http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20150709/CK2015070902000189.html
「環境省による処分場候補地の選定は適切に行われた」との最終報告をまとめた 有識者会議の鈴木座長(右)=宇都宮市で |
会議は昨年夏、廃棄物や環境の専門家ら十人で発足。国が選定の根拠とした、災害の危険性や土壌などのデータを取り寄せ、過去の市町村長会議を経て決まった選定手法に従って塩谷町が選ばれたかどうか、約一年にわたり検証した。
今年三月の中間報告では、国が選定に使ったデータの中に、実在する土地の情報が欠けていたと指摘したが「選定結果に影響はなかった」と結論づけた。
宇都宮市でこの日開かれた会合で、座長の鈴木昇・宇都宮大大学院工学研究科教授は、候補地付近を流れる西荒川に言及し、「過去の降雨量を踏まえた川の水量予測や、地下水の影響も調査するべきだ」と提言。同席した環境省側は、候補地の地質や水源を調べる詳細調査に意欲を示し、「地元に丁寧な説明をする努力を続けたい」とした。
一方、初めて公表された県内の指定廃棄物の放射性物質濃度については、委員側が「一〇万ベクレル超の廃棄物は指定廃棄物に該当するのか」などと質問。環境省側は「指定廃棄物に放射性物質濃度の上限値はない。適切に管理すれば空間放射線量は十分に低い」と応じた。
報告を受けた福田富一知事は「問題の一日も早い解決に向けて県の役割を果たしていきたい」と述べ、有識者会議には今後、詳細調査の結果に対する評価などを依頼する考えを示した。
会合の後、塩谷町の傍聴者からは「なぜ検証が終わる前に濃度を公表しなかったのか」「県内の廃棄物は最大一〇万ベクレル程度だと町民に説明してきたのに」との反発が続出。町民による反対同盟会の和気進会長は「詳細調査を受け入れるつもりはなく、処分場計画の撤回を求めて反対していくだけ」と断言。「町で保管している指定廃棄物はごくわずか。なぜ自然豊かな場所で処分するのか」と問い掛けた。
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