2016/03/30

環境回復の継続提言 放射線健康影響「懸念なし」 川俣・山木屋除染等検証委 /福島

2016年30日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016033029939 

放射線防護の専門家でつくる川俣町山木屋地区除染等検証委員会(委員長・伊藤哲夫近畿大原子力研究所長)は29日、東京電力福島第一原発事故で避難区域となっている山木屋地区の住民帰還に向け、環境回復に継続して取り組むよう町に提言した。

提言は除染の成果などを検証した最終報告書に盛り込んだ。昨年7月の中間報告で挙げた放射線量マップの作成、里山の放射線対策などに加え、除染廃棄物の仮置き場整備、営農再開への農業基盤整備、放射線測定体制の充実を求めた。

一方で最終報告書は帰還後の住民の放射線被ばくについて、あらためて「健康影響が懸念されるレベルにない」と結論付けた。今年1月現在の同地区の空間線量率の最大値は毎時1.00マイクロシーベルト。1日の屋外滞在時間を6.5時間と推定した場合、平成28年の年間追加被ばく線量は3.1ミリシーベルトで、避難の基準となった20ミリシーベルトを下回った。

昨年7月24日から10月31日に同地区の農業者ら17人が個人線量計で測定した年間追加被ばく線量は最大5.6ミリシーベルトだった。

町役場で最終報告を受けた伊藤智樹副町長は「空間線量が毎時0.23マイクロシーベルトを超えている地域もある。住民の安心確保のため引き続き環境回復に努めたい」とした。山木屋地区は国が6月以降の避難指示解除を目指している。




生活圏「健康影響、懸念なし」 山木屋除染検証委が最終報告

2016年03月30日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160330-062033.php 

避難区域となっている川俣町山木屋地区の除染効果などを検証する「山木屋地区除染等検証委員会」は29日、町に最終報告書を提出した。昨年7月の中間報告と同様、山木屋地区の年間追加被ばく線量推計値を公表した上で「生活圏の線量は健康影響が懸念されるレベルにはない」と評価した。

最終報告書では、原発事故による年間追加被ばく線量について、屋外で約6時間30分活動した場合、平均値が年間1.1ミリシーベルト、最大値は年間3.1ミリシーベルトと推計した。これまでの実測値などを基に年間追加被ばく線量を推計した。

検証委は昨年4月に発足、放射線の専門家ら6人で構成し、29日で解散した。

川俣町は最終報告を避難指示解除の判断材料の一つとする方針で、町中央公民館で最終報告書を受けた伊藤智樹副町長は「あらためて健康影響に懸念されるレベルにないと認識した」と受け止めた。

また、避難指示解除時期の判断について伊藤副町長は「古川道郎町長の復帰後に(避難解除の)議論が本格化する」と強調した。



山木屋の除染検証委最終報告

2016年3月30日 NHK福島

原発事故で避難指示区域となっている川俣町山木屋地区で除染の効果などを検証してきた町の委員会は、放射線量が下がったため今後の生活で「健康影響が懸念されるレベルにはない」とする最終報告書をまとめました。

川俣町が設置した検証委員会は、およそ1年間、山木屋地区の放射線量の推移などを確認しながら除染の効果や健康影響を調べ、29日に最終報告書をまとめました。

それによりますと、除染前の去年2月、平均で1時間当たり1点04マイクロシーベルトだった宅地内の放射線量は、ことし1月時点で平均0・36マイクロシーベルトとおよそ3分の1に下がったとしています。




また、山木屋地区で今後生活する人の推定の被ばく量は、ことし1年間の平均で1・1ミリシーベルトと、除染の目標のひとつだった年間20ミリシーベルトを大きく下回り、「健康影響が懸念されるレベルにはない」としています。

一方で、除染の長期的な目標である年間1ミリシーベルトに相当する1時間あたり0・23マイクロシーベルトを超える場所が残っていることから「住民の不安にこたえる対策が必要」だとしています。
川俣町は、この最終報告書などを参考に、入院中の町長が復帰する予定の5月中旬以降、山木屋地区の住民と避難指示の解除に向けた議論を始めたいとしています。

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