「放射能の影響は長期的に見ていく必要がある」という点、町内の子どもたちを学校ごとに検査を受けられるという体制は大いに評価できますが、それが、検出下限値300ベクレルのホールボディカウンターのみというのでは、とても評価できないと言わざるを得ません。
ホールボディカウンターというのは、ご存じの方も多いと思いますが、私たちの体の中に取りこまれた放射性物質から発せられる放射線のうち、γ線だけを測定するもので、しかも、食品を測定する場合なら、ぎゅうぎゅう詰めで容器ごと測定器の中に閉じ込めて測定できるのですが、人の場合は、そうはいきません。多くの場合は、椅子のような開放型の測定器で測定するわけです。しかも、それほどの長時間、じーっと測定することも無理となれば、時間も短くなり、そのために測定下限値が300ベクレルと高くなってしまうわけです。
初期の大量被ばくをした直後ならいざ知らず、現在、いくら被ばく防御の施策が不足しているといっても、体が300ベクレル以上の被ばくをしている人がいるでしょうか。当然、不検出になるはずです。それを聞いて「被ばくしていない」と安心させてしまうのは、どう思われますか。
ホールボディカウンターでの内部被ばく検査には、そうした限界があることは知っておく方がいいと思います。
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【那須】町は27日から、町内の小中学生を対象に簡易型ホールボディーカウンター(全身測定装置、WBC)による内部被ばく検査を「ゆめプラザ・那須」内で開始した。学校単位での検査は2年ぶり。
町は2012年度、町内の小中学生を対象に同様の検査を実施。1908人を測定した結果、検出下限値(300ベクレル)を超えるセシウム137が検出された児童生徒はいなかった。
「放射能の影響は長期的に見ていく必要がある」(町保健福祉課)として2年ぶりの実施を決めた。
対象は小学校10校、中学校4校の児童生徒計1786人。保護者の同意を得て検査を行う。期間は来年2月3日までで、検査実日数は44日。検査結果は学校を通じて保護者へ通知する。
初日は伊王野小の5、6年生計37人が検査を受けた。
10月28日
下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20141028/1760205
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