2016年08月08日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160808-098813.php
原発事故の健康影響を調べる調査の在り方を議論している県民健康調査検討委員会は早ければ9月にも、甲状腺検査の対象者縮小や検査方法の見直しを視野に入れた議論に着手する。
事故当時18歳以下の全県民が対象の甲状腺検査は大きな転換期を迎える。検討委の星北斗座長が7日までに、福島民友新聞社の取材に明らかにした。
甲状腺検査の対象者は約38万人。検査で見つかったがんについて、検討委は「現時点で放射線の影響とは考えにくい」としている。
検査見直しを視野に入れた議論が始まる背景には、精度の高い検査を行うことで、放射線と関係なく以前から一定割合ある「潜在がん」が見つかるケースへの懸念がある。
治ることが多い甲状腺がんは一律のがん検診による「死亡率の低下」というメリットが生じにくく、検診は世界的に推奨されていない。このため、「検査を受けること自体が受診者の不利益になり得る」との声が医療関係者から上がっていた。
こうした意見を受け検討委は、〈1〉18歳を超えた県民を今後も検査対象にするべきか〈2〉受けない選択を難しくしているとの指摘がある学校での集団検診の方法を改めるべきか―などの論点について議論を始めるとみられる。
0 件のコメント:
コメントを投稿