2014/10/22
天然ナマズなど3品目の出荷・販売自粛継続 / 埼玉
東京電力福島第1原発事故にともなう放射性物質検査で、基準値を上回る放射性物質が検出されたとして出荷・販売の自粛を要請していたシカ肉について、県は15日、自粛を一部解除した。県内の自粛対象食品は6品目で、解除はシカ肉で3つ目。残る3品目の自粛解除への道は、依然として険しいものとなっている。
「思う存分味わってください」。21日、さいたま市浦和区の知事公館で行われたシカ肉の試食会で、県議で西秩父商工会の岩崎宏会長は笑顔で呼びかけた。
県内では平成24年10月、秩父市浦山地区で捕獲された野生のニホンジカから国の基準値を上回る放射性セシウム(1キログラム当たり820ベクレル)が検出。県は食肉処理業者にシカ肉の出荷・販売の自粛を要請してきた。
シカ肉を地域振興に活用したいとする同商工会の要望などを受け、県は独自の検査体制を整備。小鹿野町の食肉加工会社「肉の宝屋」が肉を自主検査し、1キログラム当たり50ベクレル未満のものを県に提出。県がゲルマニウム検出器で再度調べ、同100ベクレル以下と確認された肉のみを、小鹿野町周辺の旅館などに限って販売する仕組みが整えられた。岩崎会長は「おいしく食べられることをアピールし、シカを地域資源としたい」と意気込む。
一方、県内では吉川市内などを流れる中川の天然ナマズなどの3品目について、出荷・販売などの自粛が継続している。
ナマズについては厚生労働省の指針により、原則として週1回検体を調査し、1カ月以上安定的に低い値が出た場合には自粛を解除できるが、天然ものは捕獲が難しく、検体の確保もままならないという。吉川市にはナマズの食文化があるだけに、県の担当者は「粘り強く、長い目で調査を続けるしかない」と話した。
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◆放射性物質検出で出荷・販売などが自粛された食品
越谷、吉川、松伏の中川流域の天然ナマズ(平成24年5月~)
横瀬、皆野、ときがわ、鳩山産の野生キノコ(24年10、11月~)
江戸川流域のウナギ(25年6月~)
狭山茶(23年9月~24年2月解除)
滑川産の原木シイタケ(24年11月~12月解除)
ニホンジカ(24年10月~26年10月一部解除)
http://www.sankei.com/region/news/141022/rgn1410220013-n1.html
産経新聞
2014.10.22
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鹿肉の解除については、先日もアップしたニュースですが、「肉を自主検査し、1キログラム当たり50ベクレル未満のものを県に提出。県がゲルマニウム検出器で再度調べ、同100ベクレル以下と確認された肉のみ」ということであって、それは、100ベクレル以下であることは証明されているけれども、もしかすると50ベクレル以下であって、それ以下であるかどうかはわからないわけです。
もちろん、測定の結果をそれぞれの肉につけて販売していたら、選ぶことができます。けれども、このような現在の安全基準の1kgあたり100ベクレル以下であれば、数値も表示されずに流通するという中では、「数値が高そうなものは避ける」という自衛する姿勢をみんな身につけてしまい、たとえば、昨日あげた福島県内でも汚染が比較的低い会津地区で、安全な米作りに奮闘し、1ベクレル以下で測定しても売れない、という傾向も助長されるのではないでしょうか。
何度もくり返しますが、「風評被害」をなくそうと思うのであれば、
1、サンプリングの頻度をあげる
2、測定下限値を下げて、0〜1ベクレル/kg以下にする
3、測定下限値を含む数値の公表
これを徹底するしかないと思います。
たとえ、50ベクレル/kgに近い数値の肉であっても、どうしても食べたいと思う人を規制すべきとは言えません。ただ、測定して公表する、そのことを徹底してほしいと願うばかりです。
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