2015年3月24日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150324_63014.html
東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町が子どもたちに実施したアンケートで、「将来、町に帰らない」との意向が帰還を希望する割合を全ての年齢層で上回ったことが23日分かった。町は「避難先で生活再建するなど、子どもを取り巻く環境が急速に変わっている。生活が安定してきたことが背景に考えられる」と分析する。
アンケートは2013年8月に次ぎ2回目。昨年12月、同町の10~18歳計1444人に実施し、505人(34.9%)が回答。10~12歳(小学校高学年)、13~15歳(中学生)、16~18歳(高校生ら)の年齢層別に集計した。
顕著だったのは高校生世代。「いいえ(将来、町に帰りたくない)」と答えたのは36.6%。「はい(帰りたい)」と答えた割合の3倍だった。中学生は33.3%で「はい」の2倍近く。前回比7.3ポイント増だった。一方、全年齢層とも「分からない」との答えが約半数を占めた。
「帰りたくない理由(複数回答)」については、「今の生活が良いから」「放射能への不安」が年齢層を問わず突出した。
「今の生活で大事なもの(複数回答)」を尋ねると、「趣味」や「勉強」を挙げる子どもが多く、町は「避難先である程度安定して、勉学や部活に打ち込む環境が整いつつある」(企画課)と推測する。
帰還意欲が低調な一方、自由記述欄では、「再会の集い」を増やしてほしいとの要望のほか、町の現状を説明する機会を求める意見など、地域に関心を寄せる姿も浮き彫りとなった。
町は現在策定中の第2次災害復興計画に結果を反映させる。企画課の担当者は「町への気持ちをつなぎ留める施策が必要。ふるさと教育などソフト事業が大切になる」と話している。
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