2015/10/26

福島避難支援の自衛隊員ら 被ばく上限以上38%

2015年10月26日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015102602000227.html

内閣府は二十六日、東京電力福島第一原発事故直後に住民避難の支援に当たった自衛隊員や警察官、消防隊員計約三千人のうち38%の被ばく線量が、一般の年間被ばく限度である一ミリシーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、原発の敷地外で住民の支援などをした自衛隊員らの詳細な被ばく調査は初めて。原発事故が発生した際、住民避難を担うバス運転手らの被ばく対策を議論する検討会で示した。

調査は二〇一一年三月十二~三十一日に第一原発の半径二十キロ圏で住民の避難誘導や救出、除染などに当たった二千九百六十七人が対象。一ミリシーベルト未満が62%、一ミリシーベルト以上が38%だった。一ミリシーベルト以上のうち一~二ミリシーベルトが19%、五~一〇ミリシーベルトも5%いた。一日当たりの被ばく線量は三月十五日ごろまでが高く、同十八日以降は〇・一ミリシーベルトを下回っていた。


38%が被曝1ミリシーベルト以上 原発事故時の自衛隊員ら
2015年10月26日 
内閣府は26日、東京電力福島第1原発事故直後に住民避難の支援に当たった自衛隊員や警察官、消防隊員計約3千人のうち38%の被曝(ひばく)線量が、一般の年間被曝限度である1ミリシーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、調査は2011年3月12~31日に第1原発の半径20キロ圏で住民の避難誘導や救出、除染などに当たった2967人が対象。1ミリシーベルト未満が62%、1ミリシーベルト以上が38%だった。1ミリシーベルト以上のうち1~2ミリシーベルトが19%、5~10ミリシーベルトも5%いた。

国は今後事故が起きた場合、バスの運転手など住民避難を支援する民間人らの被曝限度を1ミリシーベルトにする方針。原発がある地域のバス協会などは1ミリシーベルト以上の被曝に難色を示しているが、内閣府は調査結果により「作業工程や被曝管理を行うことで1ミリシーベルト以下に低減できる可能性が示された」としている。


 事故直後の救助4割、1ミリ・シーベルト超被曝

2015年10月26日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151026-OYT1T50085.html

内閣府は26日、東京電力福島第一原発事故の際、直後に住民避難などの支援にあたった自衛隊員や警察官、消防隊員計約3000人のうち、約4割が一般人の年間被曝ひばく限度とされる1ミリ・シーベルト以上だったとの調査結果を明らかにした。

内閣府によると、敷地外で救助活動などをした自衛官らの被曝線量が公表されるのは初めて。原発事故の際、住民避難に携わる民間のバス運転手らの被曝抑止策を検討する有識者会議で示された。

調査対象は2011年3月12~31日、第一原発の半径20キロ圏で活動した2967人。1ミリ・シーベルト未満が62%で、1~10ミリ・シーベルトが38%だった。

自衛隊員らの年間の被曝限度は内規で50ミリ・シーベルトと定められており、内閣府は「1ミリ・シーベルトを超えても問題はない」としたうえで、バス運転手らが1ミリ・シーベルト以下で活動するための対策などをまとめた報告書を、年内に策定する。


 救助などの隊員ら 約4割が1mSv超の被ばく
2015年10月26日 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151026/k10010282951000.html



東京電力福島第一原子力発電所の事故の際、敷地の外で避難誘導などに当たった自衛隊員や警察官など、およそ3000人の外部被ばくの量を国が調べた結果、1ミリシーベルトを超えた人はおよそ4割に上り、内閣府では、今後、事故の際の被ばく低減策などを検討するとしています。

これは、原子力施設で事故が起きた際に敷地の外で住民の避難誘導などに当たる関係者の被ばく管理の在り方などについて考える内閣府の検討会で示されました。

今回調査したのは、4年前の原発事故の翌日から20日間にわたり行方不明者の捜索や救助活動などに当たった自衛隊や消防、警察の職員のうち、合わせて2967人で外部被ばくの量を調べました。

その結果、62%の人が一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルト未満で、残りの38%が1ミリシーベルト以上、そのほとんどが5ミリシーベルト未満でした。

当時、原発の敷地の外で防災業務に当たる関係者の被ばく限度は、国の防災指針で50ミリシーベルトとされていて、これを超えた人はいませんでした。

内閣府では、今回の結果から、被ばく管理を適切に行えば、避難誘導など防災業務に当たる関係者の被ばく量を1ミリシーベルト未満に抑えられる可能性があるとして、今後、原発事故の際の具体的な被ばく低減策などを検討するとしています。



