問題となっているのは、復興庁が今月7月7日に示した「原子力子ども被災者・支援法」基本方針の改定案。支援対象地域は「避難する状況にない」と明記していることについて、復興庁の浜田副大臣は、7/17に開催された住民向け説明会で、規制庁の見解が基だと説明。また翌18日には、復興庁法制班の佐藤紀明参事官が、原子力規制庁が作成したというペーパーを読み上げて、住民から批判を浴びていた。
原子力規制庁によると、復興庁が6月24日に原子力規制庁に対し、支援対象地域の状況について質問を送付。これに対し、規制庁の放射線対策・保障措置課が回答を作成。翌25日に復興庁に返答した。規制庁は、子ども被災者支援法の基本方針改定のために活用することは認識していたという。
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以上。http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2015/07/blog-post_48.htmlより
以下が、公開された復興庁と規制庁のやりとり
原子力規制委員会委員長
田中俊一殿
子ども被災者支援法基本方針では、現在、支援対象地域を福島県中通り・浜通りの市町村としている。
子ども被災者支援法では、支援対象地域は、放射線量に基づき毎年見直すこととされている。通常、線量は自然減衰や除染で低減していくと考えられることから、支援対象地域は、基本的には縮小していくことが想定されていたと考えられる。
実際にも、線量は事故後減少傾向にあるか、又は下がった状態で安定しており、
支援対象地域の縮小・廃止を検討すべきものと考えられる。
本来であれば、今回の改定において縮小・廃止を打ち出すことも考えられるが、社会的影響が大きいため困難であるものの、少なくとも、福島県による自主避難者に対する応急仮設住宅の提供の終了を明記するとともに、科学的には、支援対象地域は縮小・廃止すべき状況であることの確認をしておきたい。
ついては、専門家から改めて、支援対象地域の線量は、現在、既に避難するような状況ではない旨の見解を確認いただきたいと考えている。
また、これは、支援対象地域は避難すべき状況であると主張される自主避難者への科学的反論をも示すものになると考えている。
なお、独立行政委員会である原子力規制委員会のご意見を頂くことにより、客観的な公平性・妥当性を担保できると考えているところである。
平成 27年 6月 24日
復興副大臣浜田昌良
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復興副大臣
浜田 昌良殿
平成 27年 6月 24日の子ども被災者支援法に関連する支援対象地域に関するレターの記載内容に関して、福島県の現状における空間線量率の状況等を以下に述べる。
原子力規制委員会においても、定期的な航空機モニタリング、福島第一原子力発電所から80km圏内を中心とした空間線量率や土壌への放射性物質の沈着量の測定等を実施してきた。
支援対象地域は、そもそも避難指示がかかっていない区域であり、現状のこの地域における空間線量率は当然のごとく上記の避難指示解除準備区域よりも低いことは、以下のサイトに示している。
・航空機モニタリングによる測定結果
(http://radioactivitv.nsr.e-o.io/ia/list/362/list-l.html)
・福島第一原子力発電所から 80km圏内を中心とした空間線量率や土壌への放射線物質
の沈着量等の測定結果
(http://radioactivitv.nsr.e-o.io/ia/list/504/list-1.html)
・福島県に配置した約 4千基のモニタリシグポストを含む、全国のモニタリングポスト
の 10分毎の空間線量率の測定結果
(http://radioactivitv.nsr.e-o.io/mao/ia/)
福島第一原子力発電所の事故から 4年以上が経過した現在、これらの調査から得られた結果を見ると、多くの避難指示解除準備区域においても、空間線量率から推算される実効線量は、避難指示解除の基準となる 20mSvを大きく下回る状況である。
加えて、福島県の複数の市町村が個人線量計による測定結果を公表しており、それによると、一部の地域を除いて、支援対象地域の住民の大部分の年間個人追加被ばく線量(実効線量)は1mSvを下回っている。このように、支援対象地域の空間線量率や個人線量計による測定結果等の科学的なデータから見ると、現在、避難する必要性のある状況ではない。
平成 27年 6月 25日原子力規制庁
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