2016年10月6日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161006/ddl/k25/040/453000c
4年半たっても基準値超−−。福井県の原発で事故が起きた場合に琵琶湖の魚などがどの程度、放射性物質に汚染されるかの県の独自予測が5日、公表された。魚を食べるビワマスなどの魚食性魚は最大で食品基準値の1・65倍の濃度になり、今回の予測期間である4年半たっても基準値を超えたままという結果が出た。ふなずしに使われるニゴロブナなどの雑食性魚も一時期、基準を超えることが判明。原発事故の被害は立地自治体だけにとどまらないことを改めて示した格好だ。
独自予測は関西電力美浜原発(福井県美浜町)で事故が発生し、東京電力福島第1原発事故と同程度の放射性物質が最も琵琶湖への影響が出る気象条件、時間帯に放出されたとの想定。植物性プランクトン▽動物性プランクトン▽アユなどプランクトンを食べる魚▽ビワマスなど魚食性魚▽プランクトンも魚も食べるコイなどの雑食性魚−−などの体内で放射性セシウムの濃度が事故から4年4カ月後までどのように変化するか予測した。
この結果、魚食性魚は事故から約1年後に一般食品の基準値である1キロ当たり100ベクレルを超過し、2年後に最大となる165ベクレルとなった。その後、緩やかに低下するが、4年4カ月後でも121ベクレルと基準値を超えたままとなり、影響が長引くことが浮き彫りとなった。
また、雑食性魚は約1年9カ月後から約半年間、基準値を超え、最大で102ベクレルとなる。一方、その他は、プランクトンなどを食べる魚は最大値となる約10カ月後でも13ベクレルと大きな影響はなかったという。県の担当者は「予測結果はこれまでの防災対策の内容を変更するほどではないが、実際に事故が起きた場合はこの予測を念頭にモニタリングをする」と述べた。【衛藤達生】
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