2014/10/15

「福島忘れないで」 鳥取で避難者支援フォーラム/鳥取


 福島第1原発事故で子どもを連れて鳥取市へ避難した母親と、福島にとどまって子育てを続ける父親が心情を語り合う「避難者支援フォーラム」(とっとり震災支援連絡協議会主催)が13日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれた。立場の違う2人が率直な思いを語り、互いの決断を尊重しながら共に「福島を忘れないで」と訴えた。

 全く別の選択をした双方の決断に至る経緯や思いを通し、事故がもたらした現状とこれからを考えようと企画。福島市で5歳の長男の子育てをする保育園長、横田智史さん(34)と、同市から鳥取市に移住した4児の母親、紺野栄津さん(39)が登壇した。

 横田さんは福島にとどまった理由として(1)地元への愛着(2)親や祖父母がいる(3)職業-を挙げ「妻も養護学校の教諭。教育者として福島の子どもたちにできることがあると考えた」と振り返った。

 一方、子どもの将来を考えると放射能の影響も不安で「いまだに親のエゴだったのではないかと考えている。放射能は“見えないお化け”。大人も子どもも毎日ビクビクしながら生活している」と心の内を吐露。避難者については「弱いとか裏切ったとか言う人がいるが、そう思わない。みんな東北魂を持っている」と語った。

 紺野さんは次男の妊娠中に震災に遭い、出産後に避難した。当時中高生の長男と長女は福島にとどまっており「何度も避難をやめようかと考えた。しょっちゅう帰りたくなるし、みんなが復興を頑張っている間に福島を“捨てた”という罪悪感もある。判断が正しかったかどうか今でも悩んでいる」と話した。

 その上で「慣れない土地で3年間、多くの方に助けていただいた」と感謝。「1人でも多くの人に福島を知ってもらい、復興につなげたいし、防災意識も伝えていきたい」と語った。


















日本海新聞
2014年10月15日
http://www.nnn.co.jp/news/141015/20141015004.html


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