2015/03/02

【医師アンケート調査】「あなたの地域で産婦人科医は足りていますか?」医師の実感を地域別に調査

全体では約半数の医師が「不足している」と回答。地域別の不足感は1位「福島県」、2位「島根県」、3位「青森県」という結果に。〜

メドピア株式会社  2015年3月2日
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000010134.html


医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「あなたの診療地域で産婦人科医は足りていますか?」という問いでのアンケートを実施し、以下のとおり結果を取りまとめました。

■調査の背景
日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、産婦人科医が女性の健康を生涯にわたって総合的に支援することを目指し、3月1日~3月8日の8日間を「女性の健康週間」と定めて2005年から活動を開始しました。2008年からは厚生労働省も主唱する国民運動となっています。
昨年2014年12月、両会連名で「わが国の産婦人科医療再建のための緊急提言」を公表しました。この中で両会は、産婦人科医の新規専攻医数は10年度をピークに減少を続け、大都市部と地方との格差が拡大していると報告しました。また、同年度の産婦人科医の勤務実態調査の結果、「状況はきわめて危機的である」とも訴えています。
そこで、全国の医師が、自身の地域での産婦人科医の充足状況についてどう感じているのか、について調査をいたしました。


<都道府県別「不足感」ランキング>
※「危機的に不足」「不足」「どちらかと言えば不足」の合計が高い順


■サマリー

医師専用サイトMedPeer(メドピア)に登録する医師(7万人以上)を対象に「あなたの診療地域で産婦人科医は足りていますか?」という質問をしたところ、4,083件の回答が寄せられた。
「どちらかといえば不足している」が23.4%、「不足している」が19.9%、「危機的に不足している」が6.1%で、合計49.4%の約半数が不足していると感じると回答した。「婦人科は足りているが、産科が不足している」「産科医院の閉鎖が相次いでいる」「地域内でも格差があり、偏在している」といった意見が多数を占めた。
「どちらかといえば足りている」が21.8%、「足りている」は9.2%で、合計31.0%の約3割が足りていると感じると回答した。「都市部なので足りている」「少子化で出産が減っているので何とかなっている」といった声が多かった。
地域別の不足感ランキングでは、1位は「福島県」で、福島で診療する86.7%の医師が不足していると感じていた。2位は「島根県」で80.8%、3位は「青森県」で80.4%であった。

■回答コメント(回答一部を抜粋)

「どちらかといえば不足している」  956件
・医師の偏在で東北は困っています。(30代、一般内科、青森県)
・お産を扱わないレディースクリニックは次々と開業しているが、お産を扱うところは極めて限られている印象です。(50代、眼科、東京都)
・産婦人科開業医が婦人科のみに変更しているケースが増えており、公立病院の産科が満床状態です。(40代、一般内科、富山県)
・大きな病院に集約化されています。(30代、整形外科・スポーツ医学、奈良県)
・全体としてはどちらかといえば不足だが、よくみると地域のなかで偏在している(地域差がある)。(50代、小児科、滋賀県)
・大都市圏にもかかわらずやや不足している。(50代、麻酔科、愛知県)
・女医が多くなっているので家庭のある人への対応が急務(院内保育所など)。当直できる人が少ないので産婦人科志望の若い先生を増やすしかないと思う。(40代、産婦人科、神奈川県)
・個人の産科が少なくなった。病院の産科医も高齢化している。(50代、整形外科・スポーツ医学、山形県)

 「不足している」  812件
・県全体で100人不足していると言われています。当院に限ると危機的に不足している。(50代、産婦人科、神奈川県)
・退職した医師が院内産院を診てます。かろうじて基幹病院に現役医師がおられるくらいです。(40代、小児科、兵庫県)
・市立病院でも分娩をやめる病院が増えています。派遣元のー大学も産婦人科が少ないようです。(60代、一般内科、広島県)
・医師の科の偏在で、産婦人科医は少子高齢化とともにどんどん減少している。(60代、一般内科、山口県)
・勤務医1人、開業医1人で人口5万人ですから、不足している。(40代、脳神経外科、福島県)
・婦人科疾患を紹介して婦人科のない当院での経過観察を依頼された。充足するには診療報酬を増やせばよい。(50代、消化器外科、沖縄県)
・正常分娩でも対応は主治医制なので、いつも待機になっており辛そうです。人数が来年度は更に減る予定です。(30代、循環器内科、島根県)
・産婦人科医の人数は足りていると思いますが、結局は配置の問題で足りていないと思います。もっと増やせというよりは、もっと働きやすい環境を作ることが必要でしょう。(30代、精神科、茨城県)

