2015/10/19

<検証・避難>住民票そのまま 7割超

2015年10月19日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151019_63053.html

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者は、発生から4年半が過ぎた現在でも、全国の広い範囲に避難している。被災するまで暮らしていた愛着ある地域への帰還も少しずつ進む中、「生活基盤がまだ戻っていない」「健康被害が心配」などの理由から、避難生活を続ける道を選ぶ人も多い。避難者の動向を図表やデータなどで明らかにする。

◎「戻りたい」県外避難者 2割
福島県で被災した人のうち、復興庁のまとめでは、9月10日現在で約10万6200人が県内外で避難生活を送っている。このうち県外への避難者は約4万4400人を占める。

福島県がことし2月に実施した避難者意向調査によると、県内外に避難している世帯の7割以上が、家族の誰も住民票を避難先に移していなかった。

県内避難者の世帯は「(被災当時に住んでいた)古里に戻りたい」が37.3%との回答が最も多かった。これに対し「現在の避難先市町村に定住したい」は16.5%と半分以下。「未定」が11.7%だった。

県外避難者の世帯では「現時点で未定」が31.6%と最多で、「現在の避難先市町村に定住」(24.2%)、「古里に戻りたい」(19.8%)と続いた。

住民票を福島に残したままにしている人が多い一方で、「未定」の回答も一定の割合を占める。帰還する意志があっても思うようにならないケースが少なくないことをうかがわせる。

全国には福島からの避難者や避難者支援団体を応援する80以上の団体がある。

各団体には、福島で働く夫を残し母子で続く避難生活に伴うさまざまな問題を訴える声や、放射能汚染による影響から子どもを守るための持続的なサポートの要望が寄せられている。

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