福島第1原発事故 救援4割、被ばく上限 1ミリシーベルト以上 3000人調査
2015年10月26日 毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20151026ddm001040199000c.html




東京電力福島第1原発事故の際、原発周辺で住民の救援活動などに従事した自衛隊員や警察官、消防隊員約3000人のうち、4割弱が約20日間で一般住民の線量上限(年1ミリシーベルト)以上被ばくしていたことが政府の調査で分かった。警察官らについては緊急時は積算で「100ミリシーベルト」が上限と定められており、全員がこれ以下にとどまった。一方、警察官と同様に現場で避難誘導を指示する市町村職員などの地方公務員や、バス運転手については一般と同じ線量が限度として適用されており、今回の結果が被ばく対策に影響を与える可能性がある。【酒造唯】

原発敷地内で事故対応した作業員らの被ばく線量は公表されているが、周辺の被ばく線量の全容が明らかになるのは初めて。政府は26日に、地方公務員などの被ばく対策を検討する作業部会を開き、この調査結果を今後の被ばく低減対策に活用する方針だ。

調査対象は、事故翌日の2011年3月12日から同31日の間に、住民の避難指示が出された原発の半径20キロ圏内で避難誘導や救助捜索、けが人の搬送などに携わった自衛隊員約2800人と、警察官・消防隊員約170人。全員が全面マスクや防護服を着用していたとして内部被ばくはゼロと想定し、個人線量計のデータ(外部被ばく)だけを集計した。

その結果、自衛隊員の62%は1ミリシーベルト未満だった一方、1ミリシーベルト以上は38%で、最高は10・8ミリシーベルトだった。警察官・消防隊員は12%が1ミリシーベルト以上で、最高は2・2ミリシーベルトだった。これらを合わせると36%が1ミリシーベルト以上被ばくしていたことになる。省令などでは、警察官や消防隊員らについて緊急時は「100ミリシーベルト」が上限とされているが、これを上回った人はいなかった。
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■解説
 ◇避難体制の空白生まない対策を
福島事故で、周辺住民の救援活動に従事した自衛隊員らのうち、4割弱が一般の被ばく上限(年1ミリシーベルト)以上で被ばくしていた実態は、原発の避難体制の「空白」をあぶり出した。

地元市町村職員などの地方公務員や、バス運転手は自衛隊員らと同様、住民の避難誘導に欠かせない存在にもかかわらず、緊急時も一般住民と同じ「1ミリシーベルト」が適用されている。

再稼働した九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で、同県と住民避難に携わるバス会社は、運転手の被ばく上限を「1ミリシーベルト」とする協定を交わしているが、この制限で活動不能になれば住民避難の足かせになりかねない。

政府は、放射線量の高い場所での活動を自衛隊や警察官らが担い、地方公務員らは低い場所で活動するなどの「役割分担」で、1ミリシーベルト未満に抑えることは可能と説明する。

しかし、福島事故が示したように線量の予測は不可能。風向きなどの自然環境で線量は常に変わりうる。政府は新基準を満たした原発については順次再稼働させる方針だが、被ばく低減策の徹底を進めるべきだ。

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■ことば
 ◇被ばく線量限度
放射線から人体を守るため、国は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を採用し、一般の人については年間1ミリシーベルトを線量限度としている。原発作業員については平時は「年50ミリシーベルト」「5年間100ミリシーベルト」、緊急時は積算で「100ミリシーベルト」(来春「250ミリシーベルト」へ引き上げ予定)を上限としている。



被ばく対策:救援活動、政府が議論 来月に報告書案

2015年10月27日 毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20151027ddm008010066000c.html

政府は26日、原発事故時に住民の避難誘導などに携わる地方公務員やバス運転手などの被ばく対策を検討する作業部会を開いた。東京電力福島第1原発事故の際、敷地外で活動した自衛官や警察官、消防隊員約3000人の4割弱が一般住民の年間被ばく上限である1ミリシーベルトを上回ったことが報告されたが、政府側は「事前に作業計画を作るなどして、地方公務員やバス運転手の被ばくを1ミリシーベルト以下に低減できる可能性がある」と説明した。

政府によると、全体の約8割が2ミリシーベルト以下だった。委員からは「被ばく線量だけでなく、どの場所でどの程度の時間作業をしたかというデータが重要だ」「作業時間を減らすことが有効だ」などの意見が出た。

作業部会は11月19日の次回会合で、具体的な被ばく低減策を盛り込んだ報告書案をまとめる。【酒造唯】

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