東日本大震災の県外避難者への支援を考えるシンポジウムが20日、岡山市北区のきらめきプラザで開かれた。市民ら約40人が参加。避難者は4年近くたった今も抱える財政的な不安や心労などを語り、支援団体の関係者は孤立化を防ぐ取り組みなどを報告した。
高梁市に移住した布瀬映子さん(39)は当時、東京電力福島第一原発から65キロの地点に住み、健康被害に不安を覚えて発生から7か月後、夫と子ども2人と県外避難を決めた。
自宅はローンが残っており、「安心して住めないと思う家を、他人に売ったり貸したりできない。全てを自己責任で解決しなければならないのは理不尽だ」と訴えた。現状については、「子どもは夏休みなどに友人と遊びに出かけず、家にいることが多い。新しい生活になじめているか心配している」と打ち明けた。
和気町のシェアハウス「やすらぎの泉」で避難者を受け入れている延藤好英さん(57)は、共同生活を送る人たちで食事会や映画観賞会などを開き、打ち解けられるようにしていると説明。福島県から新潟県に避難した村上岳志さん(39)は、県外避難者の交流団体をつくったと報告した。
岡山市中区関、保育士平松康子さん(53)は「今後、避難してきた保護者や子どもに接することがあるかもしれない。口にできない不安を抱えていないかを考え、関わっていきたい」と話していた。
2014年12月21日
読売新聞地方版
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