2015/11/19

福島からの避難者が講演 神戸・松蔭高で震災学習

2015年11月19日 神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201511/0008580377.shtml
福島第1原発事故の影響で大阪府内に避難している車田麻美さん(40)が19日、神戸市灘区青谷町3の松蔭高校で、自らの体験とふるさとの現状を語った。1年間かけて震災を学んでいる2年生約200人が講演を聴き、災害や原発事故に対し「自分ならどう行動するか」を考えた。

生徒たちに原発事故後の体験を話す車田麻美さん
=神戸市灘区、松蔭高校
車田さんは福島第1原発から約60キロ西の須賀川市で、夫と夫の父母らと新築の家に暮らしていた。2011年の震災では激しい揺れに見舞われ、避難した同県三春町の実家で原発事故の発生を知る。

三春町では住民票がないとの理由で甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤をもらえなかったといい、不安は高まった。「息子だけは何とか守りたい」と当時1歳1カ月だった長男(5)と東京、大阪へと避難。夫は仕事のため、今も福島にとどまる。

「もうすぐ5年になるが、福島や避難者の生活は何も変わっておらず、福島に帰るかどうかも現時点では答えが出せない」と車田さん。「災害などいざという時に備えてどう行動するかを考えておいて」と訴えた。

講演を聴いた女子生徒(16)は「修学旅行で訪ねた東北でも『忘れないで』という声を聞いた。被災者の思いを無駄にしないよう、日頃から災害や原発事故について話し合いたい」と話していた。(阿部江利)

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