「トモダチ作戦・米水兵大量被ばくの実態」
報告 : レイバーネットTV第82号
http://www.labornetjp.org/news/2015/0311shasin
*放送アーカイブ(88分・特集は10分から)
3月11日の特集「トモダチ作戦・米水兵大量被ばくの実態」。
ゲストは呉東正彦弁護士。呉東さんは、横須賀の原子力航空母艦(空母)寄港反対運動を長年してきた人だ。「2013年9月から日本の原発は止まっていると言っているが、実はその間も横須賀に福島第一の1号機と同じ規模の原子力空母ジョージ・ワシントンの原発が動いている。これが爆発すると、宇都宮まで危険区域になる」と知られざる横須賀の現実から、呉東さんは話しはじめた。この空母が今年8月に、トモダチ作戦で被曝した「ロナルド・レーガン 」に交代することになっている。
レーガン号は、2011年3月13日に福島原発1号機の爆発による放射能を大量に浴びた。放射能プルームの中、5時間にわたる発着訓練をしていた。呉東さんは、空母の正確な位置を知るため、航海日誌の情報公開を申請しているが、1年以上返答はないという。水兵たちの被害実態はすさまじいものだった。
・被曝による体調異常は、ガンや心筋梗塞ばかりでない。水兵2人の死亡原因は、骨膜肉腫、急性白血病。ほかに、体重減少、胃腸障害、生理不順、発熱、インフンザ様症状、体が動かない、視力が落ちる、その他。
・発症が、数ヵ月後、1年後、1年半後などであった。今後も出てくるだろう。
・彼らは、原子力母艦に乗船しているにもかかわらず、全く原子力について無知であった。
・なんの防御処置も取らずに、甲板や搭載機の除染作業をした。
・換気扇のそばで寝ていた水兵に、症状が重く出ている。
・ヨウ素剤も上官は服用したが、水兵たちには支給されていない。にもかかわらず下船の際、ヨウ素剤を飲んだという書類にサインさせられている。
・入隊時、軍隊内の命令で起こったことは訴訟しないという軍の書類にサインしている。
・海軍は、彼らを見捨てている。
・体調を壊した水平の中には、年金も受けられず、治療もできない人もいる。
・政治的問題は、訴訟できない。
ひとりの女性兵士の体調不良の訴えから、最初は8人で始まった集団訴訟だったが、現在は239人になっている。この訴訟で請求している10億ドルは基金で、暫時出していくもの。今後の潜在的患者にも適用されるのではないか。アメリカで言う代表訴訟は、同じ被害を受けた人全体に及ぶ。日本での公害訴訟と似ている。
レーガンの乗組員は、日本の自衛隊の艦船に行って汚染に気がついたというが、この母艦より近くで作業していた日本の自衛官や警察官、消防士などは、どうなっているのか。今後彼らの健康被害が表に出てくるのではないかと心配しているということだった。
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