2015/03/25

3/24 福島県民健康調査・甲状腺評価部会に関する報道まとめ


福島県:86人甲状腺がん「放射線の影響とは考えにくい」
毎日新聞 2015年03月24日 
http://mainichi.jp/select/news/20150325k0000m040144000c.html

◇子ども対象の甲状腺検査で中間報告まとめ

東京電力福島第1原発事故で、福島県は24日、子どもを対象に行っている甲状腺検査に関する専門家による評価部会を開き、中間報告をまとめた。昨年末現在で見つかった86人の甲状腺がんについて「放射線の影響とは考えにくい」とした。

理由として、1986年のチェルノブイリ原発事故と比べて被ばく線量が少なく、放射線の影響を受けやすい5歳以下でがんが発見されなかったことなどを挙げた。対象は18歳以下の約37万人で、約30万人が1巡目の検査を受けた。2巡目の検査は14年4月から始まり、来年度末までの予定。



福島)甲状腺検査「勧めることが望ましい」県評価部会
2015年3月25日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASH3S5JRDH3SUGTB00S.html

東京電力福島第一原発事故に伴う甲状腺検査のあり方などにつき、県の評価部会は24日、中間報告をまとめた。必ずしも治療の必要がない過剰診断が起きている可能性が高いとの意見が出たが、被曝(ひばく)した事実を踏まえ、県民に「検診を勧めることが望ましい」と結論づけた。一方、検査で見つかった甲状腺の病気の治療費は、がんに限らず公費負担するべきだとした。

甲状腺検査は事故当時18歳以下だった県民約38万5千人が対象。これまでに約120人にがんの疑いがあるとされ、87人ががんと確定した。

部会では複数の専門家が、大部分は比較的進行がゆっくりな甲状腺がんについて健康な子どもを網羅的に検査することで、必ずしも治療しなくてもいいがんを見つける過剰診断の恐れがあると警鐘を鳴らした。

部会員の清水修二・福島大特任教授や春日文子・前日本学術会議副会長らは「『不要な被曝』に加え、(過剰診断の結果生じる)『不要だったかもしれない治療』のリスク負担を県民は余儀なくされている。(これも)原発事故がもたらした被害の一部だ」と指摘した。

中間報告は指摘を踏まえた上で、検査を受けたいと希望する県民が多数いることや、原発事故で甲状腺被曝が生じたことを考慮し、「被曝という避けられない事実がある以上、不安解消の意味も含め(県民に)検診を勧めることが望ましい」とした。ただし検査の不利益の十分な説明が必要とした。また、治療には、手術以外に、定期的に検査を受けながら様子をみる「経過観察」という選択肢もありうるとした。

甲状腺検査ではがん以外にホルモン異常によるバセドウ病や橋本病などが見つかることもある。中間報告では、これらの病気も含め、甲状腺検査がきっかけで始まった治療の費用は公費負担するべきだとした。

これまでに見つかったがんが被曝の影響かどうかは、現時点では「結論づけることはできない」としつつ、被曝線量がチェルノブイリより少ないことなどから「影響とは考えにくい」とした。その上で将来的に被曝の影響の有無を判断する指標を、あらかじめ県民に示すべきだと指摘した。

原発事故に伴う県民健康調査全体を検討する委員会は部会の中間報告を受け、今後、さらに議論する。

■評価部会の中間報告骨子
【検査】
・検査は(必ずしも治療が必要ない)過剰診断の側面も考えられる
・「不要だったかもしれない治療」のリスクを県民は余儀なくされている。原発事故がもたらした被害の一部である
・一方、検査を受けたいという多数の県民の意向がある
・被曝という避けられない事実がある以上、不安解消の意味も含め検診を勧めることが望ましい
・検査の不利益を説明する必要がある

【がんと被曝の関係】
・現時点でがんが被曝によるかどうか結論づけることはできない
・ただし、チェルノブイリに比べて甲状腺被曝線量が少なく、影響を受けやすい乳幼児にがんが発見されていないことから、被曝の影響とは考えにくい
・被曝の影響の有無を判断する指標をあらかじめ示す必要がある

【検査結果の開示】
・検査結果の透明性が大切。研究者を含めたメンバーで結果を再評価できる枠組みを構築するべき


 
「放射線影響考えにくい」評価部会、甲状腺がん中間報告
2015年3月25日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/0325/news1.html

東京電力福島第1原発事故の影響を調べる県民健康調査のうち、事故当時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査に関する専門家の評価部会は24日、福島市で会合を開き、2011(平成23)~13年度の検査で見つかった86人の甲状腺がんについて「現時点で結論づけはできないが、放射線の影響とは考えにくい」とする中間報告をまとめた。

13年度までの検査は約37万人が対象。報告では結果について、〈1〉チェルノブイリ原発事故と比べて本県の被ばく線量がはるかに低い〈2〉チェルノブイリ事故では事故当時5歳以下の子どもからがんが多く見つかったが、本県では見つかっていない―として放射線の影響に否定的な見解を示した。

長年にわたる検査の継続は不可欠とした上で、放射線の影響があるかどうかを判断するための基準を示すことを求めた。判断基準をあらかじめ示さなければ、検査結果を見て都合良く評価されるとの疑念を招く恐れがあると指摘した。




