2015/06/01 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2015060123167
京都大原子炉実験所の原子力安全基盤科学研究シンポジウム2日目は5月31日、福島市のパルセいいざかでパネルディスカッションや海外の専門家による特別講演などを行った。
「福島の復興に向けての放射線対策に関するこれからの課題」をテーマに開催した。本県の食と農のこれからなどについて専門家が意見を交わしたほか、イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大のフランカ・カリーニ教授とウクライナ国立戦略研究所環境技術安全部のオレグ・ナスフィト主席専門官が講演した。
ナスフィト主席専門官は「チェルノブイリの失望から回復まで」をテーマに講演。チェルノブイリ原発事故による住民の放射線被ばく量や食品と環境の汚染情報が全て非公開だったことや被災者に対する誤った補償制度などに触れ、「事故後、住民は不信感を募らせ、地域社会の崩壊につながった」と指摘した。地域住民が放射線測定技師として活動していること、放射線に対する情報発信や住民支援の機能を集約した「心理社会リハビリテーションセンター」などを紹介し、「復興のためには地域住民が参加し、関係者全員で取り組むことが大切。そうすることで不信感や不安は取り除かれる」と話した。
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