2015/03/22
福島の子、最後の卒園式 避難者向け保育園閉園
2015年03月22日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20150321-OYTNT50122.html
福島県からの避難者向けに開設された「あいびぃ保育園」(山形市小白川町)が今年度で閉園するため、最後の卒園式と閉園式が21日、山形市荒楯町のパレスグランデールで開かれた。現在在籍している19人の園児は、4月からは福島に戻ったり、県内の小学校や保育園に移ったりと、それぞれの道を歩んでいく。
山形市のNPO法人「IVY」が、福島県から県内に母子避難をしてきた母親らに、仕事をしながら、子どもを育ててもらえるようにと、2年半の期限付きで12年9月に設立。これまで61人の子どもたちが通園し、ピーク時には40人が在籍した。
式には、保護者や関係者など約90人が参加。卒園式では5人の卒園児が、「お父さんは一人で福島にいて、さみしそうだった。これからは一緒だよ」などと自分たちで書いた作文を読み上げ、保護者らの涙を誘っていた。続いて行われた閉園式では保育園設立からの出来事を振り返るビデオが流れ、参加者は閉園を惜しんでいた。
長女の菜結なゆちゃん(4)が通園していた坂井亜也子さん(33)は、南相馬市の自宅が東京電力福島第一原発から30キロ圏内にあり、11年8月から山形市に避難している。「お母さんたちがみんな似た境遇を持っていて、互いに助け合って過ごした2年だった。外で自由に遊び回るという経験を子どもにさせてあげることができて本当に良かった」と笑顔で話した。菜結ちゃんは4月からは山形市内の別の保育園に通い、来年、小学校に進学するのに合わせて家族のいる福島市に移る予定という。
同園のプロジェクトマネジャーの今野けい子さん(43)は「保育園の存続を望む声もあったので、さみしい気持ちもある。しかし、お母さんたちが仕事を見つけて、自立するというお手伝いができて、役割は果たせた」と話していた。
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