甲状腺がん 放射線の影響否定 評価部会が中間報告
2015年3月25日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2015032521754

東京電力福島第一原発事故に伴う甲状腺検査の専門家による評価部会は24日、福島市で6回目の会合を開き、平成23~25年度の先行検査で見つかった86人の甲状腺がんについて、放射線の影響を否定する中間報告を取りまとめた。

事故当時18歳以下の約37万人が対象の一巡目の先行検査で見つかった86人の甲状腺がんについて、(1)チェルノブイリ原発事故で多く見つかった5歳以下のがんが見つかっていない(2)被ばく線量がチェルノブイリよりはるかに低い-などから「現時点で結論付けはできないが、放射線の影響とは考えにくい」との評価を明記した。

現行の調査を継続し、被ばくの影響を長期にわたり調べていくべきとした。甲状腺がん発見時の病態が必ずしも生命に影響を与えないとされる特性を踏まえ「定期的な経過観察という選択肢もあり得る」との見解を付け加えた。

一方、検査で必ずしも治療の必要がない甲状腺がんを見つけているのではないかという「過剰診断」の指摘に対して、「不要な被ばくに加え、不要だったかもしれない治療のリスクを県民は負わされている」「原発事故の被害の一端」との意見が部会で相次いだため、中間報告書の文言を修正した上で、4月以降の県「県民健康調査」検討委員会に提言する。

この他、中間報告に事故の影響を判断するための初期内部被ばく線量の分析の必要性、経過観察などで通常診療(保険診療)に移行した場合の医療費の公費負担、乳幼児の追跡調査の重要性、検査結果の再評価の枠組みづくりを盛り込んだ。

部会終了後、記者会見した部会長の清水一雄日本医科大名誉教授は「最終的に放射線の影響があるかどうかを判断するには、最低でも10年はかかる」との見方を示した。



甲状腺検査の継続方針確認 福島県健康調査委

2015年3月25日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150325_63043.html

福島県が東京電力福島第1原発事故当時18歳以下だった子どもに実施する甲状腺検査で、県民健康調査検討委員会の評価部会は24日、中間報告をまとめ、現行の検査を継続する方針で一致した。

中間報告は、検査で甲状腺がんが見つかることにより、本人や家族が原発事故の影響を不安視するなど「過剰診断」の可能性を指摘した意見を盛り込んだ。不安解消の観点から、過剰診断の不利益があることを説明した上で現行の検査を続ける。甲状腺がんは進行が遅く、寿命に影響を及ぼしにくいとされる。

チェルノブイリ原発事故に比べ、被ばく線量が極めて少ないことなどから、1巡目の検査で見つかったがんは原発事故の影響は考えにくいと評価。原発事故初期の放射性ヨウ素の内部被ばく線量を推計する重要性を明記し、被ばくによる甲状腺がん発症を判断するための基準の必要性を訴えた。

検査は2011年10月に始まり、子どもの甲状腺の状態を把握する1巡目の「先行検査」と原発事故の影響を調べる2巡目以降の「本格検査」に分かれる。1巡目では86人ががんと診断、23人が「がんの疑い」とされ、2巡目は1人ががんと確定、がんの疑いは7人となっている。



甲状腺がん「放射線影響考えにくい」
2015年03月25日 読売新聞
◆県検査の評価部会が中間とりまとめ案
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20150324-OYTNT50139.html

東京電力福島第一原発事故の当時、18歳以下だった子供を対象に、県が実施している甲状腺検査を専門家が検証する評価部会が24日、福島市で開かれ、これまで見つかった甲状腺がんは「放射線の影響とは考えにくい」とする中間とりまとめ案を公表した。

県によると、検査では昨年末までに1巡目の約29万7000人の結果が確定。疑い例も含めて110人が甲状腺がんと診断された。

案では、第一原発事故による被曝ひばく線量はチェルノブイリ原発事故と比べ大幅に低く、影響を受けやすい乳幼児の発症が見られないことなどを被曝の影響と結論づけられない理由に挙げた。今後は「不安解消の意味も含め検査を勧めることが望ましい」としたが、死亡の恐れが低いがんが手術される可能性など不利益も説明すべきと指摘。被曝の影響をより明確に評価できる手法の検討も求めた。


福島の子供の甲状腺がん 

放射線の影響、県部会「考えにくい」 
2015/3/25 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H2S_V20C15A3CR0000/

福島県が行っている東京電力福島第1原子力発電所事故の健康影響調査で、子供の甲状腺検査に関する専門家の評価部会は25日までに、2011~13年度の検査で見つかった86人の甲状腺がんについて「放射線の影響とは考えにくい」とする中間報告をまとめた。

部会では、事故当時18歳以下の約37万人が対象の1巡目検査で見つかった86人の甲状腺がんについて、(1)チェルノブイリ原発事故で多く見つかった5歳以下のがんが見つかっていない(2)被曝(ひばく)線量がチェルノブイリよりはるかに低い――などから「現時点で結論づけはできないが、放射線の影響とは考えにくい」と評価した。

受診者への丁寧な説明を重視して、現行の調査を継続し、被曝の影響を調べていくべきだとしている。

記者会見した部会長の清水一雄日本医科大名誉教授は「最終的に放射線の影響があるかどうか判断するには、最低でも10年はかかる」と話した。






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