2016/03/24

【報道まとめ】福島/飯舘村、来年3月避難指示解除 学校再開翌年4月

(飯舘村の汚染濃度は著しく高く、村民の思いとは裏腹に生活するには厳しすぎます。少なくても子どもが生活するレベルではなく、学校再開は子どもの人権を無視していると言いたいです。 子ども全国ネット)


帰還へ期待と懸念 営農再開道険しく 飯舘村避難指示来年3月末解除

2016年3月24日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016032429788


飯舘村が帰還困難区域を除く避難指示の解除を来年3月末と示した23日、避難中の村民からはようやく見えた帰還時期を前向きに受け入れる声が上がる一方、完了時期が解除目標と重なる農地・道路除染の遅れを指摘する声も漏れた。村民が村を離れて5年。村は避難住民の心身の疲労は限界点に近づいているとみており、目標を示して住民の希望をつなぎ留めたい考えだ。

■不可欠な農業再生

「作付けにはまだまだ時間がかかる」。村農業委員の杉浦光一さん(66)=南相馬市原町区に避難=は声を落とした。村の主力産業の復興に向け除染を終えた田畑の表土は削られ、栄養を回復する取り組みが進む。しかし、原発事故前は優良だった農地の多くに除染廃棄物が山積している。撤去の見通しは立たない。

村内の女性らを中心に組織したかーちゃんの力・プロジェクト協議会長の渡辺とみ子さん(62)は「田畑の現状を考えると来年3月の避難指示の解除は厳しいのではないか」と指摘する。直ちに営農は再開できないと見ているためだ。だが、望郷の念は尽きない。「村で生きていくためには農業再生は不可欠」と強調した。

■好転を切望

商業施設の充実も急務だ。村には現在、コンビニエンスストアが1軒あるのみ。村商工会は共同店舗の設置を村と協議している。愛沢文良村行政区長会長(74)=福島市に避難=は「食料品などの移動販売が必要だ」と求めた。

震災と原発事故後も村内で稼働している事業所や施設は帰還目標の提示を好意的に受け止めた。

震災直後の2日間を除き工場を動かし続けた菊池製作所(本社・東京都)の高橋幸一取締役(54)は「帰還する村民が増えれば従業員の張り合いになる」と歓迎した。

特別養護老人ホーム「いいたてホーム」も村内に残った事業所の一つ。従事者の確保に苦労する福祉業界にあってさらに苦心を重ねた。職員募集などの際に避難指示区域内での就労を敬遠されるケースもあったという。三瓶政美施設長(67)は「解除が事態の好転には直結しないと思うが、長期的にはきっとプラスに働くだろう」と期待を寄せた。

■複雑な思い

村は幼稚園と小中学校を平成30年4月に村内の飯舘中で再開させる方針も明示した。複雑な思いを隠さない保護者も少なくない。

小学生と中学生の合わせて4人の母親の庄司智美さん(38)=福島市に避難=は子どもを村内の学校に通わせるつもりだ。大量の除染廃棄物が残る村内に不安がないわけではない。ただ、子どもたちは周囲の友人が村に戻る中で福島市に残ることに難色を示しているという。「子どもの考えを尊重したい。早く中間貯蔵施設を整備して廃棄物を撤去してほしい」と切実に訴えた。




避難解除「17年3月31日」 飯舘村方針、学校再開18年4月

2016年03月24日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160324-060349.php

東京電力福島第1原発事故で全村避難が続く飯舘村は23日、2017(平成29)年3月31日に、帰還困難区域の長泥地区を除く区域の避難指示解除を目指す村独自の方針を固めた。また、17年4月としていた村内で幼稚園と小学校、中学校を再開する時期を、18年4月に1年間延長することも示した。同日、菅野典雄村長が村議会全員協議会と行政区長会会議で明らかにした。

村は政府決定に先行して独自に避難指示解除の方針時期を設定し、今年7月1日から9カ月にわたり帰村に向けた長期的な宿泊(準備宿泊)実施を政府に要望していく。菅野村長は取材に「17年3月より前に解除する選択肢はない。村が決めたことに対して政府も努力してほしい」と述べ、村方針に沿うよう政府に強く要望していく考え。4月にも政府原子力災害現地対策本部長の高木陽介経済産業副大臣に村の方針を伝える。

政府は「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」を17年3月までに解除する方針を示しており、菅野村長は政府の方針に沿う形で「最長で17年3月までに避難指示解除」との目標時期を示していたが、具体的な時期は示していなかった。

村は、福島市飯野町に移転中の主な役場機能を6月22日、5年ぶりに本庁舎に戻して業務を再開する。長期的な宿泊については、役場機能が戻る時期に合わせた。今後、生活環境の整備を加速できるのか、村民の帰還促進に向けた鍵となりそう。国直轄の除染事業が進行中で、宅地の除染は終了したが、農地や道路などの除染は17年3月までの完了を目指している。






17年3月に避難指示解除を 福島・飯舘村、国に要望へ

2016年3月23日  河北新報
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23HBE_T20C16A3CC1000/ 

福島県飯舘村の菅野典雄村長は23日、東京電力福島第1原子力発電所事故で村内全域に出ている避難指示を、放射線量が高い地域を除き2017年3月末に解除するよう政府に要望すると明らかにした。同日開かれた村議会の全員協議会と行政区長会で示した。

菅野村長は記者団に「村が希望する時期に向かって、政府は責任を持って解除できる環境を整えてほしい」と話した。来月にも国に要望書を提出する。

ただ、行政区長会では放射線への不安のほか、農業などなりわいを再建する環境が整っていないなどの意見が出た。

菅野村長は、現在村外に避難している村立幼稚園と小中学校を18年4月に村内で再開することも明らかにした。

原発事故の避難区域を巡っては、政府は昨年6月に改定した復興指針で、放射線量が高い帰還困難区域を除き、居住制限区域と避難指示解除準備区域を17年3月までに解除するとしている。〔共同〕



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