2014/10/10

放射線除染:局所的対策、不安も除く 千葉・柏で人口回復/千葉

 東京電力福島第1原発事故後、首都圏の自治体でも放射線量が比較的高い「ホットスポット」地域が見つかった。同原発から200キロ以上離れた千葉県柏市もその一つで、不安の広がりから一時は人口が約1500人も減った。現在は計画した除染を完了し、人口も回復したものの、市内には局所的に線量の高い「マイクロスポット」と呼ばれる場所が残る。再び不安が広がらないように、きめ細かな除染が続く。

 8月下旬、市南部の中原ふれあい防災公園で、市職員ら2人が駐車場の端にたまった放射性物質を測定していた。地表面に測定器を近づけると「ピピッ」という反応音。放射性物質が集まりやすい排水口付近の地表面では毎時0.35マイクロシーベルト、地上1メートルでは国の基準値(同0.23マイクロシーベルト)を下回る同0.14マイクロシーベルトだった。職員は「数値としては安全性に全く問題ない」とうなずいた。

 2011年3月の原発事故後、市内の清掃工場の焼却灰や市有地の土壌から数万〜数十万ベクレル単位の汚染物質が検出された。小さな子供を持つ母親らを中心に不安が広がり、関西などへ転居する動きも起きた。人口はピークだった11年8月の40万5786人から、12年4月には40万4252人に落ち込んだ。

 市は11年末、汚染状況重点調査地域に指定され、約2年かけて800カ所以上の公共施設を除染。道路の除染も計画分を終え、市内主要道路の平均空間線量は地上1メートルで、12年10月の毎時0.14マイクロシーベルトから今年5月には同0.091マイクロシーベルトまで下がった。人口は10月1日時点で40万8198人まで増えた。市放射線対策室は「除染が進み、騒ぎが落ち着いたためではないか」と推測する。

http://mainichi.jp/select/news/20141009k0000e040200000c.html










公園駐車場でマイクロスポットの汚染状況を調査する柏市職員ら=千葉県柏市

毎日新聞 2014年10月09日 

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