2015.03.14 時事通信社
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2011年3月の東京電力福島第1原発事故以来、子どもの被ばくを懸念する母親らを支援する活動を続ける医師がいる。東京都小平市出身で現在は岡山県に住む三田茂医師(55)だ。相談に訪れる親の中には、医療機関で検査すら拒否された経験を持つ人も多く、子どもの健康への影響に不安を持つ子育て世代の駆け込み寺となっている。
三田医師は、1963年に父親が小平市に開業した「三田医院」を引き継いだ。同市医師会で災害対策を担当し、原発事故に備えたヨウ素剤の備蓄などのほか、チェルノブイリ原発事故の現地調査結果などで被ばくの影響を学んだ。その経験から、福島の事故以降は子どもを心配する母親らの求めに応じて診察を始めた。
三田医師によると、首都圏の医療機関で、母親らが医師に被ばくの懸念を伝えると、検査を拒否されたり叱責されたりする例もあった。三田医師は「医師側に被ばくに関する知識が乏しいからだ」と指摘する。これまで2000人以上を診察し、血液検査や甲状腺エコー検査を実施。「自覚症状がなくとも、今後も経過を注意深く見ていく必要がある」と警鐘を鳴らす。
三田医師自身、危機感を募らせ、昨年4月に51年続いた病院を閉めて家族で岡山県に移住した。同地でも、県内だけでなく、首都圏からも多くの相談者が訪れている。
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