「危機的に不足している」  248件
・産婦人科ばかりでなく、医師数が全科にわたり少ないです。放射能の影響はいまだに続いています。この先も、退職の予定はあっても増員の話はありません。(50代、一般内科、福島県)
・人口20万の市で分娩のできる診療所は1か所のみ。病院は2か所ありますが・・・。(30代、精神科、千葉県)
・公立病院でも、撤退再編されている。(40代、産婦人科、青森県)
・高齢の婦人科医師が居なくなり、かなり減少しています。(40代、眼科、島根県)
・誰か一人がたおれたら、即、危機に陥るでしょう。(40代、その他、高知県)
・隣の市民病院は昨年から常勤なし.当院もこの4月から常勤1名体制となります。(40代、産婦人科、長野県)
・勤務地には非常勤以外の産婦人科医がいません。(40代、消化器内科、石川県)
・産科医不足は危機的であり産科医の過労死が問題になっている。(50代、整形外科・スポーツ医学、鹿児島県)
・女性医師への待遇(育児休暇制度、復帰後再研修制度の充実、給与)および、男性医師に対しても同等の待遇を確立する必要があると思います。(40代、家庭医療、青森県)

「どちらかと言えば足りている」  889件
・人口が減少し出産数も減っているので何とかなっているようです。(60代、一般内科、千葉県)
・地域で見ると足りないが行政区域(政令都市全域)では十分にいると思う。(60代、消化器内科、北海道)
・大きい病院と開業医がきちんと連携できており比較的余裕はあると思います。(30代、小児科、東京都)
・大都市なので足りていると思います。でも新しいマンションができて子育て世代が増えたせいか、近くの総合病院の産婦人科はハイリスク症例に限定されるようになりました。(30代、代謝・内分泌科、大阪府)
・都市圏のため大病院も多く、比較的足りていると思います。(50代、一般内科、東京都)
・都会は足りているというよりも余っているかも・・・。(50代、一般外科、愛知県)
・医療機関の世代交代がうまく進んでいるようです。(60代、皮膚科、愛知県)
・都市部ですので一応足りていると思いますが、今後待遇の改善と保障体制の充実が必要と思います。(60代、一般外科、栃木県)
・出産数が減少しているので相対的には足りているが、出産できる医療機関が減少しており、一部に集中する傾向がある。(50代、一般内科、北海道)

「足りている」  377件
・足りないという話は聞きませんが、新卒の希望者は減少しています。(40代、血液内科、兵庫県)
・政令指定都市なので病院、レディースクリニックなど不足している感じはありません。(40代、精神科、大阪府)
・人口10万開業産婦人科2軒、病院2か所。(70代、一般内科、神奈川県)
・都市部では充足しております。出張先は壊滅状態です。(40代、代謝・内分泌科、北海道)
・時に地方にお手伝いに行くと、東京一極集中を実感します。(40代、産婦人科、東京都)
・大学病院もあり、過疎県ながら住居する2次医療圏だけは医師過剰地域です。(60代、リハビリテーション科、青森県)
・今は足りていますが、不足するのは時間の問題です。(50代、血管外科、鹿児島県)

「わからない」  801件
・よくわかりません。これからは、子供が減れば足りてくる地域も出てくるでしょう。(50代、精神科、広島県)
・産科医なのか、婦人科医なのか、分娩施設なのか。で変わってきます。(40代、小児科、埼玉県)
・産科に紹介する事がほとんどないので分かりませんが、産科を紹介してと言われても、すぐ思いつく施設が近隣には少ないように感じています。(60代、循環器内科、埼玉県)
・比較的都会で、足りているとは思いますが、実際どうなのかわかりません。(50代、一般内科、宮城県)
・専門外なのでわかりませんが、どこも足りないのでは?(20代、脳神経外科、北海道)
・足りないと言われているが、過不足の判断をするための、例えば、出産件数とか、婦人科疾患発生率等の基礎資料が明らかでないので、雰囲気だけが先行しているような気がする。(60代、精神科、広島県)

■調査方法
◇期間:
2015年2月18日(水) ~ 2015年2月24日(火)
◇有効回答:
4,083人(者はすべて、医師専用サイトMedPeerに会員登録をする医師)
◇設問:
医師専用サイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。

調査フォーム(設問文 抜粋)
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日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は昨年(2014年)12月、両会連名で「わが国の産婦人科医療再建のための緊急提言」を公表しました。この中で両会は、産婦人科医の新規専攻医数は10年度をピークに減少を続け、大都市部と地方との格差が拡大していると報告しました。また、同年度の産婦人科医の勤務実態調査の結果、「状況はきわめて危機的である」とも訴えています。
そこで皆さまにお尋ね致しますが、皆さまの診療地域では産婦人科医は足りていますか? 下記の選択肢の中から皆さまの実感に近いものをお選びいただき、コメント欄には今後産婦人科医を増やすとした場合にどうしたらよいと思われるか、皆さまのお考えをご記入ください。

1. 足りている
2. どちらかと言えば、足りている
3. どちらかと言えば、不足している
4. 不足している        
5. 危機的に不足している
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