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過去のリフレッシュキャンプの模様(集合写真) |
過去のリフレッシュキャンプの模様(羽根木プレーパーク)
今回で11回目を数える同プログラムは、8月13日~16日(前半)、18日~21日(後半)の2回、大蔵第二運動場など区の施設を拠点に実施される。主催は20を超える市民団体で構成される「福島の子どもたちとともに・世田谷の会」。共催は世田谷区、世田谷区教育委員会、社会福祉法人 世田谷ボランティア協会、社会福祉法人 世田谷区社会福祉協議会。
2011年3月の東日本大震災に伴う、東京電力福島第一原発事故をきっかけに立ち上がった同会が2012年3月に第1回の受け入れを実施して以来、夏・冬・春の学校の長期休暇にあわせ、福島県内から毎回60人前後の親子を世田谷に招いている。これまでに224家族、709人が参加した。
福島県内のいくつかの自治体で教育委員会を通じて募集チラシを配布することができるようになったこともあり、毎回定員を2倍~3倍上回るほどの応募があるという。初参加を優先とし、参加がかなわない家族へは、キャンセル待ちの他、信頼がおける他の保養プログラムを紹介したり、同会関係者宅への「ホームステイ」を案内したりなど、なるべく多くの家族へのチャンスを探っている。
活動を支えるボランティアは、運営委員会の関係者の友人・知人などを通じて広がり、200人を超えた。そのうち約半分は世田谷区内の大学を中心とした学生で、子どもたちと一緒に体を動かして遊ぶことが好評だという。ほか、シニア世代、母親世代など幅広い世代の協力で成り立つ。
同会とのつながりがきっかけとなり、今年6月には南相馬市の私立保育園の年間行事として、年長園児と保育士が日本体育大学(世田谷区深沢)に2泊3日で宿泊するプログラムが実現。同会の継続した活動により、保育園や学校単位での年間行事としての県外保養を世田谷区内で実施する広がりが見え始めた。
今年7月4日・5日には、福島県猪苗代町で同プログラム参加者同士による「同窓会」が開かれ、長期休み期間中の県外保養だけでなく、週末に地元で集まるきっかけが生まれたという。
10回の実施で「費用と運営スタッフの確保」という課題も見えてきた。福島―東京間の往復の大型バス代や食費など1回にかかる100万円を超える実施費用は、企業・団体・個人からの寄付や協賛品、助成金と参加費(大人3,000円、子ども1,000円)で賄っており、運営は、スタッフらが子育てや仕事を抱えながら行っている。「毎回寄付の呼び掛けも行うが、それだけでは賄えないので、活動当初に集まった寄付を削りながら活動を続けている。運営スタッフの作業も1つの作業を複数人で分担できると助かるが」と同会副代表のあいぼしもとこさん。
初回からの変わらない参加者からの感想は「子どもたちが思いっきり外で遊べる機会がありがたい」や「県内では口にできない不安や放射能に関することを気軽におしゃべりできる安心感」「東京の人たちが福島を忘れないでいてくれることがうれしい」。あいぼしさんは「削れる経費を極力削り、継続のための努力をしている。原発事故による影響はこれからも続くので、引き続き多くの方に賛同・協力していただき、長く続けていければ」と支援を呼び掛ける。
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