http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201507/0008202049.shtml
福島県から県内外に約11万2千人が避難。このうち自主避難者は推定約2万5千人に上るという。
国は原発事故後、福島県全域を災害救助法の対象区域に指定。これを受け、国と福島県は避難指示区域外の避難者にも無償で住宅を提供してきた。
福島県は、県内に応急仮設住宅を建設する一方、県外に避難した人たちが利用できるように公営住宅の空き室などを充てる「みなし仮設」の提供を全国の自治体に要請。兵庫県内では7月1日時点で県住宅供給公社(尼崎、明石市など)に12世帯43人のほか、神戸市18世帯42人▽篠山市3世帯10人▽宝塚市2世帯5人▽豊岡市1世帯4人▽淡路市1世帯4人▽西宮市1世帯2人▽三木市1世帯1人(いずれも市営住宅)-に避難している。
県によると、福島から兵庫への避難者は5月末時点で342世帯877人。このうち「みなし仮設」への入居が51世帯137人で、自主避難者が7割以上を占めていた。
福島県は6月15日、自主避難者について、「公共インフラの整備や除染が進み、福島県内の生活環境が整ってきた」として、仮設住宅(みなし仮設を含む)の無償提供を16年度で打ち切ると決定。一方、避難指示区域内からの避難者には17年度以降の継続に含みを残している。
福島県鏡石町から神戸市営住宅に母子避難している40代の女性は「放射能の健康影響は分からないことが多く、帰郷に不安な人は多い。経済的に追い込んで福島に帰還させるような施策は納得できない」と話していた。
【兵庫県も積極的な対応を】
被災者支援策に詳しい津久井進弁護士(兵庫弁護士会)の話 災害救助法は原発事故のような避難の長期化を想定しておらず、不備がある。2012年に成立した『原発事故子ども・被災者支援法』は避難の権利を認め、健康面と生活面の支援を定めたのに、国は対応を怠っている。兵庫県は阪神・淡路大震災の経験を生かし、被災者支援のお手本を示すべきなのに、目の前にいる避難者に十分対応できていない。積極的に独自施策を検討すべきだ。
住宅支援の継続を求め、兵庫県職員と話し合う
福島からの自主避難者ら(右列)
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