2015/10/23

低線量でもがん死リスク増 被曝100ミリシーベルト未満 欧米で30万人調査

2015年10月23日 朝日新聞アピタル
http://apital.asahi.com/article/news/2015102300004.html

欧米の原子力施設で働いた約30万人を対象にした調査で、100ミリシーベルト未満の被曝(ひばく)でも、線量に応じて、がんで死亡するリスクも高まるとする分析結果が英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された。

1944年~2005年に英米仏の原発などで働いた約30万人(大腸の平均被曝量約20ミリシーベルト相当)のうち、白血病以外のがんで死亡した約1万9千人について欧米の研究チームが被曝量との関係を調べた。すると被曝量が1ミリシーベルト増えるとがんで死亡するリスクが0・048%高まるとの結果が出た。統計的にみて1万9千人のうち約200人が被曝によるがんで死亡した分だと推定されるという。

これまで原爆被爆者を対象にした調査で、100ミリシーベルトの被曝があると生涯のがん死亡リスクが約0・5%増えるとされるが、100ミリ未満の低線量の影響については結論が出ていない。研究チームでは「(100ミリ未満の被曝でも)線量に応じたリスクの増加は原爆被爆者の調査と似たような傾向を示した」としている。

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