2016/09/07

放射能問題の講演会、栃木県と大田原市が後援不承認 「立場の違い」理由に

2016年9月7日 下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20160907/2441687

県北の市民団体が那須塩原市内で22日開くノーベル賞受賞者らの講演会について、後援申請を認めるかどうかで自治体の対応が分かれている。同市と那須町が認める一方、県と大田原市は、放射能問題への立場の違いから「積極的に支援できない」として不承認。団体側は反発している。

講演会は県北で子どもの甲状腺検査に取り組む「低線量被ばくと健康プロジェクト」などが主催。ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英(ますかわとしひで)京都大名誉教授が「3・11後の今をどう生きるか」をテーマに語るほか、内部被ばく問題に詳しい沢田昭二(さわだしょうじ)名古屋大名誉教授が登する。

団体は5~6月に県と県北3市町へ後援申請。県、大田原市の担当者は取材に「有識者らの議論を踏まえ、われわれは検査が不要との立場。後援によって検査を推進しているとの誤解を与えかねないと判断した」と口をそろえた。

田代真人(たしろまさと)代表(73)は「催しは原発事故後の社会と科学との向き合い方を考える目的。考え方が違うといって後援を認めないのは、多様な意見を認め合う地方自治の在り方としておかしい」と憤る。

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