2015/03/11
鳥取/震災避難者、時重ね募る不安
2015年03月11日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/tottori/news/20150310-OYTNT50092.html?from=ycont_top_txt
東日本大震災から11日で4年がたつ。復興の遅れなどにより、県内で暮らす避難者は依然、71世帯170人(1月26日現在)に上る。時間の経過とともに「目立ちたくない」と心を閉ざす人もいるといい、支援団体は「避難者に4年目という区切りはない。時間がたてばたつほど不安は募っているが、相談すら出来ない人が増えている」と指摘する。
県内への避難者数が最も多かったのは2012年9月から13年3月にかけての205人。現在は1都7県の避難者が残る。内訳は6割以上を占める福島が108人で、宮城17人、千葉12人、東京、茨城各10人、埼玉8人、岩手4人、栃木1人。受け入れ自治体は鳥取市が95人で最も多く、米子市22人、倉吉市14人と続く。
うち29世帯73人が公営住宅や県の借り上げ民間住宅に入居。県は先月、避難者の住まいに関する不安を軽減するため、県営住宅の家賃免除期間や、県が借り上げている民間賃貸住宅への入居期間を19年3月(最長8年)まで延長できるようにした。
支援団体「とっとり震災支援連絡協議会」によると、県内避難者への物的な支援は一段落し、現在は精神的なサポートが課題。被災地の状況がほとんど変化がないため、帰郷を目指す人たちの中には焦りを感じたり、無力感で引きこもってしまったりする人がいるという。
また、被災地への思いや体験を話しにくくなったという人も。福島県から避難し、鳥取市内で子どもと暮らす女性は「福島第一原発の状況は今も安心できない。でも、福島に戻った避難者もいる中で、そんなことは言えない」と明かす。また、自主避難者の中には「直接被災していないので避難の理由を説明しにくい」と、交流に二の足を踏む人もいるという。
佐藤淳子事務局長は「震災の記憶が薄れたからこそ、避難者は『周りに迷惑をかけたくない』『目立ちたくない』と感じ、孤立しやすくなってきた。それぞれ事情は違うので、相談窓口を充実させるなどして支えたい」と話している。
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