2016/10/12

魚介類の放射性濃度低下…原発周辺海域/福島

2016年10月12日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20161011-OYTNT50035.html


◆「漁業の復興 着実に」


福島大環境放射能研究所の和田敏裕准教授(魚類生態学)の研究グループは、東京電力福島第一原発事故後、原発の周辺海域で4年9か月間測定した魚介類の放射性セシウム濃度をまとめ、環境放射能を扱う海外の科学誌に論文を発表した。2015年には99・95%が国の基準値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を下回り、和田准教授は「漁業の復興は着実に進んでいる」としている。


和田准教授らは、県が11年4月から15年12月まで測定した180種3万2492検体の魚介類の放射性セシウム濃度のデータをまとめた。


県の検査の結果、値が検出できないほど小さかった(検出限界値未満)のは、11年の293体(検査対象の14・86%)から15年は7674体(同89・47%)まで増えた。また、基準値超えは11年に785体(同39・81%)あったが、15年は4体(同0・05%)まで減った。県水産課によると、16年は11日時点で基準値超えは1体もないという。


8月に英語で発表された論文はインターネットで無料公開されており、東電が12年4月から15年12月まで測った87種5458検体を含め、測定地点の位置や水深も確認できる。和田准教授は「これまで放射性物質濃度の低下が遅いとされた、カレイやメバルなど海底で生息する魚を含めて着実に下がっている」と分析している。

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