあたって欠かすことができない人物のひとりだ。
今回の上映会には、アッシュ監督も来場、トークを行う。そのほか、震災後、福島県内外各地の仮設や保養先などで、母子や高齢者の心のケアを続ける精神科医、小林恒司医師の現状報告も行われる。
上映会を主催するのは、「マミーズタミープロジェクト」。「どんな苦境の中でも、子どもたちの笑顔は、私たちみんなの大切な宝物」という想いのもと、被災地支援をきっかけに11年に開設されたシェアハウス運営プロジェクトだ。実際のシェアハウスだけでなく、心のシェアハウスによる自然や人の心に寄り添った真の生活の再構築を目指している。
子どもたちの「安全」が蝕まれていく現実から、目を逸らしていていいのだろうか?
■「A2-B-C」上映会&イアン・トーマス監督トーク
<日 時>
11月1日(土) 正午~午後3時(うち上映時間71分)
<会 場>
福岡中央市民センター(福岡市中央区赤坂2-5-8)
TEL:092-714-5521
<入場料>
1,000円
<お問い合せ先>
TEL:090-5280-3573(松岡さん)
▼関連リンク
・「A2-B-C」公式サイト
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