2015/03/27

無症状の甲状腺結節の経過観察は必要か 既存のガイドラインの改正を提案

(このような情報を見かけたが、通常の状況と、大量の放射線による被ばくを受けた後、また、低レベルではあっても被ばくをし続けている場合とでは、素人が考えても条件が異なるように思われます。「日本でも甲状腺結節をどの検査をするかは関心事なので」とありますが、これが福島県民健康調査を差しているのだとしたら、とんでもない!とつい予防線を張りたくなってしまいます。子ども全国ネット)

健康と医療の情報サイト
http://www.mededge.jp/a/drge/10765

       
無症状で、検査で無害であると証明された甲状腺結節は大きさの変化もあまりなく、がんであることもまれで放置すべきであるようだ。イタリアの研究グループは現行のガイドラインの改正が勧めている。

無症状の甲状腺結節の5年間の経過観察
イタリアの研究グループが、ジャマ誌2015年3月号で報告した。

無症状の甲状腺結節が発見される場合が増えているようだ。従来、医学的に無害であることが証明された甲状腺結節をどのように検査を続けていくか意見が一致していない。現行のガイドラインでは経過観察を行い、再評価するよう勧められている。研究グループは甲状腺結節の大きさの変化に関して、変化の頻度、大きさ、要因について検討した。

研究グループは、イタリアの8施設で、1個~4個の無害な甲状腺結節のある992人を2006年から2008年の間に対象として登録、最初の5年間の経過観察を行った。大きくなった結節は1割程度、がんは0.3%。その結果、結節が大きくなったのは153人で、最初に見つかった結節1567個のうち174個(11.1%)だった。5年間で平均4.9mm大きくなった。結節の数が多い人ほど結節の大きさが大きくなった。

年齢が60歳以上では、45歳以下の人と比べ、大きくなるリスクは低かった。184人では、結節は自然に縮小した。

最初にあった結節のうち5個からがんが発見された(0.3%)が、大きくなったのは2個だけだった。93人から新たな結節が見つかり、そのうちがんと診断されたのは1個だけだった。

超音波検査、細胞学的検査で無害と分かった甲状腺結節は、大部分が大きさに変化がない。がんであることはまれで、無症状の甲状腺結節に継続的に検査するよう勧めている現在のガイドラインを改正することが勧められると研究グループは指摘している。

日本でも甲状腺結節をどの検査をするかは関心事なので参考になりそうだ。

文献情報
Durante C et al. The natural history of benign  thyroid nodules. JAMA. 2015;313:926-35.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25734734

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