2016/10/31

原発事故被害の集団訴訟で全国初の結審 前橋地裁


2016年10月31日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161031/k10010751041000.html  

福島第1原子力発電所の事故で、避難を余儀なくされた人たちが住み慣れた家や仕事を失い、精神的な苦痛を受けているとして、国や東京電力に損害賠償を求めている全国の集団訴訟のうち、群馬県内の裁判が31日で審理を終えました。全国の訴訟で最も早い結審となり、事故から6年となる来年3月に判決が言い渡されることになりました。

この裁判は、原発事故で福島県から群馬県内に避難してきた人など合わせて137人が、住み慣れた家や仕事を失ったり、転校を余儀なくされたりして精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力に1人当たり1000万円の損害賠償を求めているものです。

原告側は、避難によって子どもが学校でいじめにあったり収入が避難前の3分の1となり将来の見通しが立たなくなったりしたと訴えてきました。一方、国や東京電力は「過去の大地震と比較にならず、津波の規模は予見できなかった」と主張しました。

31日に前橋地方裁判所で開かれた裁判で、原告団の団長を務める鈴木克昌弁護士が「突然ふりかかった原発事故で、ふるさとと生活の基盤を失い、幸福な人生を送る権利を失った」と改めて主張し、原道子裁判長が31日で審理を終え、来年3月17日に判決を言い渡す方針を示しました。

弁護団によりますと、同様の集団訴訟は、全国の21の裁判所で審理が進められていますが、今回が最も早い結審となったということです。

原告の1人で、福島県南相馬市から家族4人で群馬県高崎市に移り住んだ福島秋美さん(34)は「子どもたちの命を守るため、家族で移住しました。福島には大変な思いをしている人たちがたくさんいる中で、その思いもくみ取ってほしいと思って裁判に参加してきました。判決は被災者が納得できる内容になってほしいです」と話していました。

原告や弁護団は、31日審理を終えたことを受けて、前橋市内で集会を開きました。この中で、弁護団の団長を務める鈴木克昌弁護士は、避難をしている人たちを前に、「裁判では、避難者や被災者に希望をもたらす判決を出してほしいと主張してきた。そのようになることを確信している」と述べました。




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