2015年11月25日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20151125_01.html
隣り合う県がいがみ合うようになりはしないか、心配になってきた。福島第1原発事故によって拡散した放射性物質を含んだ牧草が、白石市から福島県内の牧場へ搬出されたからだ。
「線量は1キログラム当たり8000ベクレル以下。『指定廃棄物』ではない。出荷目的の牛に与えるのは自粛すべき牧草であり、焼却できる一般廃棄物でもある」と白石市農林課。相手の牧場は牛を出荷するわけではないので問題ないという。
だが、牧場のある福島県浪江町は納得しない。先週末、町長が白石市を訪れて抗議する事態になった。容認したら、放射性廃棄物があちこちから運び込まれかねないと危機感を抱いている。その気持ちもまた十分に理解できる。
いまさらながらだが、原点に立ち返って産業廃棄物として東京電力に引き取ってもらうのは無理だろうか。最終的な処分方法は国と相談して決めればいい。
保管から処分まで市町村に任せっきりでは出口が見えない。処分の枠組みにどこか欠陥があるから、被害者同士が対立してしまうのではないか。
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