http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201610/CK2016102502000187.html
取手市は、東京電力福島第一原発事故で放出された放射性セシウムを含み、市が保管している汚泥について、一キロ当たり八〇〇〇ベクレルを超す放射性セシウムで汚染された指定廃棄物に指定するよう二十四日、環境相に申請した。指定されれば、外部への放射線漏れを防ぐコンクリートボックスに汚泥を入れ、市庁舎敷地内で一時保管する。 (坂入基之)
対象は、原発事故後の二〇一三年六月、町内会などが市内の一斉清掃をした際、各地区の側溝から収集した汚泥約二・五トン。市は廃棄物処理業者に処分を依頼したが、国が原発事故による被ばくの目安としている空間放射線量率で毎時〇・二三マイクロシーベルトを上回る同三・八〇マイクロシーベルトが検出されたため、引き取りを拒否された。
現在、フレコンバッグ三袋に詰め、市庁舎の議会棟下の駐車場で一時的に保管している。フレコンバッグ全体を覆うように土のうを積んで、その上にブルーシートをかぶせ、柵で囲って「立入禁止」の看板を立てている。
放射性セシウム濃度は収集時、一キロ当たり一万四八〇〇ベクレルだったが、現在は一万八〇〇ベクレルまで低減したという。汚泥から約一メートル離れた地点の放射線量は毎時〇・一四~〇・一七マイクロシーベルト。
指定廃棄物の指定申請は、今年二月、環境省が指定廃棄物の県内分散保管を容認したことを受けた措置。指定廃棄物は国の責任で処理することになっている。
コンクリートボックスは一辺約一・七メートルの立方体で、放射線を95%遮蔽(しゃへい)できるとしている。指定後、補正予算に関連費用約二百五十万円を計上し、十二月定例市議会に提案、年度内に設置する考え。
市は原発事故後、汚染状況重点調査地域の指定を受け、「放射性物質除染作業実施計画」を策定。一二年度に小中学校や幼・保育園などで除染作業を実施した。県内で唯一、住宅の除染に着手、一三年十二月から住宅約二万八千戸を対象に放射線量を測定し、一四年度に毎時〇・二三マイクロシーベルトを上回った二千五百十四戸のうち希望した住宅を除染した。
ブルーシートからはみ出した土のうの下に 汚泥入りのフレコンバッグがある=取手市で |
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