富岡の避難指示解除 政府は「来年1月」、町は4月目標
2016年10月26日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016102635837
政府は25日、東京電力福島第一原発事故に伴う富岡町の居住制限、避難指示解除準備両区域について平成29年1月中に解除したい意向を町議会全員協議会で明らかにした。町は29年4月以降の解除を目指しており、政府は11月に開かれる町政懇談会での町民の意見を踏まえ、町と協議しながら解除時期を最終判断する。政府が富岡町の解除時期に関して見解を示すのは初めて。
政府は両区域での追加除染が29年1月に完了することや、町除染検証委員会の「早期帰還を望む町民の環境回復はおおむねなされている」との報告、町帰町検討委員会の「帰還開始の準備はおおむね整っている」との評価に基づき、1月解除が可能とした。
郡山市の町役場桑野分室で開かれた全員協議会には、内閣府原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長らが出席した。町立診療所の開所や上下水道の復旧など1月解除の根拠を説明した。議員からは「1月には町役場の復旧が終わっていない」「追加除染の結果が示されないうちは帰還の判断がつかない」などと1月解除は時期尚早とする意見が相次いだ。
協議会終了後、記者会見した後藤副本部長は「(議会で)頂いた課題を含め(懇談会の)資料を作り、町民の意見を伺いたい。(1月解除を)一方的に押し付けるものではない」と強調した。
宮本皓一町長は1月解除について「国の考えであって、町とすり合わせていない」とした上で「ぶれることなく(4月解除に向けた準備を)粛々と進めていきたい」と述べた。
富岡町の区域別人口は7月12日現在、避難指示解除準備区域が1338人、居住制限区域が8341人、帰還困難区域が4047人。
富岡避難指示「17年1月一部解除」 政府意向に町は『難色』
2016年10月26日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161026-122259.php
政府は25日、東京電力福島第1原発事故による富岡町の帰還困難区域を除いた区域の避難指示を来年1月中に解除したい意向を示した。しかし、町は来年4月の帰還開始を目指しているため、宮本皓一町長が難色を示したほか、町議からも反発する意見が相次ぎ、実施時期は流動的だ。
政府の原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長が郡山市で開かれた町議会全員協議会で町と町議会に意向を伝えた。政府は11月5日(東京)と同12、13の両日(それぞれいわき、郡山)に開かれる町政懇談会で町民に報告し、意見を踏まえて正式に実施時期を判断する。
政府は町の帰町検討委員会が「帰還開始の準備はおおむね整っている」と評価したことや、町内の追加除染が来年1月末までに終了する見通しであることを挙げ、「避難指示解除の環境が整った」と判断した。一方、宮本町長は終了後の取材に「来年4月の帰還目標に強い決意で臨んでおり、ぶれることなく進めていきたい」と町としての帰還目標は変更しない考えを示した。
同町の避難指示解除の対象は居住制限、避難指示解除準備の両区域の3860世帯9679人(7月12日現在)で、町人口の約7割を占める。
富岡避難「1月解除」...戸惑いや反発 議会や住民『寝耳に水』
2016年10月26日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161026-122281.php
政府が富岡町の帰還困難区域を除いた区域の避難指示を来年1月中に解除したい意向を25日、郡山市で開かれた町議会全員協議会で示したことを受け、町議からは「寝耳に水」「解除は時期尚早だ」と戸惑いと反発の声が続出した。
町議からは「町役場が戻る前の避難指示解除は考えにくい」「住民が判断できるような資料を出してほしい」「完全な除染が終わっていないのに来年1月に解除するのは考えられない」などの意見が出された。
政府の原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長は「何が何でも1月中に避難指示を解除するというわけではない。町政懇談会で町民からさまざまな話を聞いた中で、町と相談して最終的に判断したい」と述べた。
住民は不信感を募らせる。同町行政区長会の坂本寿昭会長(71)は「来年1月に解除と簡単に言われても納得できない。町内の建物の解体なども進んでおらず、現実は置き去りにされ、解除の議論ばかりを急いでいる」と語気を強めた。
<避難解除>富岡町議会「時期尚早」と反発
2016年10月26日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161026_63007.html
福島県富岡町の避難指示を巡り、政府が示した2017年1月の解除案に町議会は反発した。町役場の機能回復なども間に合わず、町が掲げてきた17年4月の帰還開始目標を前倒しすることに「時期尚早」との声が上がった。
政府が解除案を示した町議会全員協議会で、議論は空間放射線量や安全面に関する問題に集中した。環境省は追加除染の事後モニタリング結果が出そろうのは2月になると説明。これに対して複数の議員が「(出そろった)数値結果に基づいて解除を提案すべきだ」とデータ不足を指摘した。
町役場庁舎の復旧工事も来年1月末にようやく終わる段階。本来の機能を郡山市の仮役場から戻すのはその先になる。ある議員は「町の本体が戻らないうちに解除するのは無理だ」と懸念した。
議会内には「解除時期を引き延ばさせないため、あえて早い時期を提案したのではないか」との見方も。議員の一人は協議会で「(確実に)4月に解除させるための国の駆け引きだ」と批判した。
政府の原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長は「全てのデータがそろうのが望ましいが、戻りたい住民もいる。どの時期に判断するのがいいのか全体のバランスの中で議論したい」と答えた。
福島・富岡町の避難指示、来年1月の解除提示
10月26日 TBS News
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161026-00000033-jnn-soci
原発事故で避難が続く福島県富岡町について、政府は大半の地域の避難指示を早ければ来年1月に解除する考えを初めて示しましたが、地元では「時期尚早」だとして反発の声が上がっています。
政府の担当者は25日、富岡町の帰還困難区域を除く地域の避難指示について、早ければ来年1月に解除する考えを初めて示しました。政府は、診療所の開設など生活環境が整い、住宅周辺の除染が来年1月に終わる見込みで、解除の要件はそろったとしています。
しかし、富岡町では、当初、来年4月の避難指示解除を目指していたため、議員からは一部に放射線量が高い場所が残るなど、1月の解除は時期尚早という意見が相次ぎました。
政府は、町民の意見を聞いた上で、解除の時期を判断するとしています。