2015/06/22

原発事故で日本産食品規制 中国と緩和へ協議

2015年6月22日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015062202000127.html

【北京=共同】東京電力福島第一原発事故を受けて中国が続けている日本産食品の輸入規制の緩和に向け、日中両国が北京で十九日に局長級の協議を開いたことが二十一日分かった。この問題での日中局長級の協議が表面化したのは、二〇一二年九月の沖縄県・尖閣諸島の国有化で日中関係が悪化して以降初めて。

日中両国は昨年十一月以降の二度にわたる首脳会談を経て、今月には約三年二カ月ぶりに日中財務対話も開催。経済分野を中心に関係改善が始まっており、規制緩和についても実務レベルから協議が動きだした形だ。

日中関係筋によると、農林水産省の担当局長が十九日、中国で食品の品質検査を担当する省庁幹部と北京で会った。日本側は食品の安全性を訴え、中国に対して輸入規制の緩和を要請。今後はさらにハイレベルの協議も模索するとみられる。

中国は宮城や福島、長野、東京など十都県で生産した食品の輸入を禁じており、中国の百貨店やスーパー店頭、飲食店などでは原発事故後、日本産食品が大幅に減った。

ただ中国では日本産食品の人気が高く、日本を訪れた中国人が菓子などを大量に買う「爆買い」現象も起きている。中国の高級料理店では航空便の手荷物として中国に持ち込んだ日本酒や、密輸したとみられる高級和牛も出回っており、日本産食品の需要は大きい。

日本産食品の輸入規制をめぐっては、オーストラリアなど十数カ国が実質的な全面解除に応じる一方、中国や韓国など約四十カ国・地域が現在も何らかの規制を継続している。

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